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Fourier 展開で独立な振動子に分解する

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第2部 第1章 正準量子化とモード展開
目次
  1. 生成消滅演算子で書く
  2. Heisenberg 描像での形
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第2部 第1章 §2.1.2 ★★★ 場が無限個の調和振動子であることを見る。粒子概念の源。

式(2.1.1) だけでは何も計算できない。次に、運動方程式を解いて ϕ\phi の一般形を書き下す。鍵は、Klein–Gordon 方程式が空間 Fourier 変換で各波数ごとに分離することである。

ϕ(x,t)\phi(\bm{x},t) を空間について Fourier 変換し

ϕ(x,t)=∫ ⁣d3p(2π)3 eip⋅x ϕ~(p,t)\phi(\bm{x},t)=\int\!\frac{\mathrm{d}^3 p}{(2\pi)^3}\ \mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}}\,\tilde\phi(\bm{p},t)

と書いて (∂t2−∇2+m2)ϕ=0(\partial_t^2-\nabla^2+m^2)\phi=0 に代入すると、∇2→−p2\nabla^2\to-\bm{p}^2 より

[∂2∂t2+(p2+m2)]ϕ~(p,t)=0.(2.1.2)\left[\frac{\partial^2}{\partial t^2}+\bigl(\bm{p}^2+m^2\bigr)\right]\tilde\phi(\bm{p},t)=0.\tag{2.1.2}

これは角振動数

Ep≡p2+m2E_{\bm{p}}\equiv\sqrt{\bm{p}^2+m^2}

の調和振動子の運動方程式そのものである。異なる p\bm{p} どうしは結合していない。つまり、実空間では隣接点どうしが (∇ϕ)2(\nabla\phi)^2 の項で結合していた系が、運動量空間では独立な振動子の集まりに分解された。

図

図 1.1:場は無限個の調和振動子である。実空間では場の値が隣どうし結合しているが、Fourier 変換すると各運動量モードが角振動数 ωp=p2+m2\omega_{\bm{p}}=\sqrt{\bm{p}^2+m^2} の独立な振動子になる。

EpE_{\bm{p}} は、p\bm{p} を運動量とみなしたときの相対論的エネルギー p2c2+m2c4\sqrt{\bm{p}^2c^2+m^2c^4}(自然単位で p2+m2\sqrt{\bm{p}^2+m^2})に一致している。この一致が後で「モードの励起量子=質量 mm の相対論的粒子」という解釈を可能にする。なお m=0m=0 なら Ep=∣p∣E_{\bm{p}}=|\bm{p}| となり、光子のような質量ゼロの分散関係になる。

生成消滅演算子で書く

調和振動子1個なら、q^,p^\hat q,\hat p を昇降演算子 a,a†a,a^\dagger で書き直すのが定石であった。場でも同じことをする。各モードに ap,ap†a_{\bm{p}}, a^\dagger_{\bm{p}} を割り当て、

ϕ(x)=∫ ⁣d3p(2π)3 12Ep(ap eip⋅x+ap† e−ip⋅x),π(x)=∫ ⁣d3p(2π)3 (−i)Ep2(ap eip⋅x−ap† e−ip⋅x)\begin{align*}\phi(\bm{x})&=\int\!\frac{\mathrm{d}^3 p}{(2\pi)^3}\ \frac{1}{\sqrt{2 E_{\bm{p}}}} \Bigl( a_{\bm{p}}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}}+ a^\dagger_{\bm{p}}\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}}\Bigr),\tag{2.1.3}\\[2pt] \pi(\bm{x})&=\int\!\frac{\mathrm{d}^3 p}{(2\pi)^3}\ (-\mathrm{i})\sqrt{\frac{ E_{\bm{p}}}{2}} \Bigl( a_{\bm{p}}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}}- a^\dagger_{\bm{p}}\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}}\Bigr)\tag{2.1.4}\end{align*}

と置く。ここでの ϕ(x),π(x)\phi(\bm{x}),\pi(\bm{x}) は Schrödinger 描像の演算子(ある固定時刻での値)で、指数の肩の p⋅x\bm{p}\cdot\bm{x} は3次元の内積である。この形について確認すべき点が3つある。

第1に、ϕ\phi が Hermite 演算子(ϕ†=ϕ\phi^\dagger=\phi)であることが式(2.1.3) から読み取れる。eip⋅x\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}} の係数が apa_{\bm{p}} なら、Hermite 共役を取るとe−ip⋅x\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\bm{p}\cdot\bm{x}} の係数は ap†a^\dagger_{\bm{p}} でなければならない。実場である以上、この2つは独立に選べない。第5章で複素場を扱うときは、まさにこの縛りが外れて独立な2種類の演算子が現れる。

第2に、係数 1/2Ep1/\sqrt{2 E_{\bm{p}}} の由来である。1モードの調和振動子ではq^=(a+a†)/2ω\hat q=(a+a^\dagger)/\sqrt{2\omega}、p^=−iω/2(a−a†)\hat p=-\mathrm{i}\sqrt{\omega/2}(a-a^\dagger) であった(質量 11 の振動子。式(2.1.2) の各モードはまさにこれ)。式(2.1.3)(2.1.4) はこれを各 p\bm{p} について並べたものにほかならない。ω→Ep\omega\to E_{\bm{p}} と読み替えるだけである。

第3に、この規格化には流儀がある。本書は Peskin の流儀を採り、1/2Ep1/\sqrt{2 E_{\bm{p}}} を場の展開に、(2π)3(2\pi)^3 を交換関係に置く。他書と係数を比べるときは、aa の規格化を最初に確認する必要がある。

Heisenberg 描像での形

時間依存性を演算子側に持たせる Heisenberg 描像では、後述の例題 1.2 で示すとおりap(t)=ape−iEpta_{\bm{p}}(t)= a_{\bm{p}}\mathrm{e}^{-\mathrm{i} E_{\bm{p}} t} となる。これを式(2.1.3) に入れると、4元運動量 pμ=(Ep,p)p^\mu=( E_{\bm{p}},\bm{p}) と4元内積 p⋅x=Ept−p⋅xp\cdot x= E_{\bm{p}} t-\bm{p}\cdot\bm{x} を使って

ϕ(x)=∫ ⁣d3p(2π)3 12Ep(ap e−ip⋅x+ap† e+ip⋅x)∣p0=Ep(2.1.5)\phi(x)=\int\!\frac{\mathrm{d}^3 p}{(2\pi)^3}\ \frac{1}{\sqrt{2 E_{\bm{p}}}} \Bigl( a_{\bm{p}}\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x}+ a^\dagger_{\bm{p}}\,\mathrm{e}^{+\mathrm{i} p\cdot x}\Bigr) \Bigg|_{p^0= E_{\bm{p}}}\tag{2.1.5}

と書ける。以後、引数が4元ベクトル xx なら Heisenberg 描像、3元ベクトル x\bm{x} ならSchrödinger 描像(または t=0t=0)という約束にする。式(2.1.5) のe−ip⋅x\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p\cdot x} を正振動数解、e+ip⋅x\mathrm{e}^{+\mathrm{i} p\cdot x} を負振動数解と呼ぶ。1粒子の相対論的量子力学では負振動数解が「負エネルギー状態」という病を生んだが、場の理論ではそれが ap†a^\dagger_{\bm{p}}(粒子を作る演算子)の係数になっているだけで、何も病的ではない。この点は第5章で複素場を扱うときに完全に決着する。

木下の勉強ステータス

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