tecktom.com

Poisson 過程の性質

2026年10月15日18分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第14章 確率過程とマルコフ連鎖
目次
  1. 到着時刻と到着間隔
  2. 到着時刻の条件つき一様性
  3. 間引きと重ね合わせ
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

確率論入門 第14章 §14.3 ★★★ 到着の間隔は独立な指数分布、到着の時刻は条件つきで一様、間引きと重ね合わせで Poisson 過程は Poisson 過程に移る

到着時刻と到着間隔

強度 λ\lambda の Poisson 過程 NN について、各回の跳びの時刻を

Sn=inf⁡{t≥0:Nt≥n}(n=1,2,… ),S0=0S_n=\inf\{t\ge0:N_t\ge n\}\qquad(n=1,2,\dots),\qquad S_0=0

と書き、到着時刻と呼ぶ。その間隔 τn=Sn−Sn−1\tau_n=S_n-S_{n-1} を到着間隔と呼ぶ。(P1) から見本路は高さ 1 ずつ跳ぶ右連続な階段関数なので、

{Sn≤t}={Nt≥n}(14.8)\{S_n\le t\}=\{N_t\ge n\}\tag{14.8}

が成り立つ。左辺は「nn 回目の到着がその時刻以前」、右辺は「その時刻までに nn 回以上到着した」という事象で、両者は同じである。

図

図 14.2 Poisson 過程の見本路。高さ 1 の跳びを時刻 S1<S2<⋯S_1<S_2<\cdots で行う右連続な階段関数で(黒丸が跳んだ後の値)、跳びの間隔が τ1,τ2,…\tau_1,\tau_2,\dots である。

定理 14.16(到着間隔は独立な指数分布 ★★★)

強度 λ\lambda の Poisson 過程の到着間隔 τ1,τ2,…\tau_1,\tau_2,\dots は独立で、どれも同じ指数分布に従う。

τk∼Ex(λ)\tau_k\sim\mathrm{Ex}(\lambda)とくに Sn∼Ga(n,λ)S_n\sim\mathrm{Ga}(n,\lambda) である。

証明

nn を固定し、(S1,…,Sn)(S_1,\dots,S_n) の同時密度を求める。時刻 0<t1<t2<⋯<tn0<t_1<t_2<\cdots<t_n と、小さな幅 hk>0h_k>0 をとる。区間を Ik=(tk,tk+hk]I_k=(t_k,t_k+h_k] と置き、これらが互いに重ならないようにする(tk+hk<tk+1t_k+h_k<t_{k+1})。事象 E={S1∈I1,…,Sn∈In}E=\{S_1\in I_1,\dots,S_n\in I_n\} は、次の条件が全部成り立つ事象に等しい。

  1. (a) I1,…,In−1I_1,\dots,I_{n-1} にちょうど1回ずつ到着がある。
  2. (b) 次の区間には到着が無い。

(0,t1],(tk+hk,tk+1](k=1,…,n−1)(0,t_1],\qquad(t_k+h_k,t_{k+1}]\quad(k=1,\dots,n-1) 3. (c) InI_n に1回以上の到着がある。

実際、(a)(b)(c) が成り立つとする。最後の区間より前の到着はちょうど n−1n-1 回である。各回の到着は、それぞれ対応する区間 IkI_k にある。逆に EE が起きれば、到着時刻の並びから (a)(b)(c) が出る。

これらの区間は互いに重ならないので、(P2)(P3) から確率は各区間の Poisson 確率の積になる。

P(E)=e−λt1∏k=1n−1(λhke−λhk⋅e−λ(tk+1−tk−hk))⋅(1−e−λhn)=λn−1h1⋯hn−1 e−λtn(1−e−λhn).\begin{aligned}P(E)&=\mathrm{e}^{-\lambda t_1}\prod_{k=1}^{n-1}\Bigl(\lambda h_k\mathrm{e}^{-\lambda h_k}\cdot\mathrm{e}^{-\lambda(t_{k+1}-t_k-h_k)}\Bigr)\cdot\bigl(1-\mathrm{e}^{-\lambda h_n}\bigr)\\ &=\lambda^{n-1}h_1\cdots h_{n-1}\,\mathrm{e}^{-\lambda t_n}\bigl(1-\mathrm{e}^{-\lambda h_n}\bigr).\end{aligned}

