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自然単位

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第2章 特殊相対論の記法と自然単位

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第1部 第2章 §1.2.4 ★★★ 実務:ℏ=c=1\hbar=c=1 で全部が質量のべきになる、戻し方を手順化する

場の量子論では ℏ\hbar と cc を式から消し、ℏ=c=1\hbar=c=1 と置く。これは単位の選び方の問題であって、物理を変えるものではない。c=1c=1 とすると長さと時間が同じ次元になり、ℏ=1\hbar=1 とするとエネルギーと時間の逆数が同じ次元になる。結果として、あらゆる物理量の次元が質量(=エネルギー)のべき1つで表される。慣例として質量の次元を [ ⋅ ][\,\cdot\,] で書き、

[質量]=[エネルギー]=[運動量]=1,[長さ]=[時間]=−1[\text{質量}]=[\text{エネルギー}]=[\text{運動量}]=1,\qquad [\text{長さ}]=[\text{時間}]=-1

とする。エネルギーの単位には GeV(109 10^9\,eV)を使うことが多い。

自然単位から SI へ戻す手順

自然単位で書かれた量 XX を SI の単位に戻すには、次の順で機械的に処理する。

  • 1. XX の質量次元 dd を数える([X]=d[X]=d)。
  • 2. XX を「GeV の dd 乗」の形の数値にする。
  • 3. dd が負なら、長さに直すために ℏc=0.1973 GeV⋅fm\hbar c=0.1973\,\mathrm{GeV}\cdot\mathrm{fm} を ∣d∣|d| 個掛ける。dd が正なら ℏc\hbar c で割る。時間が欲しければ最後に光速で割って長さを時間に直す。

覚えておく換算はこの1つだけでよい。1 fm=10−15 1\,\mathrm{fm}=10^{-15}\,m である。

具体的には、質量 mm の逆数 1/m1/m は長さの次元 −1-1 を持つので、ℏc/(mc2)\hbar c/(mc^2) が対応する SI の長さになる。これが換算 Compton 波長で、第1.4節で見たとおり、その粒子を局在させられる限界を与える。

断面積は面積なので次元 −2-2 である。自然単位で GeV−2\mathrm{GeV}^{-2} と出た数値をcm2\mathrm{cm}^2 に直すには (ℏc)2(\hbar c)^2 を掛ければよい。

1 GeV−2×(ℏc)2=(0.1973 fm)2=0.03893 fm2=3.893×10−28 cm2.1\,\mathrm{GeV}^{-2}\times(\hbar c)^2=(0.1973\,\mathrm{fm})^2=0.03893\,\mathrm{fm}^2=3.893\times10^{-28}\,\mathrm{cm}^2 .

崩壊率は次元 +1+1(時間の逆数)なので、GeV で出た値を ℏ\hbar で割れば s−1\mathrm{s}^{-1} になる。微細構造定数 α=e2/4π=1/137.036\alpha=e^2/4\pi=1/137.036 は、自然単位では ee が無次元なので無次元である(Heaviside–Lorentz 単位系を使っている)。無次元量は単位系の選び方に依存しないので、理論と実験を比べるときの共通言語になる。

例題 2.3(自然単位の復元を3つの量で練習する)

オリジナルℏc=0.1973 GeV⋅fm\hbar c=0.1973\,\mathrm{GeV}\cdot\mathrm{fm}、me=0.511 m_e=0.511\,MeV、α=1/137.036\alpha=1/137.036 を使って次を求めよ。

  • (1) 電子の換算 Compton 波長 1/me1/m_e(単位 fm)。
  • (2) 古典電子半径 re=α/mer_e=\alpha/m_e(単位 fm)。
  • (3) Thomson 散乱の断面積 σ=8πα23me2\sigma=\dfrac{8\pi\alpha^2}{3m_e^2}(単位 cm2\mathrm{cm}^2)。
解答

(1) 次元は −1-1 なので ℏc\hbar c を1つ掛ける。

1me→ℏcmec2=0.1973 GeV⋅fm5.11×10−4 GeV=386.1 fm.\frac{1}{m_e}\to\frac{\hbar c}{m_ec^2}=\frac{0.1973\,\mathrm{GeV}\cdot\mathrm{fm}}{5.11\times10^{-4}\,\mathrm{GeV}}=386.1\,\mathrm{fm}.

