場の量子論入門 第2部 第1章 §2.1.4 ★★★ H=∫(2π)3d3pEp(ap†ap+⋯) を途中式込みで出す。
古典の H=21∫d3x[π2+(∇ϕ)2+m2ϕ2] に展開を代入する。計算は3つの積分に分かれる。以下、空間積分は∫d3xei(p+q)⋅x=(2π)3δ3(p+q) と∫d3xei(p−q)⋅x=(2π)3δ3(p−q) の2種類しか出てこない。前者は q=−p、後者は q=p を課す。
π2 の項.
式(2.1.4) の2つの因子の積を4項に分け、符号 (−i)2=−1 を前に出すと
∫d3x π2=∫(2π)3d3p 2Ep(−apa(−p)+apap†+ap†ap−ap†a(−p)†).
apa(−p) と ap†a(−p)† の項は δ3(p+q) 由来、残りは δ3(p−q) 由来である。
(∇ϕ)2 の項.
∇ は e±ip⋅x に ±ip を掛ける。したがって
∇ϕ(x)=∫(2π)3d3p 2Epip(apeip⋅x−ap†e−ip⋅x)
であり、内積を取って空間積分すると、δ3(p+q) の項では(ip)⋅(−ip)=p2、δ3(p−q) の項でも(ip)⋅(−ip)=p2 となって、4項すべてが同符号でそろう:
∫d3x (∇ϕ)2=∫(2π)3d3p 2Epp2(apa(−p)+apap†+ap†ap+ap†a(−p)†).
m2ϕ2 の項.
同じ手順で(∇ がない分だけ簡単に)
∫d3x m2ϕ2=∫(2π)3d3p 2Epm2(apa(−p)+apap†+ap†ap+ap†a(−p)†).
後の2つを足すと、係数が (p2+m2)/(2Ep)=Ep2/(2Ep)=Ep/2 にまとまる。これは Ep の定義を使っただけだが、結果は劇的である。π2 の項の Ep/2 と係数が一致したので、apa(−p) と ap†a(−p)† の項が符号違いできれいに相殺するのである。残るのは
H=21∫(2π)3d3p 2Ep⋅2(apap†+ap†ap)=∫(2π)3d3p 2Ep(apap†+ap†ap).
最後に apap†=ap†ap+(2π)3δ3(0) を使って正規順序に直すと
H=∫(2π)3d3p Ep(ap†ap+21(2π)3δ3(0)).(2.1.8)
相殺が起きたのは偶然ではない。apa(−p) のような項は、運動量 p と −p の粒子を同時に消す(あるいは作る)項であり、これが残っていれば真空が不安定になる。自由場ではこの項が消えるからこそ、H は「各モードの励起数を数える」だけの形になり、真空と粒子という描像が成り立つ。相互作用を入れると同種の項が復活し、それが真空の非自明な構造(第6部 第3章)につながる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com