tecktom.com

Wick の定理(一般形と帰納法による証明)

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第3部 第2章 Wick の定理

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第3部 第2章 §3.2.3 ★★★ 本章の主定理。nn 個の場に対する完全な展開公式。

定理 (Wick の定理)

自由場 ϕ1≡ϕ(x1),…,ϕn≡ϕ(xn)\phi_1\equiv\phi(x_1),\dots,\phi_n\equiv\phi(x_n) に対して

T ⁣{ϕ1ϕ2⋯ϕn}=:ϕ1ϕ2⋯ϕn:+∑1組の縮約:⋯[⎴0.5pt][2pt]ϕi ϕj⋯:+∑2組の縮約:⋯:+⋯\mathrm{T}\!\left\{\phi_1\phi_2\cdots\phi_n\right\} ={:}\mkern2mu \phi_1\phi_2\cdots\phi_n\mkern2mu {:} +\sum_{\text{1組の縮約}}{:}\mkern2mu \cdots\overbracket[0.5pt][2pt]{\phi_i\ \phi_j}\cdots\mkern2mu {:} +\sum_{\text{2組の縮約}}{:}\mkern2mu \cdots\mkern2mu {:}+\cdots

すなわち「あらゆる縮約の入れ方(縮約しない場合も含む)について、縮約した対を DFD_F に置き換え、残りを正規順序に並べた項」の総和になる。

証明は nn についての帰納法による。まず補題を用意する。

命題 (補題:正規順序積に、最も早い時刻の場を右から掛ける)

ϕ≡ϕ(x)\phi\equiv\phi(x) の時刻 x0x^0 が x10,…,xm0x_1^0,\dots,x_m^0 のどれよりも早いとする。このとき

:ϕ1⋯ϕm: ϕ=:ϕ1⋯ϕm ϕ:+∑i=1m:ϕ1⋯ϕi^⋯ϕm:  [⎴0.5pt][2pt]ϕi ϕ{:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\mkern2mu {:}\,\phi ={:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\,\phi\mkern2mu {:}+\sum_{i=1}^{m}{:}\mkern2mu \phi_1\cdots\widehat{\phi_i}\cdots\phi_m\mkern2mu {:}\;\overbracket[0.5pt][2pt]{\phi_i\,\phi}

(ϕi^\widehat{\phi_i} は ϕi\phi_i を除くという意味)。

証明

ϕ=ϕ++ϕ−\phi=\phi^{+}+\phi^{-} と分けて、二つの部分を別々に処理する。正規順序積 :ϕ1⋯ϕm:{:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\mkern2mu {:} は、定義により「生成部分 ϕi−\phi_i^{-} をすべて左に、消滅部分 ϕi+\phi_i^{+} をすべて右に集めた」形の項の和である。

(a) 消滅部分 ϕ+\phi^{+} を右から掛ける場合. 右端はもともと消滅演算子が並ぶ場所なので、ϕ+\phi^{+} を右端に置いたままで正規順序の条件を満たしている。よって cc 数を拾うことなく

:ϕ1⋯ϕm: ϕ+=:ϕ1⋯ϕm ϕ+:.{:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\mkern2mu {:}\,\phi^{+}={:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\,\phi^{+}\mkern2mu {:} .

(b) 生成部分 ϕ−\phi^{-} を右から掛ける場合. 生成演算子が右端に来てしまうので、正規順序に直すには ϕ−\phi^{-} を、正規順序積の中の消滅部分 ϕi+\phi_i^{+} たちの左まで動かさなければならない。1個通すたびに交換子が cc 数として外へ出る:

ϕi+ ϕ−=ϕ− ϕi++[ϕi+, ϕ−].\phi_i^{+}\,\phi^{-}=\phi^{-}\,\phi_i^{+}+\left[\phi_i^{+},\,\phi^{-}\right] .

mm 個すべてについてこれを行うと

:ϕ1⋯ϕm: ϕ−=:ϕ1⋯ϕm ϕ−:+∑i=1m:ϕ1⋯ϕi^⋯ϕm:  [ϕi+(xi), ϕ−(x)]{:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\mkern2mu {:}\,\phi^{-} ={:}\mkern2mu \phi_1\cdots\phi_m\,\phi^{-}\mkern2mu {:} +\sum_{i=1}^{m}{:}\mkern2mu \phi_1\cdots\widehat{\phi_i}\cdots\phi_m\mkern2mu {:}\;\left[\phi_i^{+}(x_i),\,\phi^{-}(x)\right]

を得る。第1項は交換子を拾わずに並べ替えた項、第2項は ii 番目の場と交換子を拾って場が2個減った項である。

(a)(b) を合わせる. 出てきた cc 数は、生成消滅演算子の交換関係から

[ϕi+(xi), ϕ−(x)]=⟨0∣ϕ(xi)ϕ(x)∣0⟩\left[\phi_i^{+}(x_i),\,\phi^{-}(x)\right]=\langle 0 | \phi(x_i)\phi(x) | 0 \rangle

と書ける(右辺で生き残るのは ⟨0∣ϕi+ϕ−∣0⟩\langle 0 | \phi_i^{+}\phi^{-} | 0 \rangle の項だけで、それが左辺の交換子に等しい)。いま x0x^0 が xi0x_i^0 より早いと仮定したので、T ⁣{ϕ(xi)ϕ(x)}=ϕ(xi)ϕ(x)\mathrm{T}\!\left\{\phi(x_i)\phi(x)\right\}=\phi(x_i)\phi(x) であり、右辺は [⎴0.5pt][2pt]ϕi ϕ\overbracket[0.5pt][2pt]{\phi_i\,\phi} に等しい。よって補題の式を得る。仮定「ϕ\phi の時刻が最も早い」は、この最後の書き換えのためだけに使った。

Wick の定理の証明

n=2n=2 は前節で示した。nn 個で成り立つと仮定し、n+1n+1 個の場合を示す。時間順序積は場を並べ替えてよい(T ⁣{ }\mathrm{T}\!\left\{\ \right\} は引数の順序に依らない)ので、ϕn+1\phi_{n+1} が最も早い時刻をもつように番号を付け替えておく。すると

T ⁣{ϕ1⋯ϕnϕn+1}=T ⁣{ϕ1⋯ϕn} ϕn+1\mathrm{T}\!\left\{\phi_1\cdots\phi_n\phi_{n+1}\right\}=\mathrm{T}\!\left\{\phi_1\cdots\phi_n\right\}\,\phi_{n+1}

と、ϕn+1\phi_{n+1} を右へ括り出せる。帰納法の仮定で T ⁣{ϕ1⋯ϕn}\mathrm{T}\!\left\{\phi_1\cdots\phi_n\right\} を「縮約の入れ方の総和」に展開し、各項に右から ϕn+1\phi_{n+1} を掛ける。各項は :残った場:×(既に取った縮約){:}\mkern2mu \text{残った場}\mkern2mu {:}\times(\text{既に取った縮約}) の形で、ϕn+1\phi_{n+1} が掛かるのは正規順序積の部分だから、補題が使える。補題は「ϕn+1\phi_{n+1} を正規順序積の中へ入れる項」と「ϕn+1\phi_{n+1} を残った場のどれか1つと縮約する項」を生む。

これで生成される項の集合を見ると、もとの nn 個に対する縮約の入れ方それぞれに対し、ϕn+1\phi_{n+1} を(a)縮約しないか、(b)まだ縮約されていないどの場と縮約するか、の選択肢が付いたものになっている。これはちょうど n+1n+1 個の場に対する「あらゆる縮約の入れ方」の全体と一対一に対応する。よって n+1n+1 個でも定理が成り立つ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