統計熱力学入門 第7章 §7.1 ★★★ εF=2mℏ2(3π2N/V)2/3、D(εF)=3N/2εF。以降の全計算の基礎。
体積 V の立方体中の、スピン 1/2 の自由粒子 N 個からなる理想 Fermi 気体を考える。スピンの内部自由度により g=2、すなわち状態密度は
D(ε)=π2ℏ32m3/2Vε1/2(7.1)
である。前章とは逆に、ここでは絶対零度近傍という強く縮退した領域を扱う。z→∞(μ>0)で、多重対数展開は使えず、Fermi 面の存在に基づく別の近似(Sommerfeld 展開)が主役になる。
絶対零度では、分布関数は階段関数 fF(ε)→θ(μ−ε) となり、エネルギーの低い準位から順に μ=εF まで詰まる。この最高被占準位のエネルギーが Fermiエネルギー εF である。粒子数条件は
N=∫0εFD(ε)dε=π2ℏ32m3/2V⋅32εF3/2=3π2ℏ322m3/2VεF3/2.
これを εF について解くと、
★★★ 結果:Fermi エネルギー
εF=2mℏ2(3π2VN)2/3
εF は密度 N/V のみで決まり、温度を含まない純粋に量子的(Pauli 排他律的)な量である。以降で頻用する関係として、∫0εFDdε=32εFD(εF)=N から
D(εF)=2εF3N(7.4)
が成り立つ。これは「Fermi 面での状態密度が全粒子数と εF で書ける」という便利な等式である。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com