無限大を隠しているのではないか、という批判への回答
AI 生成・木下が未勉強
場の量子論入門 第6部 第3章 §6.3.5 ★★ Dirac らの不満は正当だった。現代の答えは Wilson の視点にある。
くりこみの手続きが確立した1950年代以降も、Dirac や Feynman 自身がこの操作に強い不満を表明していた。「無限大から無限大を引いて有限な答えを得る」という手続きが、数学的に正当化されていない当座しのぎに見えたからである。
現代の答えは2段構えである。第一に、くりこみは「発散を消す操作」ではない。第3.1節で述べたとおり、Lagrangian に書いた記号は観測量ではなく、観測量は完全伝播関数の極や散乱振幅の値である。くりこみとは理論のパラメータを観測量で定義し直す作業であり、その過程で観測量でない記号が発散しても理論の予言は損なわれない。この見方に立てば、「引き算」に見えたものは変数変換にすぎない。
第二に、Wilson が1970年前後に与えた視点がより深い答えを与える。理論は最初からカットオフ 付きで定義されていると考える。 より短い距離の物理は未知だが、低エネルギー()の観測量は、その未知の詳細にほとんど依存しない。依存するのは有限個の量(くりこみ可能な結合の値)だけであり、それ以外の効果は の冪で抑制される。この構造は統計力学の臨界現象における普遍性と同一で、そちらでは「異なるミクロ模型が同じ臨界指数を与える」という実験事実として確認されている。この視点では、くりこみ可能性は理論が満たすべき必須条件ではなく、「低エネルギーで自動的に生き残る相互作用の分類」という位置づけに変わる。第6章の主題はここにある。
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