コンクリ打ちっぱなしの小さく丸い窪みは何?
問いは木下が出したもので、答えは Claude Code と調べて書いたものです。
Q(木下の問い・直感) コンクリート打ちっぱなしの壁にある、小さく丸い窪みってなに?
A あれは「Pコン(ピーコン)穴」と呼ばれる、型枠工事の跡。コンクリートは固まるまで 「型枠」という板で両側から挟んで形を作るが、生コンは重くドロドロで内側からの圧力(側圧)で 型枠が膨らんだり倒れたりする。そこで左右の型枠を貫いて渡す「セパレーター」という金属の棒で 板の間隔を一定に突っ張らせる。このセパレーター両端の、型枠の内側に来る位置にねじ込む 円錐台形(すり鉢を伏せた形)の部品が「Pコン(Plastic Cone)」。固まって型枠を外すと Pコンも外れ、あとに小さくすり鉢状に凹んだ窪みが残る。セパレーターは一定間隔でしか型枠を 保てないので、窪みは必ず縦横グリッド状に等間隔で並ぶ。安藤忠雄などはこの整然とした並びを 意匠として狙って使う。放置すると穴から雨水が入り内部の鉄筋・セパレーターが錆びるので、 通常はモルタルで埋め戻すか専用キャップをはめる。
補足1(セパレーターの具体的な仕組み) セパレーター(略してセパ)は両ねじの鉄棒。両端の型枠の外側から「フォームタイ」という 締め付け金物とバタ角(横木)で挟んでナットで締める。棒の端に近い型枠内側の位置に Pコンをねじ込んでおくと、Pコンの底面が型枠の内面にぴったり当たり、左右の型枠の間隔= 壁の厚みがPコンの高さで機械的に決まる(=突っ張り棒の役割)。外側のフォームタイを締めると 今度は型枠が外へ膨らむのを抑え込む。つまりセパは「これ以上狭まらない」、フォームタイは 「これ以上広がらない」を同時に担い、壁厚が一定に保たれる。
なお枠とPコンは直接ねじ留めするのではない。板にあけた小穴からセパの細い先端を外へ貫かせ、 外側からフォームタイ+バタ角+蝶ナットで締め上げると、板が「内側のPコン底面」と「外側の フォームタイ座金」で挟み込まれて固定される(Pコン=内への縮まり止め、フォームタイ=外への 膨らみ止め)。だから板を外すときは外の蝶ナットを緩めるだけで板が取れ、Pコンも一緒に抜ける。
参考リンク(セパレーター配置→Pコン取付→型枠組立の3段階を図解、跡がセパ穴になる流れ): 三和建設「あの丸いのは何ですか?〜コンクリート壁の"セパ穴"」 https://sanwa-rc.com/blog/?p=28435
補足2(なぜ Plastic Cone =プラスチックなのか) コーン部を樹脂(プラスチック)で作るのは、①型枠を外すときにコンクリートから きれいに抜けて割れず、窪みの形が整う ②内部に残る金属セパ端との間を樹脂が絶縁・遮断し、 外気や雨水が金属に直接触れて錆びるのを防ぐ ③安価で大量生産でき使い捨てできる、から。 昔はモルタル製の「Cコン(コンクリートコーン)」もあったが、抜けの良さと防錆で樹脂製が主流に なった。だから「Plastic」は素材そのものを指す即物的な命名。
補足3(窪みの底に金属が見えるのは何か) Pコンの中心はセパレーターの端とねじで繋がっている。型枠を外すとPコンは取れるが、 セパ本体はコンクリートの中に埋まったまま残る(壁を突っ張っていた本体だから当然埋まっている)。 Pコンが抜けた窪みの底には、コンクリート中に残ったセパの切断端(金属の頭)がわずかに覗く。 これを放置すると雨水で錆びて内部から爆裂するので、埋め戻し前に端をわずかに斫(はつ)って 奥に引っ込め、防錆処理してからモルタルで埋める。窪みの底に金属が光って見えるのは、 この防錆・埋め戻しがまだ/簡易な状態の名残。
← ふとした疑問の一覧へ