場の量子論入門 第2部 第3章 §2.3.3 ★ ζ(−1)=−1/12 で E(L)=−π/(24L) を出す。
本質を見るために、1次元の質量ゼロのスカラー場を長さ L の区間に閉じ込め、両端で ϕ=0(Dirichlet 条件)を課す。許される波数は
kn=Lnπ(n=1,2,3,…)
であり、質量ゼロなので ωn=kn=nπ/L。各モードが ωn/2 の零点エネルギーを持つから
E(L)=21n=1∑∞ωn=2Lπn=1∑∞n.(2.3.1)
∑n は当然発散する。ここで ζ 正則化を使う。Riemann の ζ 関数
ζ(s)=n=1∑∞n−s
は Res>1 でのみ収束するが、複素平面全体(s=1 の極を除く)へ一意に解析接続でき、その値は ζ(−1)=−1/12 である。∑n=∑n−(−1) をこの解析接続の値で置き換えるのが ζ 正則化である。すると
E(L)=2Lπζ(−1)=−24Lπ,F=−dLdE=−24L2π<0.(2.3.2)
F<0 は、L を小さくする向きに力が働くこと、すなわち引力を意味する。
「発散する和を解析接続の値で置き換える」という操作は、初めて見るとごまかしにしか見えない。次の節で、まったく別の正則化(指数カットオフ)を使っても同じ有限部分が出ることを確かめる。有限部分が正則化の選び方に依らないことこそが、この答えを物理的に信用してよい理由である。
例題 3.1(ζ(−1)=−1/12 の整合性を確かめる)
オリジナル交代級数 η(s)=∑n≥1(−1)n−1n−s と ζ(s) の関係η(s)=(1−21−s)ζ(s) を示し、s=−1 での Abel 和を使ってζ(−1)=−1/12 を確かめよ。
解答
Res>1 では絶対収束するので項の並べ替えが許され
η(s)=n≥1∑n−s−2n:偶∑n−s=ζ(s)−2k≥1∑(2k)−s=ζ(s)−21−sζ(s)=(1−21−s)ζ(s).
両辺とも解析関数なので、この関係は解析接続した先でも成り立つ。s=−1 では 1−21−(−1)=1−4=−3 だから η(−1)=−3ζ(−1)。
一方 η(−1)=1−2+3−4+⋯ を Abel 和で評価する。∣x∣<1 で
n≥1∑(−1)n−1nxn=(1+x)2x
(∑n≥1(−1)n−1xn=x/(1+x) を x で微分して x を掛ければ出る)。x→1− の極限を取ると 1/4 である。したがって η(−1)=1/4、すなわち ζ(−1)=−1/12。異なる2つの総和法が同じ値を与えることは、ζ 正則化が恣意的でないことの傍証になる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com