shorts・pants・scissors はなぜ1つでも複数形なのか
問いは木下が出したもので、答えは Claude Code と調べて書いたものです。
ショートパンツのことをshortsっていうけどなんで複数形?ほかにひとつのものなのに複数形でかいたりするものについても教えて
答え:脚を通す筒や刃のように「同じ部品が左右2つ組になった物」は、英語では部品の数で数えて複数形で呼ぶから。ズボンは昔、片脚ずつ別々の布(ホーズ)を履いて腰で留めていた名残でもある
複数形になる理由。 英語には「2つの対称な部分がつながって1つの道具になっている物」を常に複数形で呼ぶ習慣があり、文法では「分化複数(plurale tantum)」と呼ぶ。shorts は2本の短い脚筒、scissors は2枚の刃、glasses は2枚のレンズからなる。単数形の shirt と違って「1枚」と言いたいときは複数形のまま a pair of を付けて a pair of shorts、two pairs of shorts と数える。動詞も複数で受けるので、My shorts are dirty. が正しい。
歴史の名残。 中世ヨーロッパの男性は、片脚ずつのタイツのような布(hose)を左右別々に履き、腰で上着に紐で結んでいた。のちに左右が縫い合わされて1つの衣服になったが、「2本の脚の物」という呼び方が残った。trousers も pants(pantaloons の略)も同じ経緯をたどった。
同じ型の例。
- 脚が2本の衣類:shorts、pants、trousers、jeans、leggings、tights、pajamas(英 pyjamas)、boxers、briefs
- 刃や腕が2本の道具:scissors、pliers(ペンチ)、tongs(トング)、tweezers(ピンセット)、clippers、shears
- レンズが2枚の物:glasses、spectacles、binoculars(双眼鏡)、goggles
- 2枚の板や皿:scales(天秤。いまは a scale も使う)
少し違う型(中身は2つ組でないのに複数形)。 「左右2つ」とは別の理由で常に複数形の名詞もある。
- 学問名:mathematics、physics、economics、linguistics。ギリシャ語の「〜に関する事柄」(複数形 ta physika)を写したもので、形は複数だが単数扱い(Physics is fun.)。
- ニュースや病名:news(new things から)、measles(はしか)、mumps(おたふく風邪)は単数扱い。
- 集まりとしてしか存在しない物:clothes、belongings(持ち物)、thanks、congratulations、outskirts(郊外)、remains(遺骸)、savings(貯金)、headquarters(本部。単数でも複数でも受ける)。
- 日本語に入ると:「ジーンズ」「パンツ」は単数の物として扱われ、さらに「パンツ」は下着とズボンの二義に分かれた。
日本語との違い。 日本語は名詞に単数・複数の区別がないので、「ハサミ1本」「メガネ1つ」と数詞の側で数える。英語は名詞そのものに数を刻むため、2つの部品からなる物をどちらで数えるか決める必要があり、部品の側(複数)を選んだ、という見方ができる。