場の量子論入門 第3部 第2章 §3.2.1 ★★★ 道具その1。生成演算子を左へ集める操作。
前章で、計算すべき量が「自由場の時間順序積の自由真空期待値」に帰着した。本章はそれを機械的に処理する定理を証明する。結論を先に言えば、2n 個の自由場の時間順序積の真空期待値は、場を2個ずつペアにする全ての組み方について伝播関数を掛けたものの和になる。演算子の計算が組合せの数え上げに化けるのが要点で、この翻訳が Feynman 図という図式表現を可能にする。
自由場を、消滅演算子を含む部分と生成演算子を含む部分に分ける。本書のモード展開の規約に従って
ϕ+(x)≡∫(2π)3d3p2Ep1apeip⋅x,ϕ−(x)≡∫(2π)3d3p2Ep1ap†e−ip⋅x,ϕ=ϕ++ϕ−
と書く。ϕ+ は消滅演算子だけを含むので ϕ+(x)∣0⟩=0、ϕ− は生成演算子だけを含むので ⟨0∣ϕ−(x)=0 である。
定義 (正規順序)
演算子の積を、すべての生成演算子が消滅演算子の左に来るように並べ替える操作を正規順序(normal ordering)といい、: ⋅ : で表す。並べ替えの際、ボゾンでは交換子を拾わずに単に並べ替える(フェルミオンでは並べ替えの符号だけを付ける)。例えば
:ϕ(x)ϕ(y):=ϕ−(x)ϕ−(y)+ϕ−(x)ϕ+(y)+ϕ−(y)ϕ+(x)+ϕ+(x)ϕ+(y).
定義から直ちに、正規順序された積の真空期待値はゼロである。どの項も右端に消滅演算子があるか(ϕ+∣0⟩=0)、左端に生成演算子があるか(⟨0∣ϕ−=0)のどちらかだからである。ただし演算子がゼロ個の項(定数項)は例外で、これは正規順序の記号を付ける対象がそもそもない。この「真空期待値がゼロ」という性質が、次節以降で真空期待値を取ったときに縮約の項だけを残す仕掛けになる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com