解答
(1) 展開すると4つの項が出るが、γ 行列を奇数個含む項は消える。残るのは k と k′ の両方を含む項と、m×(−m) の項である。
Bμν=Tr[kγμk′γν]−m2Tr[γμγν]=4(kμkν′+kνkμ′−ημν(k⋅k′))−4m2ημν.
まとめると
Bμν=4(kμkν′+kνkμ′−ημν(k⋅k′+m2))
である。電子側の式で me→0 としたものと同じ形をしており、質量は k⋅k′ に m2 を足す形でだけ入る。
(2) 縮約 AμνBμν を項ごとに実行する。Aμν=4(p′μpν+p′νpμ−ημν(p⋅p′))、Bμν=4(kμkν′+kνkμ′−ημνX)、X≡k⋅k′+m2 と略記すると、4×4=16 を外に出して9項が出る。
p′μpν⋅kμkν′p′νpμ⋅kμkν′p′μpν⋅(−ημνX)−ημν(p⋅p′)⋅kμkν′(−ημν)(−ημν)(p⋅p′)X=(p′⋅k)(p⋅k′),=(p⋅k)(p′⋅k′),=−(p⋅p′)X,=−(p⋅p′)(k⋅k′),=4(p⋅p′)X.p′μpν⋅kνkμ′p′νpμ⋅kνkμ′p′νpμ⋅(−ημνX)−ημν(p⋅p′)⋅kνkμ′=(p′⋅k′)(p⋅k),=(p′⋅k)(p⋅k′),=−(p⋅p′)X,=−(p⋅p′)(k⋅k′),
最後の項で ημνημν=4(4次元時空)を使った。すべて足すと、(p⋅p′) に比例する項は
−2X−2(k⋅k′)+4X=2X−2(k⋅k′)=2m2
となり(X=k⋅k′+m2 を代入した)、k⋅k′ が相殺して m2 だけが残る。したがって
AμνBμν=16⋅2[(p⋅k)(p′⋅k′)+(p⋅k′)(p′⋅k)+m2(p⋅p′)]=32[(p⋅k)(p′⋅k′)+(p⋅k′)(p′⋅k)+m2(p⋅p′)].
これを ∣M∣2=4s2e4AμνBμν に代入して
∣M∣2=s28e4[(p⋅k)(p′⋅k′)+(p⋅k′)(p′⋅k)+m2(p⋅p′)]
を得る。ここまでで Lorentz 不変な内積だけの式になっており、どの慣性系で評価してもよい。■