ウォール・オブ・サウンドとは何か(「ある/ない」の聞き分け)
問いは木下が出したもので、答えは Claude Code と調べて書いたものです。
Q(木下):ウォール・オブ・サウンドが一番わかりやすい曲は?ありふれすぎてて、それが「ある」ものと「ない」ものがどう違うのかわからない。
A:ウォール・オブ・サウンド(Wall of Sound)は、1960年代前半にプロデューサーのフィル・スペクターが確立した録音・編曲の技法。最もわかりやすい模範曲は The Ronettes「Be My Baby」(1963)。次点で The Righteous Brothers「You've Lost That Lovin' Feelin'」(1964)、Ike & Tina Turner「River Deep – Mountain High」(1966)、Darlene Love「Christmas (Baby Please Come Home)」。
「ありふれすぎててわからない」というのは正しくて、この技法が後世ポップスの標準装備になったため、単体で聴くと「ただの分厚い曲」に聞こえてしまう。だから対比で聴くのが要点。
「ない」=普通のバンド録音では、ギター・ベース・ドラム・ボーカルがそれぞれ別の場所に立って聞き分けられ、音に隙間があり粒が立っている(60年代前半の普通のガールズグループ、ビートルズ初期など)。「ある」=ウォール・オブ・サウンドでは、ピアノ複数台・ギター数本・多種のパーカッションが同じフレーズを一斉に重ね、それをモノラルで団子状に混ぜ、エコーチェンバー(残響室)でびしょ濡れの残響をかける。結果、個々の楽器の輪郭が溶けて隙間のない「音の壁」になり、ボーカルすら壁の一部として塗り込められる。
聞き分けのコツは三つ。①隙間があるか(壁がある曲は音の途切れ・無音がほぼない)②楽器を名指しできるか(できない=溶けている=壁)③残響でウェットか(教会みたいにワンワン響く=チェンバーの音)。同じ「Be My Baby」でもライブやシンプルなカバーだと各楽器がくっきり分離して「痩せて」聞こえ、これが「ない」状態。オリジナル音源の飽和した分厚さが「ある」状態。続けて聴くと体で差がわかる。系譜はブライアン・ウィルソン(Beach Boys「God Only Knows」)やスペクターが関わったビートルズ「The Long and Winding Road」、後のシューゲイザーまで続く。
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