tecktom.com

なぜ調和振動子が主役なのか

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第4章 調和振動子を一から解く
目次
  1. 固有値が正であることと、中心のずれた振動子
  2. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第1部 第4章 §1.4.1 ★ 普遍性の動機づけ。

調和振動子 H^=p^22M+Mω22x^2\hat H=\dfrac{\hat p^2}{2M}+\dfrac{M\omega^2}{2}\hat x^2 が量子力学で圧倒的に重要な理由は二つある。第一に、あらゆる安定平衡はその近傍で調和振動子に見える:ポテンシャル V(x)V(x) の極小点 x0x_0 まわりの Taylor 展開 V(x)≃V(x0)+12V′′(x0)(x−x0)2V(x)\simeq V(x_0)+\tfrac12V''(x_0)(x-x_0)^2 の2次項がまさに調和ポテンシャルである(分子の振動、固体の格子振動はこれ)。第二に、電磁場をはじめとする「場」の各モードが厳密に調和振動子であり、その量子 nn が光子数になる。第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の強制振動子の遷移確率が「光子統計」と同じ Poisson 分布になるのは偶然ではない。

解く前に長さの目安を作っておく。ℏ,M,ω\hbar,M,\omega から作れる唯一の長さは

x0≡ℏMωx_0\equiv\sqrt{\frac{\hbar}{M\omega}}

で、これが波動関数の広がりのスケールになる(後で確かめる)。

固有値が正であることと、中心のずれた振動子

解く前に、固有値の符号と、ポテンシャルの中心をずらしたときの扱いを確かめておく。どちらも位置表示の式だけで分かる。

  1. 運動エネルギーの項のマイナスは i2\mathrm{i}^2 に由来する。p^2=(−iℏ)2d2/dx2\hat p^2=(-\mathrm{i}\hbar)^2\mathrm{d}^2/\mathrm{d} x^2 の中の因子 i2=−1\mathrm{i}^2=-1 が、ハミルトニアンの2階微分の項のマイナスになる。期待値を部分積分(境界で ψ→0\psi\to0)で書き直すと、負にならない量になる。

⟨p^22M⟩=−ℏ22M∫ψ∗ψ′′ dx=ℏ22M∫∣ψ′∣2 dx ≥0.\Bigl\langle\frac{\hat p^2}{2M}\Bigr\rangle=-\frac{\hbar^2}{2M}\int\psi^*\psi''\,\mathrm{d} x=\frac{\hbar^2}{2M}\int|\psi'|^2\,\mathrm{d} x\ \ge0 . 2. 固有値は正。ポテンシャルの期待値 Mω22∫x2∣ψ∣2dx\frac{M\omega^2}{2}\int x^2|\psi|^2\mathrm{d} x も負にならないので、規格化された固有関数では E≥0E\ge0 である。固有値が0になるには ψ′=0\psi'=0 と xψ=0x\psi=0 が同時に要り、そのような関数は恒等的に0で規格化できない。したがって E>0E>0 で、最低の固有値は正の零点エネルギーになる。3. 中心のずれた振動子は変数変換で標準形になる。V=12Mω2(x−xc)2V=\frac12M\omega^2(x-x_{\mathrm c})^2 では ξ=x−xc\xi=x-x_{\mathrm c} と置く。d/dx=d/dξ\mathrm{d}/\mathrm{d} x=\mathrm{d}/\mathrm{d}\xi なので運動エネルギーの項は形を変えず、ξ\xi について標準形になる。固有値は xcx_{\mathrm c} によらず、固有関数は平行移動した ψn(x−xc)\psi_n(x-x_{\mathrm c}) である。4. 平方完成で定数を固有値の側へ移す。xx の1次の項を含むポテンシャルは、平方完成で 3. の形にする。

12Mω2x2−Fx=12Mω2(x−xc)2−F22Mω2,xc=FMω2.\frac12M\omega^2x^2-Fx=\frac12M\omega^2(x-x_{\mathrm c})^2-\frac{F^2}{2M\omega^2},\qquad x_{\mathrm c}=\frac{F}{M\omega^2}.

xx によらない定数 −F2/(2Mω2)-F^2/(2M\omega^2) は、Schrödinger 方程式の右辺の固有値の側へ移す。xx の項と組んで完全平方を作る定数 xcx_{\mathrm c} は、左辺の2乗の中に残す。

一様な力(電場中の電荷など)がかかった振動子や、第5部『電磁場中の荷電粒子とゲージ』の Landau ゲージの振動子は、この手順で標準形に直る。

例題 4.1

オリジナル★ 一様な力のかかった振動子を標準形に直す。ハミルトニアン H^=p^22M+Mω22x^2−Fx^\hat H=\dfrac{\hat p^2}{2M}+\dfrac{M\omega^2}{2}\hat x^2-F\hat x(FF は定数)を考える。

  • (1) 固有値 EnE_n と、基底状態での ⟨x^⟩\langle \hat x \rangle を求めよ。
  • (2) 基底状態の運動エネルギーの期待値を、部分積分の形 ℏ22M∫∣ψ′∣2dx\frac{\hbar^2}{2M}\int|\psi'|^2\mathrm{d} x で計算せよ。
解答

(1) 平方完成すると、ポテンシャルは中心 xc=F/(Mω2)x_{\mathrm c}=F/(M\omega^2) の振動子と定数の和になる。ξ=x−xc\xi=x-x_{\mathrm c} の変数変換で標準形になり、定数は固有値へ移るので

En=ℏω(n+12)−F22Mω2.E_n=\hbar\omega\Bigl(n+\frac12\Bigr)-\frac{F^2}{2M\omega^2}.

基底状態は中心 xcx_{\mathrm c} の Gauss 関数 ψ0(x−xc)\psi_0(x-x_{\mathrm c}) で、中心について左右対称である。したがって ⟨x^⟩=xc=F/(Mω2)\langle \hat x \rangle =x_{\mathrm c}=F/(M\omega^2) である。古典的なつり合いの位置と同じになる。

(2) 平行移動は微分を変えないので、力のない場合の基底状態 ψ0(ξ)∝e−ξ2/2x02\psi_0(\xi)\propto\mathrm{e}^{-\xi^2/2x_0^2} で計算すればよい(x0x_0 は冒頭の長さ)。ψ0′=−(ξ/x02)ψ0\psi_0'=-(\xi/x_0^2)\psi_0 から

ℏ22M∫∣ψ0′∣2 dξ=ℏ22M⋅⟨ξ2⟩x04=ℏ22M⋅12x02=ℏω4\frac{\hbar^2}{2M}\int|\psi_0'|^2\,\mathrm{d}\xi=\frac{\hbar^2}{2M}\cdot\frac{\langle \xi^2 \rangle }{x_0^4}=\frac{\hbar^2}{2M}\cdot\frac{1}{2x_0^2}=\frac{\hbar\omega}{4}

である(⟨ξ2⟩=x02/2\langle \xi^2 \rangle =x_0^2/2)。零点エネルギー ℏω/2\hbar\omega/2 の半分で、残りの半分はポテンシャルの期待値が持つ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