場の量子論入門 第2部 第1章 §2.1.3 ★★★ 式(2.1.1) から (2π)3δ3 が出る過程を全部書く。
式(2.1.3)(2.1.4) は ap,ap† を導入する定義であって、ap どうしの交換関係はまだ決まっていない。それは式(2.1.1) から導かれる。そのために、まず展開を逆に解いて ap を ϕ,π で表す。
式(2.1.3) に e−iq⋅x を掛けて空間積分すると、∫d3xei(p−q)⋅x=(2π)3δ3(p−q) より
∫d3x e−iq⋅xϕ(x)=2Eq1(aq+a(−q)†),∫d3x e−iq⋅xπ(x)=−i2Eq(aq−a(−q)†)
を得る(第2式では e−ip⋅x の項が δ3(p+q) を出すのでap†→a(−q)† となり、E−q=Eq を使った)。この2式を組み合わせて a(−q)† を消すと
aq=2Eq1∫d3x e−iq⋅x(Eqϕ(x)+iπ(x)),aq†=2Eq1∫d3x e+iq⋅x(Eqϕ(x)−iπ(x)).(2.1.6)
実際、第1式の右辺は2EqEq(aq+a(−q)†)+2Eq(aq−a(−q)†)=2Eqaq を 2Eq で割ったものになっている。
これで交換子が計算できる。式(2.1.6) を使うと
[ap,aq†]=2EpEq1∫d3xd3y e−ip⋅x+iq⋅y[Epϕ(x)+iπ(x),Eqϕ(y)−iπ(y)]=2EpEq1∫d3xd3y e−ip⋅x+iq⋅y(−iEp[ϕ(x),π(y)]+iEq[π(x),ϕ(y)]).
[ϕ,ϕ]=[π,π]=0 の項は落とした。ここへ[ϕ(x),π(y)]=iδ3(x−y) と[π(x),ϕ(y)]=−iδ3(x−y) を入れると、δ3 が y 積分を潰して
[ap,aq†]=2EpEq1∫d3x e−i(p−q)⋅x(Ep+Eq)=2EpEqEp+Eq(2π)3δ3(p−q).
δ3(p−q) があるので Ep=Eq としてよく、前の係数は 1 になる。したがって
[ap,aq†]=(2π)3δ3(p−q),[ap,aq]=[ap†,aq†]=0.(2.1.7)
後半の2式も同じ手順で出る。たとえば [ap,aq] では、上と同様に整理すると(−iEp)(iδ3)+(−iEq)(−iδ3)∝(Ep−Eq)δ3(p+q)の形が現れ、δ3(p+q) の上では E−q=Eq よりこの因子が消える。
式(2.1.7) は、1モードの調和振動子の [a,a†]=1 の連続版である。右辺の (2π)3δ3 は Kronecker の δ の連続化であり、ap が「単位運動量あたり」の演算子密度であることを意味している。
例題 1.1(正準交換関係を逆向きに再現する)
オリジナル式(2.1.7) を仮定して展開(2.1.3)(2.1.4) を使い、[ϕ(x),π(y)]=iδ3(x−y) を導け。
解答
展開を代入し、[ap,aq]=[ap†,aq†]=0 で消える項を落とすと
[ϕ(x),π(y)]=∫(2π)3d3p(2π)3d3q 2Ep1(−i)2Eq(−[ap,aq†]eip⋅x−iq⋅y+[ap†,aq]e−ip⋅x+iq⋅y).
式(2.1.7) より [ap,aq†]=−[aq†,ap]=(2π)3δ3(p−q)なので、q 積分が潰れて Eq→Ep となり
[ϕ(x),π(y)]=2−i∫(2π)3d3p(−eip⋅(x−y)−e−ip⋅(x−y))=2i∫(2π)3d3p(eip⋅(x−y)+e−ip⋅(x−y)).
第2項で p→−p と置換すれば第1項と同じになるから、[ϕ(x),π(y)]=i∫(2π)3d3peip⋅(x−y)=iδ3(x−y)。式(2.1.1) と式(2.1.7) は同値である。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com