状態ベクトルと重ね合わせ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学入門 第1部 第1章 §1.1.1 ★★ 重ね合わせと確率振幅。
量子力学は、いくつかの公理(要請)の上に建っている。日々の計算では公理を意識しないが、「遷移確率」「測定でスピンが反転する確率」のような量子力学の中心概念は、すべて公理の中の測定の規則から来ている。ここで一度、全体を整理しておく。
公理1(状態):孤立した量子系の状態は、複素 Hilbert 空間の規格化されたベクトル ()で表される。全体の位相 は同じ状態を表す。
ここでHilbert 空間とは、一言でいえば「内積の定義された複素ベクトル空間(+無限次元でも極限操作が破綻しないための完備性という技術的条件)」である。三つの要素にはそれぞれ物理が対応する。複素ベクトル空間であることが重ね合わせの原理を支える(足せる・複素数倍できる。係数が複素であることは本質で、実係数では作れない状態——後出の 方向スピン など——が実在し、相対位相が干渉やRabi振動を駆動する)。内積 は確率振幅(Born 則)・規格化(全確率1)・直交(=測定で完全に区別できる)を与える。完備性は「収束するはずの級数 の行き先が空間の外に落ちない」ことの保証で、有限次元では自動的に満たされる保険である。具体例:スピン なら (2成分複素ベクトル)、調和振動子なら の張る可算無限次元空間、波動関数なら2乗可積分な関数の空間 —— は「連続無限個の成分 をもつベクトル」であり、内積の が に置き換わっただけである。系が何であれ(スピンでも振動子でも場でも)公理は同じ構造の上で書ける——それがこの入れ物に名前を付けて構える価値である。
Hilbert 空間はベクトル空間だから、二つの状態 があれば、その線形結合
もまた許される状態である——これが重ね合わせの原理で、量子力学のすべての「奇妙さ」と「豊かさ」の源泉である。干渉・Rabi 振動・もつれ(§1.7)は全部ここから出る。正規直交基底 は
を満たす。完全性は恒等演算子の分解と呼ばれ、「式の途中に をいつでも挿し込める」形()でこの部全体を通じて多用する。展開係数 は次項で見るように確率振幅という物理的な意味を持つ。
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