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強法則

2026年10月15日16分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第12章 大数の法則
目次
  1. 弱法則と強法則の違い
  2. 4次モーメントを仮定した証明
  3. Kolmogorov の強法則
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

確率論入門 第12章 §12.2 ★★★ 1本の見本路の上で平均が期待値に近づくこと。4次モーメントを仮定すれば Borel–Cantelli の補題だけで証明でき、独立同分布なら期待値の有限性が必要十分

弱法則と強法則の違い

弱法則は「各時刻で、標本平均が期待値から離れている確率が小さい」と述べる。これは時刻ごとの主張である。1つの標本点を固定して数列 Xˉn(ω)\bar X_n(\omega) を眺めたとき、それが μ\mu に収束するかどうかについては、何も述べていない。第11章 §11.2 で見たように、確率収束しても概収束しない列は存在する。

実際に硬貨を投げ続ける人が観測するのは、1本の列 Xˉ1(ω),Xˉ2(ω),…\bar X_1(\omega),\bar X_2(\omega),\dots である。知りたいのは、その列が収束するかどうかである。

これに答えるのが強法則である。図 12.1 に、独立な Ex(1)\mathrm{Ex}(1) の列の標本平均の見本路を3本描いた。比較のため、標準 Cauchy 分布の列の標本平均の見本路も1本描いた。

図

図 12.1 標本平均 Xˉn\bar X_n の見本路(横軸は対数目盛り)。青の3本は独立な Ex(1)\mathrm{Ex}(1) の列で、どれも破線の E[X1]=1E[X_1]=1 に近づく。赤の1本は独立な標準 Cauchy 分布の列で、nn が大きくなっても揺れが収まらない(期待値が存在しない)。

4次モーメントを仮定した証明

強法則を示すには、標本平均が期待値から離れる事象が「有限回しか起きない」ことを言えばよい。Borel–Cantelli の第1補題 (12.4) によれば、そのためには離れる確率の和が有限であれば十分である。Chebyshev の不等式から得られる上界は C/(nε2)C/(n\varepsilon ^2) で、和が発散するので足りない。4次モーメントを使えば 1/n21/n^2 の減り方が得られ、和が有限になる。

定理 12.5(4次モーメントを仮定した強法則)

X1,X2,…X_1,X_2,\dots は独立とする。さらに kk によらない定数 KK があって、次が成り立つとする。

E[Xk]=μ,E[(Xk−μ)4]≤KE[X_k]=\mu,\qquad E[(X_k-\mu)^4]\le K

このとき Xˉn→μ\bar X_n\to\mu a.s. である。

証明

中心化した変数と和を次のように置く。

Yk=Xk−μ,Tn=Y1+⋯+Yn=Sn−nμY_k=X_k-\mu,\qquad T_n=Y_1+\cdots+Y_n=S_n-n\mu

E[Yk]=0E[Y_k]=0、E[Yk4]≤KE[Y_k^4]\le K である。Lyapunov の不等式(Jensen の不等式の帰結。第10章 §10.2)から次が成り立つ。

E[Yk2]≤E[Yk4]1/2≤K1/2,E[∣Yk∣3]<∞E[Y_k^2]\le E[Y_k^4]^{1/2}\le K^{1/2},\qquad E[\left\vert Y_k\right\vert ^3]<\infty

4乗 Tn4=(Y1+⋯+Yn)4T_n^4=(Y_1+\cdots+Y_n)^4 を展開すると、n4n^4 個の項の和になる。各項の期待値を、添字の重なり方で分類する。

  • 1回だけ現れる添字がある項は 0。次の形の項がこれにあたる(添字は相異なる)。

Yi3Yj,Yi2YjYk,YiYjYkYlY_i^3Y_j,\qquad Y_i^2Y_jY_k,\qquad Y_iY_jY_kY_l

独立性から、期待値はその添字の E[Y]=0E[Y]=0 を因子にもち、0 になる。たとえば E[Yi3Yj]=E[Yi3]E[Yj]=0E[Y_i^3Y_j]=E[Y_i^3]E[Y_j]=0 である。3次の絶対モーメントが有限なので、積の期待値の公式が使える。

