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外場近似での散乱振幅

2026年10月15日3分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第5部 第6章 Coulomb 散乱(Mott と Rutherford)

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第5部 第6章 §5.6.1 ★★ 静的な外場は運動量だけを与え、エネルギーを与えない

最後に、電子が重い原子核の Coulomb 場で散乱される過程を扱う。原子核が十分重ければ反跳を無視でき、原子核を「静的な外場」として扱える(外場近似)。この単純化のおかげで、スピンが断面積に与える効果を Rutherford の古典公式と直接比べられる。得られる Mott の公式は、原子核の電荷分布を測る実験(電子散乱)の出発点になる。

原子核(電荷 +Ze+Ze、質量無限大)が作るスカラーポテンシャルは

Acl0(x)=Ze4π∣x∣,Acl=0A^0_{\rm cl}(\bm{x})=\frac{Ze}{4\pi|\bm{x}|},\qquad \bm{A}_{\rm cl}=\bm{0}

である。相互作用項 −eψˉγμψAμ-e\bar\psi \gamma^\mu\psi A_\mu のうち AμA_\mu を量子場でなくこの古典場で置き換えると、1次の摂動で振幅

iM=−ie uˉ(p′)γ0u(p) A~0(q),q=p′−p\mathrm{i}\mathcal{M}=-\mathrm{i} e\,\bar u(p')\gamma^0u(p)\,\tilde A^0(\bm{q}),\qquad \bm{q}=\bm{p}'-\bm{p}

が得られる。A~0\tilde A^0 は外場の空間 Fourier 変換である。外場が時間に依存しないので、散乱でエネルギーは変わらず(∣p′∣=∣p∣|\bm{p}'|=|\bm{p}|、弾性散乱)、運動量だけが q\bm{q} だけ変わる。Fourier 変換は

A~0(q)=∫ ⁣d3x e−iq⋅xZe4π∣x∣=Ze∣q∣2\tilde A^0(\bm{q})=\int\!\mathrm{d}^3x\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\bm{q}\cdot\bm{x}}\frac{Ze}{4\pi|\bm{x}|}=\frac{Ze}{|\bm{q}|^2}

である(例題 5.6.1)。静的外場による弾性散乱の断面積は

dσdΩ=116π2 ∣M∣2‾\frac{\mathrm{d}\sigma}{\mathrm{d}\Omega}=\frac{1}{16\pi^2}\,\overline{|\mathcal{M}|^2}

で与えられる(入射流束と終状態の位相空間を書き下すと、相対論的規格化のもとでこの形になる)。

例題 6.1(遮蔽 Coulomb ポテンシャルの Fourier 変換 ★★)

オリジナルV(x)=Ze4π∣x∣e−μ∣x∣V(\bm{x})=\dfrac{Ze}{4\pi|\bm{x}|}\mathrm{e}^{-\mu|\bm{x}|} の Fourier 変換が Ze∣q∣2+μ2\dfrac{Ze}{|\bm{q}|^2+\mu^2} となることを示し、μ→0\mu\to0 の極限を取れ。

解答

r=∣x∣r=|\bm{x}| とし、q\bm{q} を極軸に取る。角度積分を先に行う。

∫ ⁣d3x e−iq⋅xf(r)=2π∫0∞ ⁣dr r2f(r)∫−11 ⁣dc e−iqrc=4πq∫0∞ ⁣dr rf(r)sin⁡(qr)\int\!\mathrm{d}^3x\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\bm{q}\cdot\bm{x}}f(r) =2\pi\int_0^\infty\!\mathrm{d} r\,r^2f(r)\int_{-1}^{1}\!\mathrm{d} c\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i} qrc} =\frac{4\pi}{q}\int_0^\infty\!\mathrm{d} r\,r f(r)\sin(qr)

である(q=∣q∣q=|\bm{q}|、∫−11e−iqrcdc=2sin⁡(qr)/(qr)\int_{-1}^1\mathrm{e}^{-\mathrm{i} qrc}\mathrm{d} c=2\sin(qr)/(qr) を使った)。f(r)=Ze4πre−μrf(r)=\dfrac{Ze}{4\pi r}\mathrm{e}^{-\mu r} を入れると

V~(q)=4πq⋅Ze4π∫0∞ ⁣dr e−μrsin⁡(qr)=Zeq⋅qμ2+q2=Zeq2+μ2.\tilde V(\bm{q})=\frac{4\pi}{q}\cdot\frac{Ze}{4\pi}\int_0^\infty\!\mathrm{d} r\,\mathrm{e}^{-\mu r}\sin(qr) =\frac{Ze}{q}\cdot\frac{q}{\mu^2+q^2}=\frac{Ze}{q^2+\mu^2}.

途中の積分は ∫0∞e−μrsin⁡(qr)dr=q/(μ2+q2)\int_0^\infty\mathrm{e}^{-\mu r}\sin(qr)\mathrm{d} r=q/(\mu^2+q^2) である。μ→0\mu\to0 とすると V~=Ze/q2\tilde V=Ze/q^2 となり、本文の式を得る。

遮蔽の長さ 1/μ1/\mu を有限に保ったまま計算し、最後に μ→0\mu\to0 とするのは、純粋な Coulomb ポテンシャルの Fourier 積分が原点近傍で条件収束しかしないための処方である。物理的にも、原子核の電荷は原子の電子雲で遮蔽されており、μ\mu は遮蔽の逆長さに対応する。■\blacksquare

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