場の量子論入門 第4部 第6章 §4.6.3 ★★ 核心:カイラリティとヘリシティが同じものになる
質量ゼロの正振動数解では、カイラリティ演算子 γ5 とヘリシティ演算子Σ⋅p^ が同じ働きをする。
命題 (質量ゼロでのカイラリティとヘリシティ ★★)
m=0 で pu(p)=0(p0=∣p∣)を満たすスピノルについて
γ5u(p)=(Σ⋅p^)u(p).
証明
まず Σk=γ5γ0γk と書けることを使う(Dirac 表示でγ5γ0=(01−10) にγk を掛けるとブロック対角の diag(σk,σk) になる)。次に m=0 の方程式 pu=0 は p0γ0u=pkγku を意味し、p0=∣p∣ で割ると γ0u=(γ⋅p^)u となる。したがって
(Σ⋅p^)u=γ5γ0(γ⋅p^)u=γ5γ0γ0u=γ5u
((γ0)2=1)。
つまり質量ゼロの粒子では、γ5=−1 の左巻きカイラリティ状態はヘリシティ −1/2(スピンが運動方向と逆)をもち、γ5=+1 はヘリシティ +1/2 をもつ。§2.5 の例題で見た u→p(1,0,1,0)T が γ5 の固有値 +1 をもったのは、この命題の具体例である。反粒子では符号が逆になる(v スピノルの物理的なスピンがラベルと逆向きだから。§2.1 の補足)ので、「左巻きカイラリティの場は、左ヘリシティの粒子を消し、右ヘリシティの反粒子を生成する」という形で述べるのが正確である。標準模型で「弱い相互作用は左巻き粒子と右巻き反粒子だけに作用する」と言うときは、この意味で使っている。質量が有限なら両者は一致しないが、ずれの大きさは m/E の程度なので、E≫m では同一視してよい。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com