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Lorentz 変換とスカラー・ベクトル・テンソル

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第2章 特殊相対論の記法と自然単位

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第1部 第2章 §1.2.3 ★★ 変換則:何が不変量で、何がどう混ざるか

慣性系の取り替えは、時空座標の線形変換

x′μ=Λ νμxνx'^\mu=\Lambda^\mu_{\ \nu}x^\nu

で書ける。不変間隔が保たれるという要求 ημνx′μx′ν=ηρσxρxσ\eta_{\mu\nu}x'^\mu x'^\nu=\eta_{\rho\sigma}x^\rho x^\sigma は、xx が任意であることから

ημνΛ ρμΛ σν=ηρσ(1.2.1)\eta_{\mu\nu}\Lambda^\mu_{\ \rho}\Lambda^\nu_{\ \sigma}=\eta_{\rho\sigma}\tag{1.2.1}

という条件になる。行列で書けば ΛTηΛ=η\Lambda^{\mathsf T}\eta\Lambda=\eta である。これを満たす Λ\Lambda の全体が Lorentz 群で、独立なパラメータは6個ある(3方向の回転と3方向のブースト)。両辺の行列式を取ると (det⁡Λ)2=1(\det\Lambda)^2=1、ρ=σ=0\rho=\sigma=0 と置くと (Λ 00)2≥1(\Lambda^0_{\ 0})^2\ge1 が出る。det⁡Λ=+1\det\Lambda=+1 かつ Λ 00≥1\Lambda^0_{\ 0}\ge1 の連結成分を固有直交時間的 Lorentz 変換と呼び、通常「Lorentz 変換」と言えばこれを指す。空間反転と時間反転は別成分にあり、離散対称性として別途扱う(第4部 第5章)。

変換則によって場を分類する。座標変換 x→x′=Λxx\to x'=\Lambda x に対して

スカラー場:ϕ′(x′)=ϕ(x),ベクトル場:V′μ(x′)=Λ νμVν(x),2階テンソル場:T′μν(x′)=Λ ρμΛ σνTρσ(x)\begin{aligned} \text{スカラー場:}&\quad \phi'(x')=\phi(x),\\ \text{ベクトル場:}&\quad V'^\mu(x')=\Lambda^\mu_{\ \nu}V^\nu(x),\\ \text{2階テンソル場:}&\quad T'^{\mu\nu}(x')=\Lambda^\mu_{\ \rho}\Lambda^\nu_{\ \sigma}T^{\rho\sigma}(x) \end{aligned}

と変換するものを、それぞれスカラー場・ベクトル場・テンソル場と呼ぶ。スピノル場(Dirac 場)はこのいずれでもない4つ目の変換則に従い、第4部で扱う。

添字がすべて縮約された量が不変量になることは、条件 (1.2.1) から直ちに従う。実際 a′⋅b′=ημνΛ ρμaρΛ σνbσ=ηρσaρbσ=a⋅ba'\cdot b'=\eta_{\mu\nu}\Lambda^\mu_{\ \rho}a^\rho\Lambda^\nu_{\ \sigma}b^\sigma =\eta_{\rho\sigma}a^\rho b^\sigma=a\cdot b である。これが添字記法の実用上の価値で、上下の添字がすべてペアで潰れている式は、見ただけで不変だと分かる。場の理論で作用を組み立てるとき、この判定を毎回使う。また d4x′=∣det⁡Λ∣ d4x=d4x\mathrm{d}^4x'=|\det\Lambda|\,\mathrm{d}^4x=\mathrm{d}^4x なので4次元体積要素も不変であり、被積分関数がスカラーなら ∫d4x (スカラー)\int\mathrm{d}^4x\,(\text{スカラー}) は不変量になる。作用を ∫d4x L\int\mathrm{d}^4x\,\mathcal{L} の形に書く理由がここにある(第3.2節)。

例題 2.2(ブーストの行列とラピディティ)

