nine と nano は語源が同じ?
問いは木下が出したもので、答えは Claude Code と調べて書いたものです。
nineとnanoって語源同じ?同様のものは?
答え:別物。nano が なのは偶然
nine はゲルマン系の語で、印欧祖語の「9」(*h₁néwn̥)から来ている。同じ祖先を持つのはラテン語の novem(9)で、November(古いローマ暦で9番目の月)や nona-(nonagon=九角形)はここから出ている。一方 nano はギリシャ語の nânos「小人」が語源で、数の9とは関係がない。1960年に SI 接頭語を決めたとき「とても小さい」という意味で採っただけで、 に当たったのは偶然である。giga(ギリシャ語 gigas「巨人」)が なのも同じく偶然で、9 とは無関係。
補足:逆に「数詞から意図的に作った」SI 接頭語はたくさんある
1975年以降に足した大きい側の接頭語は、 の n をもじって作られている。tera()はギリシャ語 teras「怪物」だが tetra(4)にも掛けてある。peta()は penta から n を抜いた形、exa()は hexa から h を抜いた形、zetta()はラテン語 septem の頭を z に替えた形、yotta()はギリシャ語 okto(8)由来である。2022年に足した ronna()はギリシャ語 ennea/ラテン語 novem(9)を、quetta()は deka/decem(10)を下敷きにしているので、nine と本当に親戚なのは nano ではなく ronna のほうになる。小さい側では femto()がデンマーク語 femten(15)、atto()が atten(18)から来ており、指数そのものを表している。
補足:ronna の頭がなぜ r なのか
理由は「記号に使える文字が R と Q しか残っていなかった」からである。SI 接頭語の記号は1文字で、既存の単位記号(m・g・s・A・K・W・V など)や他の接頭語と被ってはいけない。さらに zetta(Z)・yotta(Y)とアルファベットを後ろから遡る並びが続いており、その先の X・W・V・U などはどれも使用中か紛らわしいため外された。結果として空いていた R と Q が選ばれた(大きい側は大文字 R・Q、小さい側は小文字 r・q)。
そのうえで名前は「頭文字を R/Q に固定し、残りを9・10の数詞に寄せる」という順で作られた。ronna は novem/ennea(9)の響きを、quetta は decem/deka(10)の響きを借り、語尾は大きい側を -a、小さい側(ronto・quecto)を -o にするという慣例に合わせてある。つまり先に文字が決まり、語源は後から当てたものである。2022年の国際度量衡総会で採択された。