粒子数が保存しない
AI 生成・木下が未勉強
場の量子論入門 第1部 第1章 §1.1.2 ★★★ 核心:エネルギーが を超えると始状態と終状態で粒子数が違う
相対論のもっとも有名な帰結は 、すなわち質量とエネルギーが同じものの二つの表れだという主張である。量子力学と組み合わせると、これは「十分なエネルギーがあれば、そこに無かった粒子が生まれる」ことを意味する。実際、エネルギー MeV 以上の光子を物質に当てると電子・陽電子対が生じ、高エネルギー加速器では の衝突から が生じる。始状態の粒子数と終状態の粒子数は一致しない。
図 1.1:対生成の時空図。入射した電子1個と光子1個(時間方向に下から上へ)が相互作用し、出て行くのは電子2個と陽電子1個である。始状態と終状態で粒子数が違うので、「粒子1個の波動関数」や「粒子2個の波動関数」という固定した器にはこの過程が入らない。
この事実が1粒子量子力学に与える打撃は、「対生成を計算できない」だけにとどまらない。散乱の中間状態には、エネルギー保存が一時的に破れた仮想的な対生成が必ず混ざる。したがって の領域では、たとえ始状態と終状態が1粒子であっても、途中を1粒子だけで書いた計算は正しい答えを出さない。
例題 1.1(対生成のしきい値を運動学から出す)
オリジナル静止した電子に光子を当てて、電子・陽電子対を作る過程 を考える。自然単位()で電子質量を とし、光子のエネルギーを とする。
- (1) 全4元運動量の2乗 ( は光子、 は静止電子の4元運動量)を と で表せ。
- (2) この反応が起こりうる最小の を求めよ。電子について数値も述べよ。
解答
(1) 光子は質量ゼロなので 、静止電子は で である。光子の4元運動量を と書くと となるから
(2) は重心系での全エネルギーの2乗である(この事実は検算スクリプトで確認済み)。終状態は質量 の粒子3個なので、重心系で最低でも のエネルギーが要る。すなわち であり、
電子は MeV なので MeV となる。「 程度」という見積もりは正しいオーダーだが、静止した相手にぶつける配置では反跳にエネルギーを取られるため、実際のしきい値は である。
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