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振幅を書く手順

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第5部 第3章 QED の Feynman 則

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第5部 第3章 §5.3.4 ★★★ 手を動かすときの作業手順書。第4章以降はこれを実行するだけ

QED の振幅を書く手順

  1. ダイアグラムを尽くす。与えられた外線を、頂点1種類だけを使って結ぶ方法を数え上げる。最低次では頂点の数が決まるので、可能な結び方は有限個である。数え落としがないかはWard 恒等式(手順7)で確認できる。
  2. 運動量を割り当てる。外線に与えられた運動量を書き、各頂点で保存させる。内線の運動量は保存則から決まる(ループがある場合は残った1つを積分変数にする)。
  3. フェルミオン線を矢印と逆に辿り、外線因子・頂点・電子内線を左から順に並べる。
  4. 光子線を縮約する。内線なら −iημν/q2-\mathrm{i}\eta_{\mu\nu}/q^2 を挟み、外線なら ϵμ\epsilon_\mu または ϵμ∗\epsilon^*_\mu を掛ける。
  5. 符号を付ける。フェルミオンループごとに (−1)(-1) と Tr⁡\operatorname{Tr}、外線フェルミオンの入れ替えで移り合う図には相対符号 (−1)(-1)。
  6. 全体を足して iM\mathrm{i}\mathcal{M} とする。ここまでで振幅が確定する。
  7. 検算する。外線光子の偏極を運動量に置き換えて qμMμ=0q_\mu\mathcal{M}^\mu=0 を確かめる。次元(2→22\to2 散乱では M\mathcal{M} は無次元)も確かめる。

振幅が得られたら、観測量に変換する。重心系での 2→22\to2 弾性・非弾性散乱の微分断面積は

dσdΩ∣cm=164π2s∣kf∣∣ki∣ ∣M∣2‾\frac{\mathrm{d}\sigma}{\mathrm{d}\Omega}\bigg|_{\rm cm}=\frac{1}{64\pi^2s}\frac{|\bm{k}_f|}{|\bm{k}_i|}\,\overline{|\mathcal{M}|^2}

である(第3部 第5章)。∣M∣2‾\overline{|\mathcal{M}|^2} は始状態のスピンについて平均し、終状態のスピンについて和を取った量である。始状態が電子と陽電子ならスピン状態は 2×2=42\times2=4 通りなので、平均は 14∑spins\frac14\sum_{\rm spins} である。

例題 3.1(電子とミューオンの散乱の振幅 ★★)

オリジナルe−(p) μ−(k)→e−(p′) μ−(k′)e^-(p)\,\mu^-(k)\to e^-(p')\,\mu^-(k') の最低次の振幅を Feynman 則にしたがって書き下せ。電子とミューオンは別種の粒子なので、交換図は存在しないことに注意せよ。

解答

最低次では、電子線とミューオン線が光子1本を交換する図が1つだけある。交換される光子の運動量は、電子側の運動量保存から q=p−p′q=p-p' である(ミューオン側から見れば q=k′−kq=k'-k であり、全体の運動量保存 p+k=p′+k′p+k=p'+k' と整合する)。これは tt チャネルの図であり、q2=(p−p′)2=tq^2=(p-p')^2=t である。

手順3にしたがって、まず電子線を矢印と逆に辿る。行の始まりは出射電子 uˉ(p′)\bar u(p')、次に頂点 −ieγμ-\mathrm{i} e\gamma^\mu、最後に入射電子 u(p)u(p) で

uˉ(p′) (−ieγμ) u(p).\bar u(p')\,(-\mathrm{i} e\gamma^\mu)\,u(p).