  • 4つの添字がすべて等しい項。Yi4Y_i^4 の形で、nn 個ある。
  • 2つの添字が2回ずつ現れる項。Yi2Yj2Y_i^2Y_j^2(i≠ji\neq j)の形である。添字の組の選び方が (n2)\binom n2 通りある。4つの位置のどの2つに一方を置くかが (42)=6\binom42=6 通りある。合わせて 6(n2)=3n(n−1)6\binom n2=3n(n-1) 個ある。

したがって

E[Tn4]=∑i=1nE[Yi4]+3∑i≠jE[Yi2]E[Yj2]≤nK+3n(n−1)K≤3n2K(12.9)E[T_n^4]=\sum_{i=1}^{n}E[Y_i^4]+3\sum_{i\neq j}E[Y_i^2]E[Y_j^2]\le nK+3n(n-1)K\le3n^2K\tag{12.9}

である(2つ目の和は、順序つきの組 n(n−1)n(n-1) 個にわたる)。Markov の不等式 (12.2) を r=4r=4 で使うと

P(∣Xˉn−μ∣≥ε)=P(∣Tn∣≥nε)≤E[Tn4]n4ε4≤3Kn2ε4P(\left\vert \bar X_n-\mu\right\vert \ge\varepsilon )=P(\left\vert T_n\right\vert \ge n\varepsilon )\le\frac{E[T_n^4]}{n^4\varepsilon ^4}\le\frac{3K}{n^2\varepsilon ^4}

となる。∑n1/n2<∞\sum_n1/n^2<\infty だから、右辺の番号についての和は有限である。第4章 §4.4 の命題 4.23(概収束の十分条件)から Xˉn→μ\bar X_n\to\mu a.s. を得る。

命題 4.23 の中身も書いておく。ε=1/m\varepsilon =1/m として Borel–Cantelli の第1補題を使うと、次の事象は確率 0 である。

Am={∣Xˉn−μ∣≥1/m i.o.}A_m=\{\left\vert \bar X_n-\mu\right\vert \ge1/m\ \text{i.o.}\}

可算個の和 A=⋃mAmA=\bigcup_mA_m も確率 0 である。この事象の外の標本点では、どの mm についても、十分大きな番号でずれが 1/m1/m 未満となる。これは Xˉn(ω)→μ\bar X_n(\omega)\to\mu を意味する。

有界な確率変数(たとえば指示関数)は4次モーメントが有限なので、この定理を使うことができる。とくに独立に繰り返した事象の相対頻度は、確率 1 でその事象の確率に収束する。これを Borel の強法則と呼ぶ。次の例題は、その結果を実数の小数展開に読み替えたものである。

例題 12.3 ほとんどすべての実数は正規数である ★★

オリジナルΩ=[0,1)\Omega=[0,1)、P=LebP=\mathrm{Leb} とする。整数 b≥2b\ge2 について、標本点の bb 進展開を次のように書く(有限桁で終わる展開を選ぶ)。

ω=∑k≥1dk(ω)b−k\omega=\sum_{k\ge1}d_k(\omega)b^{-k}

第4章の例題 4.3 と同じ議論で、d1,d2,…d_1,d_2,\dots は {0,1,…,b−1}\{0,1,\dots,b-1\} 上の一様分布に従う独立同分布の列である。

  1. 数字 a∈{0,…,b−1}a\in\{0,\dots,b-1\} について、次がほとんどすべての標本点で成り立つことを示せ。

1n#{k≤n:dk(ω)=a}→1b\frac1n\#\{k\le n:d_k(\omega)=a\}\to\frac1b 2. 長さ LL の数字の並び w=(a1,…,aL)w=(a_1,\dots,a_L) を考える。これが位置 k,k+1,…,k+L−1k,k+1,\dots,k+L-1 に現れる回数(重なりを許す)について、次がほとんどすべての標本点で成り立つことを示せ。

1n#{k≤n:(dk,…,dk+L−1)=w}→b−L\frac1n\#\{k\le n:(d_k,\dots,d_{k+L-1})=w\}\to b^{-L} 3. すべての基数 b≥2b\ge2 とすべての並びについて、(2) が同時に成り立つ数を、すべての基数で正規数である数と呼ぶ。その全体は Lebesgue 測度 1 をもつことを示せ。また 13\frac13 は2進法で正規数でないことを確かめよ。

