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ボゾンは周期、フェルミオンは反周期

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7部 第6章 虚時間と統計力学

AI 生成・木下が未勉強

場の量子論入門 第7部 第6章 §7.6.3 ★★ 境界条件の違いが統計の違いそのもの。Matsubara 振動数が決まる

場の理論では、虚時間方向の周期境界条件が場ごとに違う。ボゾン場は

ϕ(0,x)=ϕ(β,x)\phi(0,\bm{x})=\phi(\beta,\bm{x})

であり、これは前節のトレースをそのまま場に拡張したものである。Fourier 展開すると振動数は離散化され、

ωn=2πnβ(n∈Z)\omega_n=\frac{2\pi n}{\beta}\qquad(n\in\mathbb{Z})

というMatsubara 振動数を取る。

フェルミオン場は事情が違う。トレースを Grassmann 変数のコヒーレント状態で書くと⟨−θ∣\langle -\theta | という符号の反転が現れる。これは Grassmann 数が反可換であることの帰結であり、場は

ψ(0,x)=−ψ(β,x)\psi(0,\bm{x})=-\psi(\beta,\bm{x})

という反周期境界条件を満たす。したがって Matsubara 振動数は

ωn=(2n+1)πβ(n∈Z)\omega_n=\frac{(2n+1)\pi}{\beta}\qquad(n\in\mathbb{Z})

と半整数間隔になり、n=0n=0 に相当する零モードが存在しない。場の量子論と統計力学の対応において、統計の違いはこの境界条件の違いだけに集約される。

例題 6.2(単一モードの分配関数)

オリジナル振動数 ω\omega の 1 モードについて、フェルミオンとボゾンの分配関数

ZF=1+e−βω,ZB=11−e−βωZ_F=1+\mathrm{e}^{-\beta\omega},\qquad Z_B=\frac{1}{1-\mathrm{e}^{-\beta\omega}}

を、(i) 演算子の言葉(状態を数える)と、(ii) 経路積分の言葉(Matsubara 振動数の積)の両方で導け。ゼロ点エネルギーは適当に規格化してよい。

解答

(i) 状態を数える。フェルミオンは {b, b†}=1\left\{b,\,b^\dagger\right\}=1、b2=0b^2=0 から占有数が 00 か 11 に限られ、H=ωb†bH=\omega b^\dagger b の固有値は {0,ω}\{0,\omega\} である(第4部 の検算済みの事実)。よって

ZF=Tr⁡e−βH=e0+e−βω=1+e−βω.Z_F=\operatorname{Tr}\mathrm{e}^{-\beta H}=\mathrm{e}^{0}+\mathrm{e}^{-\beta\omega}=1+\mathrm{e}^{-\beta\omega}.

ボゾンは占有数 n=0,1,2,…n=0,1,2,\dots が制限なく許され、H=ωa†aH=\omega a^\dagger a の固有値は nωn\omega なので等比級数の和から

ZB=∑n=0∞e−βωn=11−e−βω.Z_B=\sum_{n=0}^{\infty}\mathrm{e}^{-\beta\omega n}=\frac{1}{1-\mathrm{e}^{-\beta\omega}}.

どちらも検算済みの結果である。

(ii) Matsubara 振動数の積。Euclid 作用が 2 次形式なので、経路積分は Gauss 積分であり、ボゾンでは固有値の積の −1-1 乗(複素変数の場合)、フェルミオンでは +1+1 乗が出る(第 4 章)。1 モードの Euclid 作用の固有値は ωn2+ω2\omega_n^2+\omega^2 である。ボゾンでは ωn=2πn/β\omega_n=2\pi n/\beta を使い、nn と −n-n を組にして

∏n∈Z(ωn2+ω2) ∝ ∏n=1∞[1+(βω2πn)2]=sinh⁡(βω/2)βω/2\prod_{n\in\mathbb{Z}}(\omega_n^2+\omega^2) \ \propto\ \prod_{n=1}^{\infty}\Bigl[1+\Bigl(\frac{\beta\omega}{2\pi n}\Bigr)^{2}\Bigr] =\frac{\sinh(\beta\omega/2)}{\beta\omega/2}

となる(無限積の公式 sinh⁡z=z∏n≥1(1+z2/n2π2)\sinh z=z\prod_{n\ge1}(1+z^2/n^2\pi^2) を使った。nn に依存しない全体因子は温度に依らない規格化に吸収する)。したがって

ZB ∝ 1sinh⁡(βω/2)=2e−βω/21−e−βω.Z_B\ \propto\ \frac{1}{\sinh(\beta\omega/2)} =\frac{2\mathrm{e}^{-\beta\omega/2}}{1-\mathrm{e}^{-\beta\omega}} .

指数因子 e−βω/2\mathrm{e}^{-\beta\omega/2} はゼロ点エネルギー ω/2\omega/2 の寄与であり、これを規格化で落とせば (i) の結果に一致する。

フェルミオンでは ωn=(2n+1)π/β\omega_n=(2n+1)\pi/\beta を使い、行列式が分子に来るので

ZF ∝ ∏n≥0[1+(βω(2n+1)π)2]=cosh⁡βω2=eβω/22(1+e−βω)Z_F\ \propto\ \prod_{n\ge0}\Bigl[1+\Bigl(\frac{\beta\omega}{(2n+1)\pi}\Bigr)^{2}\Bigr] =\cosh\frac{\beta\omega}{2} =\frac{\mathrm{e}^{\beta\omega/2}}{2}\bigl(1+\mathrm{e}^{-\beta\omega}\bigr)

となる(cosh⁡z=∏n≥0[1+4z2/(2n+1)2π2]\cosh z=\prod_{n\ge0}[1+4z^2/(2n+1)^2\pi^2])。ゼロ点の因子を落とせば ZF∝1+e−βωZ_F\propto1+\mathrm{e}^{-\beta\omega} であり、(i) と一致する。ボゾンとフェルミオンの違いが、行列式の位置(det⁡\det か det⁡−1\det^{-1} か)と境界条件(周期か反周期か)の 2 点だけで再現されていることが要点である。

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