2行目では、指数の肩の時間の長さを合計すると tnt_n になることを使った。両辺を h1⋯hnh_1\cdots h_n で割り、すべての幅を 0 に近づける。(1−e−λhn)/hn→λ(1-\mathrm{e}^{-\lambda h_n})/h_n\to\lambda なので、

f(S1,…,Sn)(t1,…,tn)=λne−λtn(0<t1<⋯<tn)(14.9)f_{(S_1,\dots,S_n)}(t_1,\dots,t_n)=\lambda^n\mathrm{e}^{-\lambda t_n}\qquad(0<t_1<\cdots<t_n)\tag{14.9}

を得る(それ以外の点では 0)。この関数が実際に同時密度であることは、第2章 §2.3 の一意性で確かめられる。直方体の確率がその積分に一致し、直方体の全体が B(Rn)\mathcal B(\mathbb{R}^n) を生成する π系だからである。

次に τk=Sk−Sk−1\tau_k=S_k-S_{k-1} への変数変換を行う。

(t1,…,tn)↦(u1,…,un)=(t1,t2−t1,…,tn−tn−1)(t_1,\dots,t_n)\mapsto(u_1,\dots,u_n)=(t_1,t_2-t_1,\dots,t_n-t_{n-1})

は1次変換で、行列は対角成分が 1 の下三角である。したがってヤコビアンは 1 である。最後の時刻は tn=u1+⋯+unt_n=u_1+\cdots+u_n と書ける。条件 0<t1<⋯<tn0<t_1<\cdots<t_n は、すべての uku_k が正であることになる。第7章 §7.2 の多変数の変数変換から

f(τ1,…,τn)(u1,…,un)=λne−λ(u1+⋯+un)=∏k=1nλe−λuk(uk>0)f_{(\tau_1,\dots,\tau_n)}(u_1,\dots,u_n)=\lambda^n\mathrm{e}^{-\lambda(u_1+\cdots+u_n)}=\prod_{k=1}^n\lambda\mathrm{e}^{-\lambda u_k}\qquad(u_k>0)

となる。密度が積に分かれるので、第4章 §4.3 により τ1,…,τn\tau_1,\dots,\tau_n は独立で、各々 Ex(λ)\mathrm{Ex}(\lambda) に従う。nn は任意だから列全体が独立である。Sn=τ1+⋯+τnS_n=\tau_1+\cdots+\tau_n は独立な指数分布の和なので、第7章 §7.3 から Ga(n,λ)\mathrm{Ga}(n,\lambda) に従う。

(14.8) と組み合わせると、Erlang 分布の分布関数と Poisson 分布の裾が一致するという恒等式が出る。

P(Sn≤t)=∫0tλnsn−1e−λs(n−1)! ds=P(Nt≥n)=1−∑k=0n−1e−λt(λt)kk!.(14.10)P(S_n\le t)=\int_0^t\frac{\lambda^ns^{n-1}\mathrm{e}^{-\lambda s}}{(n-1)!}\,\mathrm{d} s=P(N_t\ge n)=1-\sum_{k=0}^{n-1}\mathrm{e}^{-\lambda t}\frac{(\lambda t)^k}{k!}.\tag{14.10}

直接確かめるには、右端の式を tt で微分する。kk 番目の項の微分は次の差の形になる。

λe−λt{(λt)kk!−(λt)k−1(k−1)!}\lambda\mathrm{e}^{-\lambda t}\Bigl\{\frac{(\lambda t)^k}{k!}-\frac{(\lambda t)^{k-1}}{(k-1)!}\Bigr\}

和をとると隣り合う項が打ち消し合い、残るのは次の式である。

λe−λt(λt)n−1(n−1)!\lambda\mathrm{e}^{-\lambda t}\frac{(\lambda t)^{n-1}}{(n-1)!}

これは Ga(n,λ)\mathrm{Ga}(n,\lambda) の密度である。t=0t=0 で両辺とも 0 なので、(14.10) が成り立つ。

定理 14.16 の逆も成り立つ。独立な Ex(λ)\mathrm{Ex}(\lambda) の列 τ1,τ2,…\tau_1,\tau_2,\dots から、次のように置く。

Sn=τ1+⋯+τn,Nt=#{n≥1:Sn≤t}S_n=\tau_1+\cdots+\tau_n,\qquad N_t=\#\{n\ge1:S_n\le t\}

