制御工学入門 第10章 §10.3
要点
進み補償 C(s)=1+Ts1+αTs(α>1):位相を進めて位相余裕を稼ぐ(速応性・安定性の改善)。最大位相 ϕm とその周波数 ωm は
sinϕm=α+1α−1,ωm=Tα1.
遅れ補償(α<1):低周波ゲインを上げて定常偏差を減らす(高周波は触らず安定余裕を保つ)。
進み補償の最大位相
∠C(jω)=arctan(αTω)−arctan(Tω)。d∠C/dω=0 を解くとωm=1/(Tα)(二つの折点 1/αT,1/T の幾何平均)。そこでの位相は sinϕm=(α−1)/(α+1)。
(検算スクリプト で α=4⇒ϕm≈36.9∘ を確認。)□
例題 10.1(演習10.1(進み補償の設計))
オリジナルある系の位相余裕が 20∘ しかない。進み補償で ϕm=37∘ を加えて余裕を増やしたい。補償器のパラメータ α を求め、その配置方針を述べよ。
解答
sin37∘=0.60=α+1α−1 を解くと α=1−0.61+0.6=4。補償器 C=1+Ts1+4Ts の最大位相点 ωm=2T1 を、補償後の新しいゲイン交差周波数に合わせる(T を選ぶ)。これで ωgc 付近に +37∘ が加わり、位相余裕が 20∘→ 約 57∘ に改善する(進みでゲインも上がるため ωgc が少し右に動く分を見込んで反復調整する)。速応性を保ったまま安定余裕を確保する、進み補償の典型的な使い方である。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com