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くりこみ可能性とスキーム依存性

2026年10月15日3分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第6部 第3章 くりこみ

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第6部 第3章 §6.3.4 ★★ 有限個のパラメータで全次数の発散が吸収されること、そして残る任意性の正体。

くりこみ可能な理論では、必要なカウンター項の種類が有限個である。ϕ4\phi^4 理論ではδZ,δm,δλ\delta_Z,\delta_m,\delta_\lambda の3つ、QED では光子場・電子場・質量・頂点に対応するδ3,δ2,δm,δ1\delta_3,\delta_2,\delta_m,\delta_1 の4つで、しかも Ward 恒等式が δ1=δ2\delta_1=\delta_2 を要求するので独立なのは3つである。摂動の何次に行っても新しい種類のカウンター項は要らない。だから、有限個の測定値(QED なら電子質量と微細構造定数の2つ)を入力すれば、残りのすべての量が予言になる。

一方、カウンター項の有限部分をどう選ぶかには任意性が残る。この選び方をくりこみスキームと呼ぶ。代表的なものは次の2つである。

  • 質量殻スキーム(on-shell):物理的質量を伝播関数の極、電荷をq2→0q^2\to0 での Thomson 散乱の値で定義する。実験と直結するので、QED の低エネルギー計算ではこれを使う。
  • MS‾\overline{\rm MS} スキーム:1/ϵ−γE+ln⁡4π1/\epsilon-\gamma_E+\ln4\pi だけを引き、残りは μ\mu に依存させたままにする。計算が簡単で、質量が無視できる高エネルギー領域や QCD で標準的に使われる。

スキームが違えば λ\lambda や α\alpha という記号の値そのものが違う。したがって「αs(MZ)\alpha_s(M_Z) の値」を引用するときは、どのスキームでの値かを指定しなければ意味が定まらない。一方、断面積のような測定量は、同じ次数まで一貫して計算する限りスキームに依らない。有限次数で打ち切った場合には高次項の分だけスキーム依存性が残るが、その大きさは打ち切った次数の項と同じオーダーであり、計算の不確かさの見積もりに使われる。

例題 3.3(スキーム依存性が物理量から落ちること)

オリジナル例題 3.2 の2つのスキームで定義した結合定数を λMS‾\lambda_{\overline{\rm MS}}、λsym\lambda_{\rm sym} とする。1ループの精度で両者の関係を求め、任意の運動学点でのM\mathcal{M} が同じ値になることを確かめよ。

解答

例題 3.2 の (1) と (2) を比べると、同じ M\mathcal{M} に対して

λsym=λMS‾+3λMS‾232π2∫01 ⁣dx ln⁡Δ0(x)μ2+O(λ3)\lambda_{\rm sym} = \lambda_{\overline{\rm MS}} + \frac{3\lambda_{\overline{\rm MS}}^2}{32\pi^2}\int_0^1\!\mathrm{d} x\,\ln\frac{\Delta_0(x)}{\mu^2} + \mathcal{O}(\lambda^3)

の関係がある(δλ\delta_\lambda の差がそのまま結合定数の定義の差になる)。

MS‾\overline{\rm MS} で書いた振幅は

M=−λMS‾−λMS‾232π2∫01 ⁣dx∑cln⁡Δcμ2\mathcal{M} = -\lambda_{\overline{\rm MS}} - \frac{\lambda_{\overline{\rm MS}}^2}{32\pi^2}\int_0^1\!\mathrm{d} x\sum_{c}\ln\frac{\Delta_c}{\mu^2}

である。ここに上の関係を代入して λsym\lambda_{\rm sym} で書き直すと、O(λ2)\mathcal{O}(\lambda^2) の精度で

M=−λsym−λsym232π2∫01 ⁣dx∑cln⁡ΔcΔ0\mathcal{M} = -\lambda_{\rm sym} - \frac{\lambda_{\rm sym}^2}{32\pi^2}\int_0^1\!\mathrm{d} x\sum_{c} \ln\frac{\Delta_c}{\Delta_0}

となる。μ\mu が消え、対数の中身が2つの運動学点の比になっている点に注意する。λsym\lambda_{\rm sym} を対称点での測定から決めれば、他の点での M\mathcal{M} が予言される。MS‾\overline{\rm MS} から出発しても同じ予言に到達する。

なお λ2\lambda^2 の係数の中で λMS‾\lambda_{\overline{\rm MS}} と λsym\lambda_{\rm sym} を入れ替えたことによる誤差は O(λ3)\mathcal{O}(\lambda^3) であり、1ループの精度では無視してよい。これが「有限次数ではスキーム依存性が高次の分だけ残る」という主張の具体形である。

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