統計熱力学入門 第3章 §3.7 ★★ 物理(浴を足す)・数学(ラプラス変換)・熱力学(ルジャンドル変換)の三観点。集団の統一像。

図2:三つのアンサンブルの階層。固定量が共役な制御変数に置き換わりながら、ポテンシャルがルジャンドル変換でつながる。
① 物理的な繋がり:浴を付け足していくだけ
★★ 全て「系+浴」にミクロカノニカルを適用しているだけ、という統一視点。
カノニカルもグランドカノニカルも、「系+浴」という大きな孤立系にミクロカノニカル(等重率)を適用しているだけである。
孤立・基本原理ミクロカノニカルエネルギー浴カノニカル粒子浴グランドカノニカル.
ミクロカノニカルが唯一の公理(等重率)を担い、残り二つはその派生である。
② 数学的な繋がり:和の積み重ね(ラプラス変換)
★★ Z=∑EWe−βE、Ξ=∑NeβμNZ。集団間はラプラス変換で結ばれる。
分配関数のレベルでは、上位は下位の重み付き和になっている。
Z(β,N,V)=E∑W(E,N,V)e−βE(ミクロ→カノニカル),
Ξ(β,μ,V)=N∑eβμNZ(β,N,V)(カノニカル→グランド).
「固定 → 制御変数」への移行は、その変数について重み付きで足し上げる(ラプラス変換)操作にほかならない。
③ 熱力学的な繋がり:ルジャンドル変換
★★★ 鞍点法で F=E−TS、J=F−μN。ルジャンドル変換は統計力学の中核テーマ。
②の和を熱力学極限で鞍点法(最急降下法)により評価する。Z=∑Ee(S(E)/kB−βE) の指数を最大化する E∗ で
∂E∂(kBS−βE)=0⟹∂E∂S=kBβ=T1,
これは「E と T が共役」という熱力学の関係そのもの。得られるポテンシャルの関係が
F=E−TS(S→F),J=F−μN(F→J)
というルジャンドル変換である。解析力学の L→H(ラグランジアン→ハミルトニアン)とまったく同じ構造をもつ。
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