漸近状態と S 行列
AI 生成・木下が未勉強
場の量子論入門 第3部 第4章 §3.4.1 ★★ 散乱の始めと終わりをどう定義するか。
前章までで、相関関数を図から書き下せるようになった。しかし実験が測るのは相関関数ではなく、「入射粒子がこういう運動量で来て、出射粒子がこういう運動量で出ていく確率」である。その確率を担う量が S 行列であり、そこからさらに運動学的な因子を除いたものが不変振幅 である。本章では両者を定義し、相関関数から を取り出す手続き(LSZ)の要点と、2体散乱を記述する運動学の言葉(Mandelstam 変数)を用意する。
散乱実験では、粒子は遠い過去には互いに離れて自由に飛び、ある時刻の近傍で相互作用し、遠い未来には再び自由に飛び去る。この描像を数式にするため、 で自由粒子の集まりとして振る舞う状態 (in 状態)と、 で自由粒子として振る舞う状態 (out 状態)を考える。これらを漸近状態と呼ぶ。
定義 (S 行列)
遠い過去の状態 が遠い未来に として見出される振幅を
と定める。 はユニタリ()であり、これは確率の保存を表す。
漸近状態を自由粒子の状態と同一視してよいのは、相互作用の到達距離が有限で、粒子が十分離れれば相互作用しないからである。この同一視は厳密には粗く、質量の補正や場の規格化のずれを生む(始末は第6部で行う)。
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