場の量子論入門 第5部 第2章 §5.2.2 ★★ 物理的自由度が見える量子化。ただし Lorentz 共変でない
いちばん素直な処方は、余分な自由度を最初に捨ててしまうことである。Coulomb ゲージ
∇⋅A=0
を課すと、Gauss の法則は −∇2A0=eψ†ψ となり、A0 は電荷分布から瞬間的に決まる(遅延がない)。A0 は独立な力学変数ではなく、電子どうしの間の瞬間 Coulomb 相互作用としてHamiltonian に現れる。残った A は横波条件 ∇⋅A=0 を満たすので、運動量空間では k⋅ϵ=0 となる2つの偏極だけが生き残る。モード展開は(第2部の規格化に合わせて)
A(x)=∫(2π)3d3k2ωk1r=1,2∑(ϵr(k)akreik⋅x+ϵr∗(k)akr†e−ik⋅x),ωk=∣k∣
であり、[akr,ak′s†]=δrs(2π)3δ3(k−k′) と量子化する。生成演算子 ar† が光子を1個作る。ノルムはすべて正であり、Fock 空間の構成はスカラー場と同じである。
この処方の長所は、物理的な状態だけが最初から現れることである。短所は、∇⋅A=0 が特定の慣性系を選ぶために Lorentz 共変性が式の見た目から消えることである。瞬間 Coulomb 相互作用という「光速を超えて伝わるように見える」項も見た目の問題であり、最終的な散乱振幅では横波光子の交換と組み合わさって共変な結果になる。摂動計算を共変な形で進めたいので、次節の処方に移る。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com