統計熱力学入門 第4章 §4.2 ★★★ Pi∝e−βEi・Z・F=−kBTlnZ。計算の基本形。
現実の系は完全に孤立しているより、大きな熱浴と接触して温度 T を共有していることが多い。注目系 S と熱浴 R が弱く相互作用し、全体(S+R)が孤立系としてエネルギー Etotを保つとする。S が特定の微視状態 i(エネルギー Ei)にあるとき、全体の状態数は熱浴の状態数WR(Etot−Ei) に等しい。等重率より、S が状態 i をとる確率はこれに比例する:
Pi∝WR(Etot−Ei)=exp[kB1SR(Etot−Ei)].
Ei は熱浴のエネルギーに比べて微小なので、SR を Ei について Taylor 展開し∂SR/∂E=1/T を用いると、SR(Etot−Ei)≃SR(Etot)−Ei/Tとなり、定数因子を除いて
Pi=Z1e−βEi,Z=i∑e−βEi,β≡kBT1
を得る。指数因子 e−βEi を Boltzmann 因子、規格化定数 Z を分配関数と呼ぶ。Z さえ分かればすべての熱力学量が計算でき、平均エネルギーと自由エネルギーは
⟨E⟩=i∑EiPi=−∂β∂lnZ,F=−kBTlnZ,S=−∂T∂F,p=−∂V∂F
で結ばれる。カノニカル分布はエネルギーが揺らぐ代わりに温度が固定された記述であり、計算上ミクロカノニカルより格段に扱いやすい。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com