対称因子の数え上げ
AI 生成・木下が未勉強
場の量子論入門 第3部 第3章 §3.3.4 ★★★ 最も間違えやすい箇所。手順を決めて機械的に処理する。
対称因子は「Wick の展開に現れる と が、同じ図を与える縮約の重複度で完全には打ち消されずに残る分」である。定義を正面から書くと次のようになる。
定義 (対称因子)
ある図(頂点の個数 )を与える Wick 縮約の総数を とすると、その図の係数は
と書ける。この を対称因子と呼ぶ。
個の頂点の名前の付け替え( 通り)と、各頂点の4本の脚の付け替え( 通り)は、ふつうは互いに異なる縮約を与えるので となって になる。 になるのは、付け替えても同じ縮約に戻ってしまう場合、つまり図が自分自身に写る対称性をもつ場合である。 はその対称性の個数を数えている。
対称因子を求める手順
Step 0. 図を確定する。どの外点がどの頂点につながり、どの頂点どうしが何本の線で結ばれているかを書き出す。
Step 1. 頂点の4本の脚に と番号を振り、外点にも番号を振って、脚の番号まで込めた縮約を1つ作る。
Step 2. 同じ図を与える縮約の総数 を数える。数え方は「外点をどの頂点のどの脚につなぐか」「残った脚どうしをどう結ぶか」を順に掛け算する。
Step 3. を計算する。
Step 4. 検算として、図の対称性から直接 を読む。よく現れる寄与は次の3つで、これらは掛け算される。
- 同じ頂点から出て同じ頂点に戻る線(自己ループ)1本につき 。
- 2つの頂点を結ぶ 本の平行な線につき 。
- 図を分けたときに互いに同型な部分図が 個あれば 。
Step 2 と Step 4 の答えが合わなければ、どちらかの数え落としである。外点は互いに区別される(付け替えは対称性にならない)ことに注意する。
以下の例題で、この手順を3つの図に適用する。1つ目は の tree 図、2つ目は検算済みの ( の自己エネルギー)、3つ目は の1ループ図である。
例題 3.1(tree の4点関数と、頂点因子が になること)
オリジナル 理論の4点相関関数の の寄与のうち、4つの外点がすべて1つの頂点につながる図について、(1) 同じ図を与える縮約の総数 を数え、(2) 対称因子 を求め、(3) 位置空間と運動量空間の表式を書け。
解答
(1) 縮約の総数. 頂点は1個()で、その4本の脚を と区別する。外点 をどの脚と縮約するかが4通り、 は残り3通り、 は2通り、 は1通りなので
(2) 対称因子. 定義に代入して
Step 4 の検算でも、自己ループなし・平行線なし・同型な部分図なしなので である。外点が4つとも異なる点につながっているため、脚の付け替えは必ず別の縮約を与える。
(3) 表式. 位置空間では
運動量空間で外線を殻上に置き、外線因子を 1 とすると
2粒子散乱の最低次の振幅が定数(角度にもエネルギーにも依らない)になった。この単純さが 理論を練習問題として使う理由であり、第5章ではこの をそのまま断面積の公式に入れる。
例題 3.2( の自己エネルギーと対称因子 2)
オリジナル2点相関関数 の の寄与のうち連結なものについて、(1) 縮約の総数を数え、(2) 対称因子を求め、(3) 運動量空間の表式を書け。
解答
(1) 縮約の総数. 場は と頂点の4つ の計6個で、完全縮約は全部で 通りある。このうち連結なもの、すなわち と がどちらも頂点の脚と縮約されるものを数える。 の相手の脚が4通り、 の相手が残り3通り、残った2本の脚どうしが縮約されて自己ループを作る(1通り)。よって
(残りの 通りは、 と が直接縮約され、頂点の4本が自分たちで閉じてしまう図で、これは真空泡を含む非連結図である。)この 12 という数は全列挙による計算機の数え上げでも確認してある(検算 検算スクリプト)。
(2) 対称因子. なので
Step 4 の検算:この図には頂点から出て同じ頂点へ戻る自己ループが1本あるので、その寄与 がそのまま を与える。自己ループの両端を入れ替えても同じ縮約に戻ることが、 の正体である。
(3) 運動量空間の表式. 外線の運動量を とすると、頂点で運動量が保存するのでループを回る運動量 は外線と無関係に自由である。 を挟んだ形で書けば
となる。角括弧の中が自己エネルギーの 寄与で、 が対称因子である。この積分は が大きいところで のように発散する(2次発散)。発散の扱いは第6部の主題であり、この部では図の書き下しまでで止める。
例題 3.3( の1ループ図の対称因子)
オリジナル4点関数の の図のうち、外点 が頂点 A に、 が頂点 B につながり、A と B が2本の内線で結ばれる図(図3.1(c))を考える。縮約の総数と対称因子を求めよ。
解答
縮約の総数. 頂点は2個()で、名前を とする。数え上げは次の順で行う。
- どちらの頂点を A( 側)にするか:2通り。
- を A の4本の脚のどれにつなぐか(4通り)、 を残り3本のどれにつなぐか(3通り)。
- を B の4本の脚のどれにつなぐか(4通り)、 を残り3本のどれにつなぐか(3通り)。
- A に残った2本の脚と、B に残った2本の脚を結ぶ: 通り。
掛け合わせて
対称因子. 定義に代入すると
Step 4 の検算:この図には「2つの頂点を結ぶ2本の平行な線」があり、その寄与は 。自己ループも同型な部分図もないので で一致する。
表式. 外線の運動量を (入射)、(出射)とし、 チャネルの運動量を とすると、この図の寄与は
である。同じ次数には ( チャネル)と ( チャネル)の図もあり、全部を足したものが の振幅になる。チャネルの分類は第4章で扱う。
木下の勉強ステータス
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