解答
  1. 指示関数 Xk=1{dk=a}X_k=\mathbf 1_{\{d_k=a\}} は独立同分布で、E[Xk]=1bE[X_k]=\frac1b である。値は 1 以下なので、4次の中心モーメントは E[(Xk−1b)4]≤1E[(X_k-\frac1b)^4]\le1 を満たす。定理 12.5 から Xˉn→1b\bar X_n\to\frac1b a.s. となる。
  2. 添字を LL で割った余りで、LL 組に分ける。余りが rr の組は、添字 r,r+L,r+2L,…r,r+L,r+2L,\dots からなる。これらの添字に対する並び (dk,…,dk+L−1)(d_k,\dots,d_{k+L-1}) は、互いに重ならない桁の組から作られる。したがって次の列は独立同分布で、期待値は b−Lb^{-L} である。

Zj(r)=1{(dk,…,dk+L−1)=w}(k=r+(j−1)L)Z^{(r)}_j=\mathbf 1_{\{(d_k,\dots,d_{k+L-1})=w\}}\qquad(k=r+(j-1)L)

(1) と同じく定理 12.5 から、各 rr について次が成り立つ。

1m∑j=1mZj(r)→b−La.s.\frac1m\sum_{j=1}^mZ^{(r)}_j\to b^{-L}\quad\text{a.s.}

nn 以下の添字のうち、余りが rr のものを数える。その個数を mr(n)m_r(n) と書く。mr(n)/n→1Lm_r(n)/n\to\frac1L であり、

1n#{k≤n:(dk,…,dk+L−1)=w}=∑r=1Lmr(n)n⋅1mr(n)∑j=1mr(n)Zj(r) ⟶ ∑r=1L1L b−L=b−L\frac1n\#\{k\le n:(d_k,\dots,d_{k+L-1})=w\}=\sum_{r=1}^{L}\frac{m_r(n)}{n}\cdot\frac{1}{m_r(n)}\sum_{j=1}^{m_r(n)}Z^{(r)}_j\ \longrightarrow\ \sum_{r=1}^{L}\frac1L\,b^{-L}=b^{-L}

が、LL 個の確率 1 の事象の共通部分(これも確率 1)の上で成り立つ。3. 基数・長さ・並びの組は可算個しかない。(2) の結論が成り立たない標本点の集合は、どれも測度 0 である。よって可算個の和も測度 0(劣加法性)であり、その補集合は測度 1 をもつ。 13\frac13 の2進展開は 0.010101⋯0.010101\cdots で、数字 1 の頻度は 1/2 になる。しかし並び (1,1)(1,1) は一度も現れないので、頻度は 0≠140\neq\frac14 である。よってこの数は2進法で正規数でない。同じ理由で、有理数はどの基数でも展開が循環するので、どこかの基数で正規数にならない。

この例題の結論は存在定理としては強いが、具体的な数が正規数かどうかを判定するのは難しい。2\sqrt2 や π\pi が10進法で正規数かどうかは知られていない。10進法で正規数であることが証明された例として、自然数を順に並べた数 0.123456789101112… (Champernowne の数)がある。

Kolmogorov の強法則

定理 12.5 の4次モーメントの仮定は、証明を短くするための仮定であって、結論に必要なものではない。独立同分布の場合には、期待値の有限性が必要十分条件になる。

定理 12.6(Kolmogorov の強法則)

X1,X2,…X_1,X_2,\dots を独立同分布とする。

  1. E[∣X1∣]<∞E[\left\vert X_1\right\vert ]<\infty なら、Xˉn→E[X1]\bar X_n\to E[X_1] a.s. である。
  2. E[∣X1∣]=∞E[\left\vert X_1\right\vert ]=\infty なら、lim sup⁡n∣Xˉn∣=∞\limsup_n\left\vert \bar X_n\right\vert =\infty a.s. である。よって標本平均は、ほとんど確実に有限の極限をもたない。

(1) の証明の筋は次のとおりである。

  1. Khinchin の弱法則(定理 12.4)と同じく、各項を切断して Yk=Xk1{∣Xk∣≤k}Y_k=X_k\mathbf 1_{\{\left\vert X_k\right\vert \le k\}} と置く。切断の高さを nn でなく kk にするのが違いである。
  2. ∑kP(Xk≠Yk)<∞\sum_kP(X_k\neq Y_k)<\infty が示せる。よって Borel–Cantelli の第1補題から、有限個の添字を除いて Xk=YkX_k=Y_k となる。
  3. 残る仕事は、次を示すことである。