オリジナルxx 方向へ速度 β\beta(自然単位で c=1c=1 なので β=v\beta=v)でブーストする変換は

t′=γ(t−βx),x′=γ(x−βt),y′=y,z′=z,γ=11−β2t'=\gamma(t-\beta x),\quad x'=\gamma(x-\beta t),\quad y'=y,\quad z'=z, \qquad \gamma=\frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}}

である。

  • (1) この Λ\Lambda が条件 (1.2.1) を満たすことを、00–00 成分・00–11 成分・11–11 成分について確認せよ。
  • (2) γ=cosh⁡η\gamma=\cosh\eta、γβ=sinh⁡η\gamma\beta=\sinh\eta でラピディティ η\eta を定義できることを示し、同じ向きのブーストの合成が η\eta の足し算になることを示せ。
  • (3) 4元運動量 pμ=(E,px,0,0)p^\mu=(E,p_x,0,0) を変換し、p2p^2 が不変であることを確認せよ。
解答

(1) 行列成分は Λ 00=Λ 11=γ\Lambda^0_{\ 0}=\Lambda^1_{\ 1}=\gamma、Λ 10=Λ 01=−γβ\Lambda^0_{\ 1}=\Lambda^1_{\ 0}=-\gamma\beta、残りは単位行列である。条件の左辺 ημνΛ ρμΛ σν\eta_{\mu\nu}\Lambda^\mu_{\ \rho}\Lambda^\nu_{\ \sigma} を計算すると、(ρ,σ)=(0,0)(\rho,\sigma)=(0,0) では γ2−(γβ)2=γ2(1−β2)=1=η00\gamma^2-(\gamma\beta)^2=\gamma^2(1-\beta^2)=1=\eta_{00}、(0,1)(0,1) では γ(−γβ)−(−γβ)γ=0=η01\gamma(-\gamma\beta)-(-\gamma\beta)\gamma=0=\eta_{01}、(1,1)(1,1) では (−γβ)2−γ2=−1=η11(-\gamma\beta)^2-\gamma^2=-1=\eta_{11} となり、いずれも η\eta の対応する成分に一致する。

(2) γ2−(γβ)2=γ2(1−β2)=1\gamma^2-(\gamma\beta)^2=\gamma^2(1-\beta^2)=1 が恒等的に成り立つので、双曲線関数の恒等式 cosh⁡2η−sinh⁡2η=1\cosh^2\eta-\sinh^2\eta=1 と同じ形であり、γ=cosh⁡η\gamma=\cosh\eta、γβ=sinh⁡η\gamma\beta=\sinh\eta と置ける(このとき β=tanh⁡η\beta=\tanh\eta)。変換行列の tt–xx 部分は (cosh⁡η−sinh⁡η−sinh⁡ηcosh⁡η)\bigl(\begin{smallmatrix}\cosh\eta&-\sinh\eta\\-\sinh\eta&\cosh\eta\end{smallmatrix}\bigr) となり、双曲線関数の加法定理から Λ(η1)Λ(η2)=Λ(η1+η2)\Lambda(\eta_1)\Lambda(\eta_2)=\Lambda(\eta_1+\eta_2) が従う。速度 β=tanh⁡η\beta=\tanh\eta は単純に足せないが、ラピディティは足せる。これが速度の合成則 β=(β1+β2)/(1+β1β2)\beta=(\beta_1+\beta_2)/(1+\beta_1\beta_2) の正体で、tanh⁡\tanh の加法定理そのものである。

(3) 座標と同じ変換則に従うので E′=γ(E−βpx)E'=\gamma(E-\beta p_x)、px′=γ(px−βE)p'_x=\gamma(p_x-\beta E) であり、

(p′)2=γ2[(E−βpx)2−(px−βE)2]=γ2(1−β2)(E2−px2)=p2.(p')^2=\gamma^2\bigl[(E-\beta p_x)^2-(p_x-\beta E)^2\bigr]=\gamma^2(1-\beta^2)(E^2-p_x^2)=p^2 .

EE と pxp_x は個別には観測者に依存するが、組み合わせ p2=m2p^2=m^2 は依存しない。散乱の振幅を s=(p1+p2)2s=(p_1+p_2)^2 のような不変量で書く習慣は、この性質を利用している。

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