すなわち 3.861×10−13 3.861\times10^{-13}\,m であり、受け入れられている値 3.862×10−13 3.862\times10^{-13}\,m と一致する。

(2) α\alpha は無次元なので、(1) の結果を 137.036137.036 で割ってre=386.1/137.036=2.818 fmr_e=386.1/137.036=2.818\,\mathrm{fm} となり、古典電子半径の受け入れ値に一致する。名前に反して電子の大きさではなく、e2/(4πr)=mec2e^2/(4\pi r)=m_ec^2 を満たす長さ、つまり静電エネルギーが静止エネルギーに等しくなる長さである。

(3) まず自然単位のまま数値を出す。α2=5.325×10−5\alpha^2=5.325\times10^{-5}、me2=(5.11×10−4 GeV)2=2.611×10−7 GeV2m_e^2=(5.11\times10^{-4}\,\mathrm{GeV})^2=2.611\times10^{-7}\,\mathrm{GeV}^2 なので

σ=8π3⋅5.325×10−52.611×10−7 GeV2=1.709×103 GeV−2.\sigma=\frac{8\pi}{3}\cdot\frac{5.325\times10^{-5}}{2.611\times10^{-7}\,\mathrm{GeV}^2} =1.709\times10^{3}\,\mathrm{GeV}^{-2}.

次元は −2-2 なので (ℏc)2(\hbar c)^2 を掛けて cm2\mathrm{cm}^2 に直す。上で求めた 1 GeV−2=3.893×10−28 cm21\,\mathrm{GeV}^{-2}=3.893\times10^{-28}\,\mathrm{cm}^2 を使うと

σ=1.709×103×3.893×10−28 cm2=6.65×10−25 cm2.\sigma=1.709\times10^{3}\times3.893\times10^{-28}\,\mathrm{cm}^2=6.65\times10^{-25}\,\mathrm{cm}^2 .

Thomson 断面積の受け入れ値 6.652×10−25 cm26.652\times10^{-25}\,\mathrm{cm}^2 に一致する(この一致は検算スクリプトでも確認済みである)。σ≃8π3re2\sigma\simeq\frac{8\pi}{3}r_e^2 とも書けることに注意すると、断面積のスケールが古典電子半径の2乗で決まっていることが見て取れる。なお、この公式の導出は第5部 第5章で Klein–Nishina 公式の低エネルギー極限として行う。

第2章のまとめ

計量は η=diag(+1,−1,−1,−1)\eta=\mathrm{diag}(+1,-1,-1,-1)、内積は a⋅b=a0b0−a⋅ba\cdot b=a^0b^0-\bm{a}\cdot\bm{b}。添字は計量で上げ下げし、∂μ=(∂t,∇)\partial_{\mu}=(\partial_t,\nabla) は下付きが自然、□=∂μ∂μ=∂t2−∇2\Box=\partial_{\mu}\partial^{\mu}=\partial_t^2-\nabla^2。質量殻は p2=m2p^2=m^2、平面波は e−ip⋅x\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x} で ∂μ→−ipμ\partial_{\mu}\to-\mathrm{i} p_\mu。Lorentz 変換は ΛTηΛ=η\Lambda^{\mathsf T}\eta\Lambda=\eta を満たす6パラメータの変換で、添字が全部ペアで潰れた式は不変。d4x\mathrm{d}^4x も不変なので、作用は ∫d4x L\int\mathrm{d}^4x\,\mathcal{L} と書く。自然単位 ℏ=c=1\hbar=c=1 ではすべての量が質量のべきで、戻すときは ℏc=0.1973 GeV⋅fm\hbar c=0.1973\,\mathrm{GeV}\cdot\mathrm{fm} を必要な個数掛ける。

木下の勉強ステータス

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