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iε\mathrm{i}\varepsilon は境界条件である

2026年10月15日3分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7部 第2章 場の経路積分と生成汎関数

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第7部 第2章 §7.2.4 ★★★ 時間順序積がなぜ出るか。正準量子化の iε\mathrm{i}\varepsilon 処方と同じものが現れる

ここまでの計算で DFD_F の分母に置いた iε\mathrm{i}\varepsilon は、天下りに見えるかもしれない。経路積分の側では、これは境界条件として自然に現れる。

経路積分 ∫Dϕ eiS\int\mathcal{D}\phi\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S} を書いたとき、始状態と終状態を何に取るかを実は指定していなかった。知りたいのは真空から真空への振幅なので、始状態と終状態を真空に射影する必要がある。第 1 章の記法で言えば、⟨xf∣e−iHT∣xi⟩=∑nψn(xf)ψn∗(xi)e−iEnT\langle x_f | \mathrm{e}^{-\mathrm{i} HT} | x_i \rangle =\sum_n\psi_n(x_f)\psi_n^*(x_i)\mathrm{e}^{-\mathrm{i} E_nT} において、基底状態の項だけを残したい。そこで時間を実軸からわずかに傾け、

T ⟶ T(1−iε)T\ \longrightarrow\ T(1-\mathrm{i}\varepsilon)

とする。すると各項に e−εEnT\mathrm{e}^{-\varepsilon E_nT} という減衰因子が付き、T→∞T\to\infty で最低エネルギーの項が相対的に生き残る。これが「真空を選び出す」操作である。

この時間の微小回転は、運動量空間では伝播関数の極の位置をずらすことと等価である。t→t(1−iε)t\to t(1-\mathrm{i}\varepsilon) の下で e−iEt\mathrm{e}^{-\mathrm{i} E t} が減衰するように極を動かすと、p0=±Epp^0=\pm E_{\bm{p}} にあった極が p0=+Ep−iεp^0=+E_{\bm{p}}-\mathrm{i}\varepsilon と p0=−Ep+iεp^0=-E_{\bm{p}}+\mathrm{i}\varepsilon に移る。これは分母を p2−m2+iεp^2-m^2+\mathrm{i}\varepsilon と書くことと同じである。

図

図  複素 p0p^0 平面での極の位置と積分路。t>0t>0 では下半面に閉じるので p0=+Epp^0=+E_{\bm{p}} の極を拾い、t<0t<0 では上半面に閉じて p0=−Epp^0=-E_{\bm{p}} の極を拾う。この使い分けが時間順序積そのものになる。

極の位置がこのように決まると、p0p^0 積分を留数で実行したときに、t>0t>0 では正エネルギー解が、t<0t<0 では負エネルギー解(反粒子の伝播)が拾われる。場の演算子の言葉で言えば、これは時間の早い演算子を右に置く並べ方に対応する。したがって経路積分が計算しているのは、素朴な積ではなく時間順序積である。正準量子化で θ\theta 関数を使って手で定義した時間順序積が、経路積分では真空を選ぶための時間の微小回転から自動的に出てくる。

なお、時間の微小回転 ε\varepsilon を 9090 度まで回し切ると t=−iτt=-\mathrm{i}\tau になり、eiS\mathrm{e}^{\mathrm{i} S} は実の減衰因子 e−SE\mathrm{e}^{-S_E} に変わる。iε\mathrm{i}\varepsilon 処方はこの Euclid 化の無限小版であり、回転を最後まで実行したものが第 6 章の虚時間経路積分である。

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