このとき NN は強度 λ\lambda の Poisson 過程になる(主張と筋)。

  • Nt∼Po(λt)N_t\sim\mathrm{Po}(\lambda t) は、(14.10) を逆に読めば出る。
  • 独立増分は、指数分布の無記憶性(第6章 §6.2)から出る。時刻 ss に、直前の到着から測った残り時間は再び Ex(λ)\mathrm{Ex}(\lambda) に従い、過去と独立になる。

この構成は、Poisson 過程の存在の証明であり、計算機で Poisson 過程を作る方法でもある。

到着時刻の条件つき一様性

定理 14.17(到着時刻は条件つきで一様な点の並べ替え ★★)

t>0t>0 と n≥1n\ge1 を固定する。条件 Nt=nN_t=n のもとで、(S1,…,Sn)(S_1,\dots,S_n) の条件つき密度は

n!tn(0<s1<⋯<sn<t)\frac{n!}{t^n}\qquad(0<s_1<\cdots<s_n<t)

である。これは、U(0,t)\mathrm U(0,t) に従う独立な nn 個の点を小さい順に並べたもの(順序統計量)の密度に等しい。

証明

条件の事象は次のように書ける。

{Nt=n}={Sn≤t<Sn+1}={Sn≤t, τn+1>t−Sn}\{N_t=n\}=\{S_n\le t<S_{n+1}\}=\{S_n\le t,\ \tau_{n+1}>t-S_n\}

集合 {0<s1<⋯<sn<t}\{0<s_1<\cdots<s_n<t\} に含まれる Borel 集合 BB をとる。(S1,…,Sn)(S_1,\dots,S_n) と τn+1\tau_{n+1} は独立なので(定理 14.16)

P((S1,…,Sn)∈B, Nt=n)=∫Bλne−λsn P(τn+1>t−sn) ds=∫Bλne−λsne−λ(t−sn) ds=λne−λt Leb(B).\begin{aligned}P\bigl((S_1,\dots,S_n)\in B,\ N_t=n\bigr)&=\int_B\lambda^n\mathrm{e}^{-\lambda s_n}\,P(\tau_{n+1}>t-s_n)\,\mathrm{d} s\\ &=\int_B\lambda^n\mathrm{e}^{-\lambda s_n}\mathrm{e}^{-\lambda(t-s_n)}\,\mathrm{d} s=\lambda^n\mathrm{e}^{-\lambda t}\,\mathrm{Leb}(B).\end{aligned}

これを P(Nt=n)=e−λt(λt)n/n!P(N_t=n)=\mathrm{e}^{-\lambda t}(\lambda t)^n/n! で割ると、条件つき確率は Leb(B) n!/tn\mathrm{Leb}(B)\,n!/t^n になる。

一方、独立な U1,…,Un∼U(0,t)U_1,\dots,U_n\sim\mathrm U(0,t) を小さい順に並べたものを考える。それが BB に入る確率は、並び順の1つあたり Leb(B)/tn\mathrm{Leb}(B)/t^n である。並び順は n!n! 通りある。

同じ値をとる2点が現れる確率は 0 なので、並び順ごとの事象は確率 0 の部分を除いて互いに排反である。合計は n! Leb(B)/tnn!\,\mathrm{Leb}(B)/t^n になり、2つは一致する。

強度 λ\lambda が答えに残らないことに注意する。回数が分かってしまえば、到着がいつ起きたかについて強度は何の情報も持たない。

この定理から、条件 Nt=nN_t=n のもとで、それより前の時刻までの到着数 NsN_s の分布が分かる。それは nn 個の一様な点のうち (0,s](0,s] に落ちた個数である。したがって Bin(n,s/t)\mathrm{Bin}(n,s/t) に従う(確認テスト 14.3-4)。

間引きと重ね合わせ

Poisson 過程の到着の一つ一つに、独立に種類の印をつける。

定理 14.18(間引き ★★★)

NN を強度 λ\lambda の Poisson 過程とする。η1,η2,…\eta_1,\eta_2,\dots を、NN と独立な独立同分布の列とする。0<p<10<p<1 について次を満たすとする。

P(ηk=1)=p,P(ηk=0)=1−pP(\eta_k=1)=p,\qquad P(\eta_k=0)=1-p

kk 回目の到着は、印が ηk=1\eta_k=1 なら種類 1、そうでなければ種類 2 とする。時刻 tt までの種類ごとの到着数を

Nt(1)=∑k=1Ntηk,Nt(2)=Nt−Nt(1)N^{(1)}_t=\sum_{k=1}^{N_t}\eta_k,\qquad N^{(2)}_t=N_t-N^{(1)}_t

