量子力学入門 第1部 第6章 §1.6.3 ★★★ 状態=球面上の向き。回転の可視化。
規格化された一般の状態は、global phase の自由度を除けば2つの実パラメータで書ける:
∣ψ⟩=cos2θ∣+⟩+eiϕsin2θ∣−⟩(0≤θ≤π, 0≤ϕ<2π).
この (θ,ϕ) を極角・方位角とする単位ベクトル n=(sinθcosϕ,sinθsinϕ,cosθ) を対応させると、スピン 21 の純粋状態全体が球面(Bloch 球)と1対1に対応する。この対応は単なる絵ではない:直接計算で
(n⋅σ)∣ψ⟩=+∣ψ⟩,⟨σ⟩=⟨ψ∣σ∣ψ⟩=n
が確かめられる。すなわち ∣ψ⟩ は「n 方向スピン上向き」の状態そのもので、スピンの期待値ベクトルが n を向く。θ=0(北極)が ∣+⟩、θ=π(南極)が ∣−⟩、赤道上の ϕ=0 が ∣x+⟩、ϕ=π/2 が ∣y+⟩——先ほど構成した固有状態たちが球面の6方向にきれいに配置される。直交する状態は球面上で反対側(同じ軸の両極)に来ることに注意(ベクトルとして直交ではなく、内積 ⟨北∣南⟩=0)。
一般の実ベクトル b については、(b⋅σ)2=∣b∣21^(Pauli の積公式から一行)より
b⋅σ の固有値は ±∣b∣, 固有状態は ±b 方向の Bloch ベクトル
この一点が第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』で繰り返し効く。磁場中のスピン H^=μBB⋅σ のエネルギーは ±μB∣B∣、固有状態は磁場方向に整列したスピン。磁場が時間変化すれば固有状態(Bloch ベクトル)も追随して回る——磁気共鳴は「回る磁場に Bloch ベクトルがついて行けるか」、断熱定理は「十分ゆっくりなら貼りついて行ける」という物語として読める。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com