1n∑k≤n(Yk−E[Yk])→0a.s.\frac1n\sum_{k\le n}(Y_k-E[Y_k])\to0\quad\text{a.s.}

これには次の §12.3 で作る「独立な確率変数の級数の収束定理」と「Kronecker の補題」を使う。

完全な証明は §12.3 の最後(定理 12.6 の (1) の証明)に書く。

(2) はここで証明することができる。

(2) の証明

非負の確率変数 WW について、次が成り立つ。

E[W]≤∑n=0∞P(W>n)E[W]\le\sum_{n=0}^{\infty}P(W>n)

これは第5章 §5.3 の裾の公式 E[W]=∫0∞P(W>t) dtE[W]=\int_0^\infty P(W>t)\,\mathrm{d} t から得られる。区間 t∈[n,n+1)t\in[n,n+1) の上で、P(W>t)≤P(W>n)P(W>t)\le P(W>n) とすればよい。c>0c>0 を任意にとり、W=∣X1∣/cW=\left\vert X_1\right\vert /c とする。E[W]=∞E[W]=\infty だから、∑nP(∣X1∣>cn)=∞\sum_nP(\left\vert X_1\right\vert >cn)=\infty である。

同分布なので P(∣Xn∣>cn)=P(∣X1∣>cn)P(\left\vert X_n\right\vert >cn)=P(\left\vert X_1\right\vert >cn) である。また事象 {∣Xn∣>cn}\{\left\vert X_n\right\vert >cn\} は独立である。Borel–Cantelli の第2補題 (12.4) から、確率 1 で無限個の番号について ∣Xn∣>cn\left\vert X_n\right\vert >cn となる。

一方、Xn=Sn−Sn−1X_n=S_n-S_{n-1} から

∣Xn∣n≤∣Sn∣n+∣Sn−1∣n≤∣Xˉn∣+∣Xˉn−1∣\frac{\left\vert X_n\right\vert }{n}\le\frac{\left\vert S_n\right\vert }{n}+\frac{\left\vert S_{n-1}\right\vert }{n}\le\left\vert \bar X_n\right\vert +\left\vert \bar X_{n-1}\right\vert

である。∣Xn∣>cn\left\vert X_n\right\vert >cn が無限回起きるなら、∣Xˉn∣+∣Xˉn−1∣>c\left\vert \bar X_n\right\vert +\left\vert \bar X_{n-1}\right\vert >c が無限回起きる。よって lim sup⁡n∣Xˉn∣≥c/2\limsup_n\left\vert \bar X_n\right\vert \ge c/2 となる。c=1,2,3,…c=1,2,3,\dots に対する可算個の確率 1 の事象の共通部分の上で、上極限は無限大である。

強法則の仮定の弱め方

  • 対ごとの独立で足りる。N. Etemadi(1981年)は、定理 12.6 の (1) が「独立」を「対ごとに独立」に弱めても成り立つことを示した。証明は切断と、n=⌊αm⌋n=\lfloor\alpha^m\rfloor の部分列で Chebyshev の不等式と Borel–Cantelli の補題を使う議論による。
  • 期待値が無限大や存在しない場合。期待値が +∞+\infty の非負の列では、標本平均は確率 1 で +∞+\infty に発散する(確認テスト 12.2-4)。期待値が存在しない Cauchy 分布の列は、図 12.1 の赤の線のように揺れ続ける。

例題 12.4 くり返し投資の成長率 ★★

オリジナル資産を毎回すべて賭けると、資産は確率 12\frac12 で 1.5 倍、確率 12\frac12 で 0.6 倍になる。各回は独立とし、初めの資産を 1 とする。nn 回後の資産を Wn=R1R2⋯RnW_n=R_1R_2\cdots R_n とする。

  1. E[Wn]E[W_n] を求めよ。
  2. 1nlog⁡Wn\frac1n\log W_n のほとんど確実な極限を求め、Wn→0W_n\to0 a.s. を示せ。
  3. 毎回、資産の割合 f∈[0,1]f\in[0,1] だけを賭けるとする。倍率は Rk=1+0.5fR_k=1+0.5f または 1−0.4f1-0.4f である。1nlog⁡Wn\frac1n\log W_n の極限を g(f)g(f) と書く。これを最大にする割合と、そのときの値を求めよ。
解答
  1. 1回の倍率の期待値は E[Rk]=12(1.5+0.6)=1.05E[R_k]=\frac12(1.5+0.6)=1.05 である。独立性から次が成り立つ。