と置く。N(1)N^{(1)} と N(2)N^{(2)} は互いに独立な Poisson 過程である。強度はそれぞれ λp\lambda p と λ(1−p)\lambda(1-p) である。

証明

(P1) は、2つの過程が NN の跳びの一部だけを拾った階段関数であることから成り立つ。時刻 0=t0<t1<⋯<tm0=t_0<t_1<\cdots<t_m をとる。区間 (tl−1,tl](t_{l-1},t_l] の種類ごとの増分を次のように書く。

Al=Ntl(1)−Ntl−1(1),Cl=Ntl(2)−Ntl−1(2)A_l=N^{(1)}_{t_l}-N^{(1)}_{t_{l-1}},\qquad C_l=N^{(2)}_{t_l}-N^{(2)}_{t_{l-1}}

非負整数 al,cla_l,c_l について、nl=al+cln_l=a_l+c_l と置いて

P(Al=al, Cl=cl (l=1,…,m))=∏l=1me−λphl(λphl)alal!⋅e−λ(1−p)hl(λ(1−p)hl)clcl!(hl=tl−tl−1)P\bigl(A_l=a_l,\ C_l=c_l\ (l=1,\dots,m)\bigr)=\prod_{l=1}^m\mathrm{e}^{-\lambda p h_l}\frac{(\lambda ph_l)^{a_l}}{a_l!}\cdot\mathrm{e}^{-\lambda(1-p)h_l}\frac{(\lambda(1-p)h_l)^{c_l}}{c_l!}\qquad(h_l=t_l-t_{l-1})

を示せばよい。右辺が積に分かれていることから、2m2m 個の増分がすべて独立で、それぞれが主張の Poisson 分布に従うことが出る。

左辺の事象は、次の2つが各区間 l=1,…,ml=1,\dots,m で成り立つ事象と書ける。

  • 各区間での NN の増分が nln_l に等しい。
  • 区間 ll に入る到着の印のうち、1 がちょうど ala_l 個ある。

区間 ll に入る到着の番号は、次の範囲に決まる。

n1+⋯+nl−1+1, …, n1+⋯+nln_1+\cdots+n_{l-1}+1,\ \dots,\ n_1+\cdots+n_l

したがって印の条件は、重ならない番号の組の印についての条件である。印の列は NN と独立である。したがって

左辺=∏l=1m(e−λhl(λhl)nlnl!⋅(nlal)pal(1−p)cl).\text{左辺}=\prod_{l=1}^m\Bigl(\mathrm{e}^{-\lambda h_l}\frac{(\lambda h_l)^{n_l}}{n_l!}\cdot\binom{n_l}{a_l}p^{a_l}(1-p)^{c_l}\Bigr).

次の3つを代入すると右辺に一致する。

(nlal)nl!=1al! cl!,(λhl)nl=(λhl)al(λhl)cl,e−λhl=e−λphle−λ(1−p)hl\frac{\binom{n_l}{a_l}}{n_l!}=\frac1{a_l!\,c_l!},\qquad(\lambda h_l)^{n_l}=(\lambda h_l)^{a_l}(\lambda h_l)^{c_l},\qquad\mathrm{e}^{-\lambda h_l}=\mathrm{e}^{-\lambda ph_l}\mathrm{e}^{-\lambda(1-p)h_l}

m=1m=1 の場合は、第7章 §7.4 の「Poisson 個の Bernoulli 試行の成功数と失敗数は独立な Poisson 分布に従う」そのものである。

定理 14.19(重ね合わせ ★★★)

N(1),N(2)N^{(1)},N^{(2)} を独立な Poisson 過程とし、強度を λ1,λ2\lambda_1,\lambda_2 とする。

  1. (i) Nt=Nt(1)+Nt(2)N_t=N^{(1)}_t+N^{(2)}_t は強度 λ1+λ2\lambda_1+\lambda_2 の Poisson 過程である。ただし2つの過程が同時に跳ぶ確率は 0 とする(次の注意を参照)。
  2. (ii) NN の各到着がどちらの過程から来たかの印は、到着の時刻と独立な独立同分布の列である。種類 1 である確率は λ1/(λ1+λ2)\lambda_1/(\lambda_1+\lambda_2) である。
証明

