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対称因子の数え上げ

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第3部 第3章 φ⁴ 理論の Feynman 則

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第3部 第3章 §3.3.4 ★★★ 最も間違えやすい箇所。手順を決めて機械的に処理する。

対称因子は「Wick の展開に現れる 1/V!1/V! と 1/(4!)V1/(4!)^V が、同じ図を与える縮約の重複度で完全には打ち消されずに残る分」である。定義を正面から書くと次のようになる。

定義 (対称因子)

ある図(頂点の個数 VV)を与える Wick 縮約の総数を NN とすると、その図の係数は

1V!⋅1(4!)V⋅N=1S,S≡V! (4!)VN\frac{1}{V!}\cdot\frac{1}{(4!)^V}\cdot N=\frac{1}{S},\qquad S\equiv\frac{V!\,(4!)^V}{N}

と書ける。この SS を対称因子と呼ぶ。

VV 個の頂点の名前の付け替え(V!V! 通り)と、各頂点の4本の脚の付け替え((4!)V(4!)^V 通り)は、ふつうは互いに異なる縮約を与えるので N=V!(4!)VN=V!(4!)^V となって S=1S=1 になる。S>1S>1 になるのは、付け替えても同じ縮約に戻ってしまう場合、つまり図が自分自身に写る対称性をもつ場合である。SS はその対称性の個数を数えている。

対称因子を求める手順

  1. Step 0. 図を確定する。どの外点がどの頂点につながり、どの頂点どうしが何本の線で結ばれているかを書き出す。

  2. Step 1. 頂点の4本の脚に 1,2,3,41,2,3,4 と番号を振り、外点にも番号を振って、脚の番号まで込めた縮約を1つ作る。

  3. Step 2. 同じ図を与える縮約の総数 NN を数える。数え方は「外点をどの頂点のどの脚につなぐか」「残った脚どうしをどう結ぶか」を順に掛け算する。

  4. Step 3. S=V! (4!)V/NS=V!\,(4!)^V/N を計算する。

  5. Step 4. 検算として、図の対称性から直接 SS を読む。よく現れる寄与は次の3つで、これらは掛け算される。

    • 同じ頂点から出て同じ頂点に戻る線(自己ループ)1本につき 22。
    • 2つの頂点を結ぶ kk 本の平行な線につき k!k!。
    • 図を分けたときに互いに同型な部分図が jj 個あれば j!j!。

Step 2 と Step 4 の答えが合わなければ、どちらかの数え落としである。外点は互いに区別される(付け替えは対称性にならない)ことに注意する。

以下の例題で、この手順を3つの図に適用する。1つ目は S=1S=1 の tree 図、2つ目は検算済みの S=2S=2(O(λ)O(\lambda) の自己エネルギー)、3つ目は O(λ2)O(\lambda^2) の1ループ図である。

例題 3.1(tree の4点関数と、頂点因子が −iλ-\mathrm{i}\lambda になること)

オリジナルϕ4\phi^4 理論の4点相関関数の O(λ)O(\lambda) の寄与のうち、4つの外点がすべて1つの頂点につながる図について、(1) 同じ図を与える縮約の総数 NN を数え、(2) 対称因子 SS を求め、(3) 位置空間と運動量空間の表式を書け。

解答

(1) 縮約の総数. 頂点は1個(V=1V=1)で、その4本の脚を z(1),…,z(4)z^{(1)},\dots,z^{(4)} と区別する。外点 x1x_1 をどの脚と縮約するかが4通り、x2x_2 は残り3通り、x3x_3 は2通り、x4x_4 は1通りなので

N=4×3×2×1=4!=24.N=4\times3\times2\times1=4!=24 .

(2) 対称因子. 定義に代入して

S=V! (4!)VN=1!×2424=1.S=\frac{V!\,(4!)^V}{N}=\frac{1!\times24}{24}=1 .

Step 4 の検算でも、自己ループなし・平行線なし・同型な部分図なしなので S=1S=1 である。外点が4つとも異なる点につながっているため、脚の付け替えは必ず別の縮約を与える。

(3) 表式. 位置空間では

(−iλ)∫ ⁣d4z  DF(x1−z) DF(x2−z) DF(x3−z) DF(x4−z),(-\mathrm{i}\lambda)\int\!\mathrm{d}^4z\;D_F(x_1-z)\,D_F(x_2-z)\,D_F(x_3-z)\,D_F(x_4-z),

運動量空間で外線を殻上に置き、外線因子を 1 とすると

iM=−iλすなわちM=−λ.\mathrm{i}\mathcal{M}=-\mathrm{i}\lambda\qquad\text{すなわち}\qquad \mathcal{M}=-\lambda .

