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湯川ポテンシャルと到達距離

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第3部 第6章 湯川理論と力の交換描像

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第3部 第6章 §3.6.4 ★★ 結果の読み方。質量が到達距離を決める。

例題 6.1 の結果を使うと

湯川ポテンシャル

V(r)=∫ ⁣d3q(2π)3  eiq⋅r V~(q)=−g2∫ ⁣d3q(2π)3eiq⋅r∣q∣2+mϕ2=−g24πe−mϕrrV(r)=\int\!\frac{\mathrm{d}^3 q}{(2\pi)^3}\;\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{q}\cdot\bm{r}}\,\tilde V(\bm{q}) =-g^2\int\!\frac{\mathrm{d}^3 q}{(2\pi)^3}\frac{\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{q}\cdot\bm{r}}}{|\bm{q}|^2+m_\phi^2} =-\frac{g^2}{4\pi}\frac{\mathrm{e}^{-m_\phi r}}{r}

符号は負、すなわちスカラー粒子の交換による力は引力である。到達距離は 1/mϕ1/m_\phi(自然単位)で、交換される粒子が重いほど力は短距離になる。mϕ→0m_\phi\to0 の極限では V(r)=−g2/(4πr)V(r)=-g^2/(4\pi r) となり、Coulomb ポテンシャルと同じ 1/r1/r の形になる。

1/mϕ1/m_\phi が長さの次元をもつのは自然単位のためで、通常の単位に戻すには ℏ/(mϕc)\hbar/(m_\phi c)、すなわち交換粒子の Compton 波長である。ℏc=0.1973 \hbar c=0.1973\,GeV⋅\cdotfm を使えば数値が出る。

例題 6.2(核力の到達距離から中間子の質量へ)

オリジナル核力の到達距離は約 1.4 1.4\,fm と知られている。交換される粒子の質量を見積もれ。また、質量 140 140\,MeV の π\pi 中間子を交換すると到達距離はいくらか。

解答

到達距離 RR と交換粒子の質量 mm の関係は R=ℏ/(mc)R=\hbar/(mc)、すなわち mc2=ℏc/Rmc^2=\hbar c/R である。ℏc=0.1973 \hbar c=0.1973\,GeV⋅\cdotfm を使うと

mc2=0.1973 GeV⋅fm1.4 fm≃0.14 GeV=140 MeV.mc^2=\frac{0.1973\ \text{GeV}\cdot\text{fm}}{1.4\ \text{fm}}\simeq0.14\ \text{GeV}=140\ \text{MeV}.

逆に mπc2=140 m_\pi c^2=140\,MeV を入れると

R=0.19730.140 fm=1.41 fmR=\frac{0.1973}{0.140}\ \text{fm}=1.41\ \text{fm}

となる。湯川が1935年に核力の到達距離から予言した中間子の質量は電子質量の200倍程度で、実際に発見された π\pi 中間子(mπ≃140 m_\pi\simeq140\,MeV、電子質量の約274倍)とこの桁で一致した。

この一致が示すのは「核力=π\pi 中間子の1回交換」という描像が長距離部分で正しいことまでである。1 1\,fm より近距離では多重交換や核子の内部構造が現れ、現代的には核力は QCD の低エネルギー有効理論として理解される(第6部 第6章)。

例題 6.3(Coulomb 極限と結合定数の比較)

オリジナルmϕ→0m_\phi\to0 の極限で得られる V(r)=−g2/(4πr)V(r)=-g^2/(4\pi r) を、電磁気学の Coulomb ポテンシャルと比較せよ。両者の違いはどこにあるか。

解答

自然単位(Heaviside–Lorentz 単位系)で、電荷 ee をもつ2粒子の Coulomb ポテンシャルは

VCoulomb(r)=e24πr=αr,α=e24π=1137.036V_{\rm Coulomb}(r)=\frac{e^2}{4\pi r}=\frac{\alpha}{r},\qquad \alpha=\frac{e^2}{4\pi}=\frac{1}{137.036}

である(同符号の電荷どうしは斥力なので正)。一方、質量ゼロのスカラー交換は V(r)=−g2/(4πr)V(r)=-g^2/(4\pi r) で、g2/4πg^2/4\pi が α\alpha に対応する無次元の結合の強さである。

関数形は同じ 1/r1/r で、違いは符号にある。スカラー粒子の交換は同種粒子のあいだで必ず引力になるのに対し、光子(スピン1のベクトル粒子)の交換は同符号の電荷どうしで斥力になる。この違いは交換粒子のスピンから来る。伝播関数の分子がスカラーでは 1、ベクトルでは −ημν-\eta_{\mu\nu} となり、その符号が振幅の全体符号を反転させる(第5部 第3章で頂点と伝播関数を明示して確認する)。一般に偶数スピンの交換は同種の荷に対して引力、奇数スピンの交換は斥力で、重力(スピン2の交換)がすべての質量のあいだで引力であることもこの規則の一例である。もう一つの違いは到達距離で、光子は質量ゼロなので電磁力は無限遠まで届く。到達距離を決めるのは結合の強さではなく交換粒子の質量である。

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