ミューオン線も同様に

uˉ(k′) (−ieγν) u(k)\bar u(k')\,(-\mathrm{i} e\gamma^\nu)\,u(k)

となる。この2本を光子の伝播関数で結ぶと

iM=uˉ(p′)(−ieγμ)u(p) −iημνq2 uˉ(k′)(−ieγν)u(k)\mathrm{i}\mathcal{M}=\bar u(p')(-\mathrm{i} e\gamma^\mu)u(p)\,\frac{-\mathrm{i}\eta_{\mu\nu}}{q^2}\,\bar u(k')(-\mathrm{i} e\gamma^\nu)u(k)

である。(−ie)2(−i)=−i (ie2)⋅(-\mathrm{i} e)^2(-\mathrm{i})=-\mathrm{i}\,(\mathrm{i} e^2)\cdot と整理すると

M=−e2q2[uˉ(p′)γμu(p)][uˉ(k′)γμu(k)]\mathcal{M}=-\frac{e^2}{q^2}\bigl[\bar u(p')\gamma^\mu u(p)\bigr]\bigl[\bar u(k')\gamma_\mu u(k)\bigr]

を得る。2つの角括弧はそれぞれ独立にスピノル添字が縮約された数であり、互いの順序は自由に入れ替えてよい。γμ\gamma^\mu と γμ\gamma_\mu の添字だけが両者を結んでいる。

電子とミューオンは別種の粒子なので、終状態の e−e^- と μ−\mu^- を入れ替えた図は存在しない。同種粒子どうしの散乱(Møller 散乱 e−e−→e−e−e^-e^-\to e^-e^-)では、どちらの出射電子がどちらの入射電子から来たかで2つの図があり、それらの間に相対符号 (−1)(-1) が付く。■\blacksquare

例題 3.2(フェルミオンループの符号とトレース ★★)

オリジナル光子の自己エネルギー(真空偏極)に対応する1ループのダイアグラムの振幅を、Feynman 則にしたがって書き下せ。トレースと (−1)(-1) が現れる理由を説明せよ。

解答

外線は運動量 qq の光子2本、内部は電子ループである。ループを回る運動量を ℓ\ell とすると、2本の電子内線の運動量は ℓ\ell と ℓ+q\ell+q である。手順にしたがうと

iΠμν(q)=−∫ ⁣d4ℓ(2π)4 Tr⁡[(−ieγμ)i(ℓ̸+m)ℓ2−m2+iε(−ieγν)i(ℓ̸+q̸+m)(ℓ+q)2−m2+iε]\mathrm{i}\Pi^{\mu\nu}(q)=-\int\!\frac{\mathrm{d}^4 \ell}{(2\pi)^4}\, \operatorname{Tr}\Bigl[(-\mathrm{i} e\gamma^\mu)\frac{\mathrm{i}(\not\ell+m)}{\ell^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon} (-\mathrm{i} e\gamma^\nu)\frac{\mathrm{i}(\not\ell+\not q+m)}{(\ell+q)^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon}\Bigr]

となる。整理すれば iΠμν(q)=−(ie)2∫d4ℓ(2π)4Tr⁡[⋯ ]\mathrm{i}\Pi^{\mu\nu}(q)=-(\mathrm{i} e)^2\int\frac{\mathrm{d}^4 \ell}{(2\pi)^4}\operatorname{Tr}[\cdots] の形である。

Tr⁡\operatorname{Tr} が現れる理由は次のとおりである。フェルミオン線を矢印と逆に辿ると、閉じたループでは出発点に戻ってくる。行の始まりと終わりのスピノル添字が同じものになるので、∑a(M)aa=Tr⁡M\sum_a(M)_{aa}=\operatorname{Tr} M という形の縮約になる。

(−1)(-1) が現れる理由は、Wick の定理でフェルミオン場を並べ替えるときの符号である。ループを作る縮約では ψ\psi と ψˉ\bar\psi を一周させる必要があり、そのためにフェルミオン場を奇数回入れ替える。反交換関係のためにそのつど (−1)(-1) が出て、全体として (−1)(-1) が1つ残る。ループが2つあれば (+1)(+1) である。

この積分は発散するので、正則化とくりこみが必要になる(第6部 第1章、第2章)。Ward 恒等式は qμΠμν=0q_\mu\Pi^{\mu\nu}=0 を要求し、これが正則化の仕方を選ぶ基準になる。■\blacksquare

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