tecktom.com

Mandelstam 変数と3つのチャネル

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第3部 第4章 S 行列と不変振幅

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第3部 第4章 §3.4.4 ★★ 2体散乱の運動学。振幅を書くための共通語彙。

2→22\to2 の散乱 p1+p2→p3+p4p_1+p_2\to p_3+p_4 を考える。4つの運動量は運動量保存と殻上条件で縛られるので、独立な不変量は2つしかない。慣用的には次の3つを定義し、そのうち2つを独立変数として使う。

定義 (Mandelstam 変数)

s=(p1+p2)2=(p3+p4)2,t=(p1−p3)2=(p2−p4)2,u=(p1−p4)2=(p2−p3)2.s=(p_1+p_2)^2=(p_3+p_4)^2,\qquad t=(p_1-p_3)^2=(p_2-p_4)^2,\qquad u=(p_1-p_4)^2=(p_2-p_3)^2 .

ss は始状態の全4元運動量の2乗なので、重心系では全エネルギーの2乗 s=Ecm2s=E_{\rm cm}^2 である。tt は粒子1が粒子3になるときの運動量移行の2乗で、散乱角と直結する。3つは独立ではなく、次の関係で結ばれる。

定理 (Mandelstam 変数の和)

s+t+u=m12+m22+m32+m42s+t+u=m_1^2+m_2^2+m_3^2+m_4^2

この関係と s=Ecm2s=E_{\rm cm}^2 は、乱数で作った運動量配位に対する数値計算で確認してある(検算 検算スクリプト)。

図

図  同じ次数に現れる3つのチャネル。中間の内線(波線)が運んだ4元運動量の2乗が、それぞれ ss、tt、uu に等しい。ss チャネルでは2粒子がいったん1つの中間状態に合体し、tt・uu チャネルでは粒子間で運動量が受け渡される。tt と uu の違いは、どちらの終状態粒子をどちらの始状態粒子の「相手」とみなすかである。

内線の運動量の2乗がどの変数になるかで図を分類し、ss チャネル・tt チャネル・uu チャネルと呼ぶ。同じ結合定数から出る3つの図は同一の関数の変数を入れ替えたものになっており(交叉対称性)、これは粒子と反粒子が同じ場の別の姿であることの帰結である。具体的な過程への適用は第5部で行う。

例題 4.1(Mandelstam 変数の和を示す)

オリジナルs+t+u=∑i=14mi2s+t+u=\sum_{i=1}^{4}m_i^2 を示せ。

解答

定義を展開する。pi2=mi2p_i^2=m_i^2 を使うと

s=(p1+p2)2=m12+m22+2p1⋅p2,t=(p1−p3)2=m12+m32−2p1⋅p3,u=(p1−p4)2=m12+m42−2p1⋅p4.\begin{aligned}s&=(p_1+p_2)^2=m_1^2+m_2^2+2p_1\cdot p_2,\\ t&=(p_1-p_3)^2=m_1^2+m_3^2-2p_1\cdot p_3,\\ u&=(p_1-p_4)^2=m_1^2+m_4^2-2p_1\cdot p_4 .\end{aligned}

辺々加えると

s+t+u=3m12+m22+m32+m42+2p1⋅(p2−p3−p4).s+t+u=3m_1^2+m_2^2+m_3^2+m_4^2+2p_1\cdot(p_2-p_3-p_4).

ここで運動量保存 p1+p2=p3+p4p_1+p_2=p_3+p_4 より p2−p3−p4=−p1p_2-p_3-p_4=-p_1 だから、最後の項は −2p12=−2m12-2p_1^2=-2m_1^2 である。よって

s+t+u=3m12+m22+m32+m42−2m12=m12+m22+m32+m42.s+t+u=3m_1^2+m_2^2+m_3^2+m_4^2-2m_1^2=m_1^2+m_2^2+m_3^2+m_4^2 .

3つのうち2つを決めれば残りが決まる、というのがこの関係の実用的な意味である。

例題 4.2(重心系での運動学(等質量の場合))

オリジナル4粒子の質量がすべて mm の 2→22\to2 散乱を重心系で考える。入射粒子の運動量の大きさを ∣p∣|\bm{p}|、散乱角を θ\theta とするとき、ss、tt、uu を ∣p∣|\bm{p}| と θ\theta で表し、和の関係を確かめよ。

解答

重心系では p1=−p2\bm{p}_1=-\bm{p}_2、p3=−p4\bm{p}_3=-\bm{p}_4 で、質量が等しいのでエネルギーはすべて E=∣p∣2+m2E=\sqrt{|\bm{p}|^2+m^2}、出射の運動量の大きさも ∣p∣|\bm{p}| に等しい。したがって s=(2E,0)2=4E2=4(∣p∣2+m2)s=(2E,\bm{0})^2=4E^2=4(|\bm{p}|^2+m^2) である。tt は p1⋅p3=∣p∣2cos⁡θ\bm{p}_1\cdot\bm{p}_3=|\bm{p}|^2\cos\theta と E2−m2=∣p∣2E^2-m^2=|\bm{p}|^2 を使って

t=(p1−p3)2=2m2−2(E2−p1⋅p3)=−2∣p∣2(1−cos⁡θ),t=(p_1-p_3)^2=2m^2-2\bigl(E^2-\bm{p}_1\cdot\bm{p}_3\bigr)=-2|\bm{p}|^2(1-\cos\theta),

uu は p4=−p3\bm{p}_4=-\bm{p}_3 なので cos⁡θ→−cos⁡θ\cos\theta\to-\cos\theta と置き換えて u=−2∣p∣2(1+cos⁡θ)u=-2|\bm{p}|^2(1+\cos\theta)。和を取ると

s+t+u=4∣p∣2+4m2−2∣p∣2(1−cos⁡θ)−2∣p∣2(1+cos⁡θ)=4m2s+t+u=4|\bm{p}|^2+4m^2-2|\bm{p}|^2(1-\cos\theta)-2|\bm{p}|^2(1+\cos\theta)=4m^2

となり、確かに ∑mi2=4m2\sum m_i^2=4m^2 に一致する。t≤0t\le0、u≤0u\le0(物理領域では運動量移行は空間的)、s≥4m2s\ge4m^2 という不等式も読み取れ、運動量移行が最大になるのは θ=π\theta=\pi の t=−4∣p∣2t=-4|\bm{p}|^2 である。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