2粒子散乱の最低次の振幅が定数(角度にもエネルギーにも依らない)になった。この単純さが ϕ4\phi^4 理論を練習問題として使う理由であり、第5章ではこの M\mathcal{M} をそのまま断面積の公式に入れる。

例題 3.2(O(λ)O(\lambda) の自己エネルギーと対称因子 2)

オリジナル2点相関関数 ⟨Ω∣T ⁣{ϕ(x)ϕ(y)}∣Ω⟩\langle \Omega | \mathrm{T}\!\left\{\phi(x)\phi(y)\right\} | \Omega \rangle の O(λ)O(\lambda) の寄与のうち連結なものについて、(1) 縮約の総数を数え、(2) 対称因子を求め、(3) 運動量空間の表式を書け。

解答

(1) 縮約の総数. 場は ϕ(x),ϕ(y)\phi(x),\phi(y) と頂点の4つ ϕz(1),…,ϕz(4)\phi_z^{(1)},\dots,\phi_z^{(4)} の計6個で、完全縮約は全部で 5!!=155!!=15 通りある。このうち連結なもの、すなわち xx と yy がどちらも頂点の脚と縮約されるものを数える。xx の相手の脚が4通り、yy の相手が残り3通り、残った2本の脚どうしが縮約されて自己ループを作る(1通り)。よって

N=4×3=12.N=4\times3=12 .

(残りの 15−12=315-12=3 通りは、xx と yy が直接縮約され、頂点の4本が自分たちで閉じてしまう図で、これは真空泡を含む非連結図である。)この 12 という数は全列挙による計算機の数え上げでも確認してある(検算 検算スクリプト)。

(2) 対称因子. V=1V=1 なので

S=1!×4!12=2412=2.S=\frac{1!\times4!}{12}=\frac{24}{12}=2 .

Step 4 の検算:この図には頂点から出て同じ頂点へ戻る自己ループが1本あるので、その寄与 22 がそのまま S=2S=2 を与える。自己ループの両端を入れ替えても同じ縮約に戻ることが、S=2S=2 の正体である。

(3) 運動量空間の表式. 外線の運動量を pp とすると、頂点で運動量が保存するのでループを回る運動量 kk は外線と無関係に自由である。DFD_F を挟んだ形で書けば

ip2−m2+iε  [−iλ2∫ ⁣d4k(2π)4 ik2−m2+iε]  ip2−m2+iε\frac{\mathrm{i}}{p^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon}\; \Bigl[\frac{-\mathrm{i}\lambda}{2}\int\!\frac{\mathrm{d}^4 k}{(2\pi)^4}\,\frac{\mathrm{i}}{k^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon}\Bigr]\; \frac{\mathrm{i}}{p^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon}

となる。角括弧の中が自己エネルギーの O(λ)O(\lambda) 寄与で、1/21/2 が対称因子である。この積分は kk が大きいところで ∫d4k/k2\int\mathrm{d}^4k/k^2 のように発散する(2次発散)。発散の扱いは第6部の主題であり、この部では図の書き下しまでで止める。

例題 3.3(O(λ2)O(\lambda^2) の1ループ図の対称因子)

オリジナル4点関数の O(λ2)O(\lambda^2) の図のうち、外点 x1,x2x_1,x_2 が頂点 A に、x3,x4x_3,x_4 が頂点 B につながり、A と B が2本の内線で結ばれる図(図3.1(c))を考える。縮約の総数と対称因子を求めよ。

解答

縮約の総数. 頂点は2個(V=2V=2)で、名前を z1,z2z_1,z_2 とする。数え上げは次の順で行う。

  1. どちらの頂点を A(x1,x2x_1,x_2 側)にするか:2通り。
  2. x1x_1 を A の4本の脚のどれにつなぐか(4通り)、x2x_2 を残り3本のどれにつなぐか(3通り)。
  3. x3x_3 を B の4本の脚のどれにつなぐか(4通り)、x4x_4 を残り3本のどれにつなぐか(3通り)。
  4. A に残った2本の脚と、B に残った2本の脚を結ぶ:2!=22!=2 通り。

掛け合わせて

N=2×4×3×4×3×2=576.N=2\times4\times3\times4\times3\times2=576 .

対称因子. 定義に代入すると

S=V! (4!)VN=2!×(24)2576=2×576576=2.S=\frac{V!\,(4!)^V}{N}=\frac{2!\times(24)^2}{576}=\frac{2\times576}{576}=2 .

Step 4 の検算:この図には「2つの頂点を結ぶ2本の平行な線」があり、その寄与は 2!=22!=2。自己ループも同型な部分図もないので S=2S=2 で一致する。

表式. 外線の運動量を p1,p2p_1,p_2(入射)、p3,p4p_3,p_4(出射)とし、ss チャネルの運動量を p=p1+p2p=p_1+p_2 とすると、この図の寄与は

iMs=(−iλ)22∫ ⁣d4k(2π)4 ik2−m2+iε⋅i(p−k)2−m2+iε\mathrm{i}\mathcal{M}_s=\frac{(-\mathrm{i}\lambda)^2}{2}\int\!\frac{\mathrm{d}^4 k}{(2\pi)^4}\, \frac{\mathrm{i}}{k^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon}\cdot\frac{\mathrm{i}}{(p-k)^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon}

である。同じ次数には p=p1−p3p=p_1-p_3(tt チャネル)と p=p1−p4p=p_1-p_4(uu チャネル)の図もあり、全部を足したものが O(λ2)O(\lambda^2) の振幅になる。チャネルの分類は第4章で扱う。

木下の勉強ステータス

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