場の量子論入門 第3部 第2章 §3.2.4 ★★★ 実際に使うのはこの系。Feynman 図の各項がここから出る。
Wick の定理の両辺を真空で挟む。: : の真空期待値はゼロなので、右辺で生き残るのは場が1つも余らない項、すなわちすべての場がペアにされた完全縮約の項だけである。
系 (真空期待値の Wick 展開)
場の個数が奇数なら ⟨0∣T{ϕ1⋯ϕn}∣0⟩=0。偶数 n=2k なら
⟨0∣T{ϕ1⋯ϕ2k}∣0⟩=全ペア分割∑各ペア(i,j)∏DF(xi−xj)
となり、和は 2k 個を2個ずつに分ける全ての分け方(完全縮約)を走る。
例えば4点関数は
⟨0∣T{ϕ1ϕ2ϕ3ϕ4}∣0⟩=DF(x1−x2)DF(x3−x4)+DF(x1−x3)DF(x2−x4)+DF(x1−x4)DF(x2−x3)
の3項になる。自由場の理論では4点関数が2点関数の積に完全に分解する。場が奇数個のときにゼロになるのは、どの項にも正規順序積が1個以上残るためで(⟨0∣:ϕk:∣0⟩=0)、これは L が ϕ の偶数次だけを含むこと(ϕ→−ϕ の対称性)の反映である。粒子どうしが「何もしない」ことの数式表現で、相互作用の効果は次章で HI を展開して初めて現れる。完全縮約の総数は、2k 個から1番目の場の相手を選ぶ方法が 2k−1 通り、残り 2k−2 個で同じことを繰り返すので (2k−1)(2k−3)⋯3⋅1=(2k−1)!! である。
例題 2.2(完全縮約の個数を数える)
オリジナル2n 個の場の完全縮約の総数が (2n−1)!! であることを漸化式で示し、n=1,2,3,4 の値を求めよ。また n=2(4点関数)の3項を実際に書き下せ。
解答
漸化式. 番号が最小の場 ϕ1 の相手は残り 2n−1 個のどれでもよく、相手を決めるとその2つが取り除かれて 2n−2 個の同じ問題になる。総数を Cn とすれば Cn=(2n−1)Cn−1、C0=1 で、展開すると Cn=(2n−1)(2n−3)⋯3⋅1=(2n−1)!! である。
値. C1=1、C2=3⋅1=3、C3=5⋅3⋅1=15、C4=7⋅5⋅3⋅1=105。この4つの値は、全ペア分割を計算機で全列挙した結果と一致することを確認してある(検算 検算スクリプト)。
4点関数の3項. ϕ1 の相手の選び方が ϕ2,ϕ3,ϕ4 の3通りで、それぞれ残り2個は自動的にペアになる。3項の中身は本節の本文に書いたとおりである。なお (2n−1)!! は n とともに急速に増える(n=4 で既に105)。第3章で見るように、この個数の大部分は同じ形の図に対応し、重複を勘定し直すことで理論の対称因子が決まる。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com