解答
定義を t で微分すると、指数関数の微分から2項が出るが、ϕ(t0,x) 自体は t に依らないので
i∂tϕI=i(iH0eiH0Δtϕe−iH0Δt+eiH0Δtϕ(−iH0)e−iH0Δt)=−(H0ϕI−ϕIH0)=[ϕI,H0]
(Δt=t−t0 と略記し、H0 と e±iH0Δt が可換であることを使った)。同様に πI についても i∂tπI=[πI,H0] が成り立つ。
次に右辺を計算する。H0=∫d3y[21π2+21(∇ϕ)2+21m2ϕ2] を相互作用描像の場で書いたものは、eiH0Δt で挟んでも H0 自身は不変なので同じ形を保つ。正準交換関係も同時刻のものは描像変換で不変だから [ϕI(t,x),πI(t,y)]=iδ3(x−y) である。よって
[ϕI(t,x),H0]=∫d3y21[ϕI(x),πI(y)2]=∫d3yiδ3(x−y)πI(y)=iπI(t,x),
すなわち ∂tϕI=πI。もう一度微分して i∂tπI=[πI,H0] を使う。π と ϕ の交換子から
[πI(t,x),H0]=∫d3y[21[πI(x),(∇ϕI(y))2]+21m2[πI(x),ϕI(y)2]]=−i(−∇2ϕI+m2ϕI)
(勾配の項は部分積分を1回使った)。したがって ∂tπI=−(−∇2+m2)ϕI となり、二式を合わせて
∂t2ϕI=∂tπI=∇2ϕI−m2ϕI⟺(□+m2)ϕI=0.
相互作用項はどこにも現れなかった。分割で H0 だけを演算子側へ渡したのだから当然だが、この「当然」が摂動論を計算可能にしている。