E[Wn]=∏kE[Rk]=1.05nE[W_n]=\prod_kE[R_k]=1.05^n

期待値は回数とともに指数的に増える。2. log⁡Wn=∑k=1nlog⁡Rk\log W_n=\sum_{k=1}^n\log R_k であり、各項は独立同分布の有界な確率変数である。定理 12.5(または定理 12.6)から

1nlog⁡Wn→E[log⁡R1]=12(log⁡1.5+log⁡0.6)=12log⁡0.9≈−0.05268a.s.\frac1n\log W_n\to E[\log R_1]=\frac12(\log1.5+\log0.6)=\frac12\log0.9\approx-0.05268\quad\text{a.s.}

である。極限が負なので、ほとんどすべての標本点で、十分大きな番号について次が成り立つ。

1nlog⁡Wn<14log⁡0.9\frac1n\log W_n<\frac14\log0.9

よって Wn<0.9n/4→0W_n<0.9^{n/4}\to0 を得る。期待値が増えるのは、「ほぼ全部勝つ」見本路が巨大な値をとり、平均を押し上げるためである。この見本路は確率 2−n2^{-n} でしか起きない。1本の見本路の振る舞いは、E[log⁡R]E[\log R] の符号で決まる。3. 同じ議論で、次が確率 1 で成り立つ。

1nlog⁡Wn→g(f)=12(log⁡(1+0.5f)+log⁡(1−0.4f))\frac1n\log W_n\to g(f)=\frac12\bigl(\log(1+0.5f)+\log(1-0.4f)\bigr)

関数 gg は [0,1][0,1] で狭義凹で、

g′(f)=12(0.51+0.5f−0.41−0.4f)=0  ⟺  0.5(1−0.4f)=0.4(1+0.5f)  ⟺  f=14g'(f)=\frac12\Bigl(\frac{0.5}{1+0.5f}-\frac{0.4}{1-0.4f}\Bigr)=0\iff0.5(1-0.4f)=0.4(1+0.5f)\iff f=\frac14

である。最大値は次のとおりである。

g(14)=12(log⁡1.125+log⁡0.9)=12log⁡1.0125≈0.006211g\Bigl(\frac14\Bigr)=\frac12(\log1.125+\log0.9)=\frac12\log1.0125\approx0.006211

資産は1回あたり、およそ 1.0062 倍(e0.006211\mathrm{e}^{0.006211} 倍)の割合で増える。期待値を最大にする全額(f=1f=1)は、見本路では資産を失う選び方になる。成長率を最大にする割合は内側にある。この割合の決め方を Kelly 基準と呼ぶ。

確認テスト

オリジナル

  1. 12.2-1 U1,U2,…U_1,U_2,\dots を独立な U(0,1)\mathrm U(0,1) とする。次の量のほとんど確実な極限を求めよ。

1n∑k=1nUk2\frac1n\sum_{k=1}^nU_k^2 2. 12.2-2 12.2-1 の列について、相乗平均 (U1U2⋯Un)1/n(U_1U_2\cdots U_n)^{1/n} のほとんど確実な極限を求めよ。定理 12.5 の仮定が満たされることも確かめよ(E[(log⁡U1)4]E[(\log U_1)^4] を計算する)。3. 12.2-3 Y1,…,YnY_1,\dots,Y_n を独立同分布とし、次を仮定する。

E[Y1]=0,E[Y12]=σ2,E[Y14]=m4<∞E[Y_1]=0,\qquad E[Y_1^2]=\sigma^2,\qquad E[Y_1^4]=m_4<\infty

次を示せ。また各項が ±1\pm1 を確率 12\frac12 ずつとるときの値を求めよ。

E[(Y1+⋯+Yn)4]=nm4+3n(n−1)σ4E[(Y_1+\cdots+Y_n)^4]=nm_4+3n(n-1)\sigma^4 4. 12.2-4 X1,X2,…X_1,X_2,\dots が非負の独立同分布で、E[X1]=∞E[X_1]=\infty とする。標本平均が確率 1 で無限大に発散することを示せ(min⁡(Xk,M)\min(X_k,M) に強法則を使う)。

木下の勉強ステータス

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