NN の増分は次のように書ける。

Nt−Ns=(Nt(1)−Ns(1))+(Nt(2)−Ns(2))N_t-N_s=(N^{(1)}_t-N^{(1)}_s)+(N^{(2)}_t-N^{(2)}_s)

右辺は独立な Po(λ1(t−s))\mathrm{Po}(\lambda_1(t-s)) と Po(λ2(t−s))\mathrm{Po}(\lambda_2(t-s)) の和である。第7章 §7.3 の再生性から、Po((λ1+λ2)(t−s))\mathrm{Po}((\lambda_1+\lambda_2)(t-s)) に従う。重ならない区間の増分は、2つの独立な独立増分過程の増分の組なので独立である(第4章 §4.2 のまとめ方の補題)。これで (P2)(P3) が成り立つ。

印についての主張は、間引きの定理 14.18 を逆向きに使って示す。強度 λ1+λ2\lambda_1+\lambda_2 の Poisson 過程 N~\tilde N を、次の確率の印で間引く。

p=λ1λ1+λ2p=\frac{\lambda_1}{\lambda_1+\lambda_2}すると独立な Poisson 過程の組 (N~(1),N~(2))(\tilde N^{(1)},\tilde N^{(2)}) が得られ、強度は λ1,λ2\lambda_1,\lambda_2 である。

有限次元分布が一致するので、組 (N~(1),N~(2))(\tilde N^{(1)},\tilde N^{(2)}) と組 (N(1),N(2))(N^{(1)},N^{(2)}) は同じ法則を持つ。到着時刻の列と印の列は、どちらの組からも同じ規則で読み取れる量なので、同じ同時分布を持つ。間引いて作った側では、印は作り方から到着時刻と独立な独立同分布で、種類 1 の確率は pp である。

同時に跳ぶ確率

  • 同時には跳ばない。独立な Poisson 過程 N(1),N(2)N^{(1)},N^{(2)} の跳びの時刻は、それぞれ密度を持つ。一方の kk 番目と他方の ll 番目の到着時刻は独立で密度を持つので、一致する確率は 0 である。可算個の組 (k,l)(k,l) について合併しても確率 0 である。
  • 最初の到着の種類。とくに最初の到着が種類 1 である確率は λ1/(λ1+λ2)\lambda_1/(\lambda_1+\lambda_2) である。これは第4章の例題で求めた「独立な指数分布の最小値がどちらか」の確率 P(X<Y)=λ/(λ+μ)P(X<Y)=\lambda/(\lambda+\mu) と同じものである。

例題 14.3 問い合わせ窓口の着信 ★★

オリジナルある窓口への着信は強度 6(1時間あたり)の Poisson 過程に従い、各着信は他と独立に確率 13\frac13 で急ぎの用件、確率 23\frac23 でそれ以外である。

  1. 30分のあいだに急ぎの着信が1件も無い確率を求めよ。
  2. 30分のあいだに急ぎの着信がちょうど2件、それ以外の着信がちょうど3件である確率を求めよ。
  3. 最初の急ぎの着信までの時間の平均を求めよ。
  4. 最初の1時間に着信が4件あったと分かったとき、そのうち急ぎがちょうど1件である条件つき確率を求めよ。
解答

定理 14.18 から、急ぎの着信 N(1)N^{(1)} とそれ以外の着信 N(2)N^{(2)} は独立な Poisson 過程である。強度は 6⋅13=26\cdot\frac13=2 と 6⋅23=46\cdot\frac23=4 である。時間の単位は1時間で、30分は t=12t=\frac12 である。

(1) N1/2(1)∼Po(2⋅12)=Po(1)N^{(1)}_{1/2}\sim\mathrm{Po}(2\cdot\frac12)=\mathrm{Po}(1) なので、求める確率は e−1≈0.368\mathrm{e}^{-1}\approx0.368 である。

(2) 30分の着信数は次のとおりで、互いに独立である。

N1/2(1)∼Po(1),N1/2(2)∼Po(2)N^{(1)}_{1/2}\sim\mathrm{Po}(1),\qquad N^{(2)}_{1/2}\sim\mathrm{Po}(2)

したがって

P(N1/2(1)=2, N1/2(2)=3)=e−1122!⋅e−2233!=12⋅43 e−3=23e−3≈0.0332.P\bigl(N^{(1)}_{1/2}=2,\ N^{(2)}_{1/2}=3\bigr)=\mathrm{e}^{-1}\frac{1^2}{2!}\cdot\mathrm{e}^{-2}\frac{2^3}{3!}=\frac12\cdot\frac43\,\mathrm{e}^{-3}=\frac23\mathrm{e}^{-3}\approx0.0332.

