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粒子数が保存しない

2026年10月15日3分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第1章 1粒子量子力学の破綻

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第1部 第1章 §1.1.2 ★★★ 核心:エネルギーが 2mc22mc^2 を超えると始状態と終状態で粒子数が違う

相対論のもっとも有名な帰結は E=mc2E=mc^2、すなわち質量とエネルギーが同じものの二つの表れだという主張である。量子力学と組み合わせると、これは「十分なエネルギーがあれば、そこに無かった粒子が生まれる」ことを意味する。実際、エネルギー 2mec2≃1 2m_ec^2\simeq1\,MeV 以上の光子を物質に当てると電子・陽電子対が生じ、高エネルギー加速器では e+e−e^+e^- の衝突から μ+μ−\mu^+\mu^- が生じる。始状態の粒子数と終状態の粒子数は一致しない。

図

図 1.1:対生成の時空図。入射した電子1個と光子1個(時間方向に下から上へ)が相互作用し、出て行くのは電子2個と陽電子1個である。始状態と終状態で粒子数が違うので、「粒子1個の波動関数」や「粒子2個の波動関数」という固定した器にはこの過程が入らない。

この事実が1粒子量子力学に与える打撃は、「対生成を計算できない」だけにとどまらない。散乱の中間状態には、エネルギー保存が一時的に破れた仮想的な対生成が必ず混ざる。したがって E≳2mc2E\gtrsim2mc^2 の領域では、たとえ始状態と終状態が1粒子であっても、途中を1粒子だけで書いた計算は正しい答えを出さない。

例題 1.1(対生成のしきい値を運動学から出す)

オリジナル静止した電子に光子を当てて、電子・陽電子対を作る過程 γ+e−→e−+e−+e+\gamma+e^-\to e^-+e^-+e^+ を考える。自然単位(ℏ=c=1\hbar=c=1)で電子質量を mm とし、光子のエネルギーを ω\omega とする。

  • (1) 全4元運動量の2乗 s=(k+p)2s=(k+p)^2(kk は光子、pp は静止電子の4元運動量)を ω\omega と mm で表せ。
  • (2) この反応が起こりうる最小の ω\omega を求めよ。電子について数値も述べよ。
解答

(1) 光子は質量ゼロなので k2=0k^2=0、静止電子は pμ=(m,0)p^\mu=(m,\bm{0}) で p2=m2p^2=m^2 である。光子の4元運動量を kμ=(ω,k)k^\mu=(\omega,\bm{k}) と書くと k⋅p=ωmk\cdot p=\omega m となるから

s=(k+p)2=k2+2k⋅p+p2=2ωm+m2.s=(k+p)^2=k^2+2k\cdot p+p^2=2\omega m+m^2 .

(2) ss は重心系での全エネルギーの2乗である(この事実は検算スクリプトで確認済み)。終状態は質量 mm の粒子3個なので、重心系で最低でも 3m3m のエネルギーが要る。すなわち s≥(3m)2=9m2s\ge(3m)^2=9m^2 であり、

2ωm+m2≥9m2⟹ω≥4m.2\omega m+m^2\ge9m^2\quad\Longrightarrow\quad \omega\ge4m .

電子は m=0.511 m=0.511\,MeV なので ω≥2.04 \omega\ge2.04\,MeV となる。「2mc22mc^2 程度」という見積もりは正しいオーダーだが、静止した相手にぶつける配置では反跳にエネルギーを取られるため、実際のしきい値は 4mc24mc^2 である。

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