(3) 定理 14.16 を N(1)N^{(1)} に使うと、最初の急ぎの着信の時刻は Ex(2)\mathrm{Ex}(2) に従う。平均は 12\frac12 時間(30分)である。

(4) 全体の着信が4件という条件のもとで、4件の印は着信の時刻と独立な Bernoulli 列である(定理 14.18 の証明の左辺の式で m=1m=1 とした形)。したがって急ぎの件数は Bin(4,13)\mathrm{Bin}(4,\frac13) に従う。

P(N1(1)=1∣N1=4)=(41)13(23)3=3281≈0.395.P\bigl(N^{(1)}_1=1\bigm| N_1=4\bigr)=\binom41\frac13\Bigl(\frac23\Bigr)^3=\frac{32}{81}\approx0.395.

条件をつけると強度 6 は答えから消える。定理 14.17 の後で注意したのと同じ現象である。

例題 14.4 バス停の待ち時間の合計 ★★

オリジナルバス停に乗客が強度 λ\lambda の Poisson 過程に従って到着し、時刻 tt に来るバスに全員が乗る。時刻 0 にはバス停に誰もいない。乗客全員の待ち時間の合計を次のように置く。

W=∑k=1Nt(t−Sk)W=\sum_{k=1}^{N_t}(t-S_k)

WW の平均を求めよ。強度が1分あたり 2、時刻が 10 分のときの値も求めよ。

解答

条件 Nt=nN_t=n のもとで、定理 14.17 から次が分かる。(S1,…,Sn)(S_1,\dots,S_n) は、独立な一様分布の点 U1,…,UnU_1,\dots,U_n を並べ替えたものと同じ分布を持つ。和は並べ替えで変わらないので

E[∑k=1n(t−Sk)∣Nt=n]=E[∑k=1n(t−Uk)]=n(t−t2)=nt2.E\Bigl[\sum_{k=1}^n(t-S_k)\Bigm| N_t=n\Bigr]=E\Bigl[\sum_{k=1}^n(t-U_k)\Bigr]=n\Bigl(t-\frac t2\Bigr)=\frac{nt}2.

全確率の公式で nn について平均する。つまり各回数の条件つき期待値に P(Nt=n)P(N_t=n) を掛けて足すと

E[W]=∑n=0∞nt2P(Nt=n)=t2E[Nt]=λt22.E[W]=\sum_{n=0}^\infty\frac{nt}2P(N_t=n)=\frac t2E[N_t]=\frac{\lambda t^2}2.

強度 2、時刻 10 なら、E[W]=2⋅100/2=100E[W]=2\cdot100/2=100 である(単位は人・分)。乗客は平均 λt=20\lambda t=20 人なので、1人あたりの平均の待ち時間は 5 分である。1人あたりの平均が t/2t/2 になるのは、条件つきで到着時刻が [0,t][0,t] に一様に散らばるからである。

確認テスト

オリジナル

  1. 14.3-1 強度 λ\lambda の Poisson 過程で、0<s<t0<s<t とする。P(S1≤s∣Nt=1)P(S_1\le s\mid N_t=1) を求めよ。
  2. 14.3-2 強度 2 の Poisson 過程の3回目の到着時刻 S3S_3 について、平均・分散と P(S3≤1)P(S_3\le1) を求めよ。
  3. 14.3-3 ある交差点を通る赤い車は強度 1、青い車は強度 2 の独立な Poisson 過程に従う(時間の単位は1分)。最初の2台がどちらも赤である確率と、最初の赤い車の前に青い車が3台以上通る確率を求めよ。
  4. 14.3-4 強度 λ\lambda の Poisson 過程で、0<s<t0<s<t とする。回数 Nt=nN_t=n が分かったもとで、NsN_s が二項分布に従うことを示せ。分布は Bin(n,s/t)\mathrm{Bin}(n,s/t) である。独立増分 (P2)(P3) から直接示すこと。
  5. 14.3-5 強度 λ\lambda の Poisson 過程について、h→0h\to0 で次が成り立つことを示せ。

P(Nh=1)=λh+o(h),P(Nh≥2)=o(h)P(N_h=1)=\lambda h+o(h),\qquad P(N_h\ge2)=o(h)

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