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Born 近似

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第11部 第3章 Lippmann–Schwinger 方程式と Born 近似

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第11部 第3章 §11.3.2 ★★★ fB∝V~(q)f_{\rm B}\propto\tilde V(\bm{q})(ポテンシャルの Fourier 変換)、q=2ksin⁡(θ/2)q=2k\sin(\theta/2)。散乱の代表計算。

ポテンシャルが弱い(または入射エネルギーが高い)とき、散乱領域内でも波動関数は入射波からほとんど歪まない:ψ(r′)≃eik⋅r′\psi(\bm{r}')\simeq\mathrm{e}^{\mathrm{i}\bm{k}\cdot\bm{r}'}(k=kez\bm{k}=k\bm{e}_z)。これを (11.3.3) に入れたものが(第1)Born 近似:

 fB(θ)=−m2πℏ2∫d3r e−iq⋅r V(r)=−m2πℏ2 V~(q),q:=k′−k (11.3.4)\boxed{\ f_{\rm B}(\theta)=-\frac{m}{2\pi\hbar^2}\int\mathrm{d}^3r\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\bm{q}\cdot\bm{r}}\,V(\bm{r}) =-\frac{m}{2\pi\hbar^2}\,\tilde V(\bm{q}),\qquad \bm{q}:=\bm{k}'-\bm{k}\ }\tag{11.3.4}

——散乱振幅はポテンシャルの Fourier 変換である。q\bm{q} は散乱で移った運動量(/ℏ/\hbar)=運動量移行で、弾性散乱(∣k′∣=∣k∣=k|\bm{k}'|=|\bm{k}|=k)では

q=∣k′−k∣=2ksin⁡θ2.q=|\bm{k}'-\bm{k}|=2k\sin\frac\theta2.

この式の読み方が散乱物理の勘所である:細かい構造(小さい長さスケール dd)を見るには、大きな q∼1/dq\sim1/d、すなわち高エネルギーか大角度が要る——電子顕微鏡から深非弾性散乱によるクォークの発見まで、「加速器=顕微鏡」の原理がこの1行に入っている。

例題 3.1(★★★ 湯川ポテンシャルと Rutherford 公式)

オリジナル湯川ポテンシャル V(r)=α e−μrrV(r)=\alpha\,\dfrac{\mathrm{e}^{-\mu r}}{r}(到達距離 1/μ1/\mu)の Born 散乱振幅と微分断面積を求め、μ→0\mu\to0(Coulomb)の極限で Rutherford の公式を導け。

解答

球対称なので (11.3.4) の角度積分を先に実行すると V~(q)=4πq∫0∞r V(r)sin⁡(qr) dr\tilde V(q)=\frac{4\pi}{q}\int_0^\infty r\,V(r)\sin(qr)\,\mathrm{d} r。湯川を代入して

V~(q)=4παq∫0∞e−μrsin⁡(qr) dr=4παq2+μ2\tilde V(q)=\frac{4\pi\alpha}{q}\int_0^\infty \mathrm{e}^{-\mu r}\sin(qr)\,\mathrm{d} r=\frac{4\pi\alpha}{q^2+\mu^2}

(この積分は SymPy で確認済み)。よって

fB=−2mαℏ2(q2+μ2),dσdΩ=4m2α2ℏ4(q2+μ2)2.f_{\rm B}=-\frac{2m\alpha}{\hbar^2(q^2+\mu^2)},\qquad \frac{\mathrm{d}\sigma}{\mathrm{d}\Omega}=\frac{4m^2\alpha^2}{\hbar^4(q^2+\mu^2)^2}.

「短距離力ほど(μ\mu 大)、大角度まで滑らかに散る」——Fourier 変換の不確定性そのものである。μ→0\mu\to0 とし、q=2ksin⁡(θ/2)q=2k\sin(\theta/2)、E=ℏ2k2/2mE=\hbar^2k^2/2m を使って書き換えると

 dσdΩ=(α4E)21sin⁡4(θ/2) \boxed{\ \frac{\mathrm{d}\sigma}{\mathrm{d}\Omega}=\Bigl(\frac{\alpha}{4E}\Bigr)^{2}\frac{1}{\sin^4(\theta/2)}\ }

——Rutherford の公式である(代数の整理も SymPy で確認済み。α=Z1Z2e2/4πε0\alpha=Z_1Z_2e^2/4\pi\varepsilon_0)。注目すべき点が3つ。(i) ℏ\hbar が消えており、古典力学の Rutherford の計算と厳密に一致する——Coulomb 散乱は量子・古典・Born がすべて同じ答えを出す奇跡的な例である(Coulomb の長距離性と 1/r1/r の特殊性による偶然で、一般には成り立たない)。(ii) 前方 θ→0\theta\to0 で発散し全断面積は無限大——1/r1/r 力は「どんなに遠くを通る粒子も少しは曲げる」ため、的の面積が定義できない。現実には遮蔽(μ≠0\mu\neq0)が必ず入って有限になる。(iii) この角度分布が金箔実験のデータと合ったことこそ「原子の正電荷は一点に集中している=原子核」の発見(1911)だった。■\blacksquare

Born 近似の適用条件を一言で言えば「散乱中心で波の歪みが小さい」こと。到達距離 aa・深さ V0V_0 のポテンシャルに対する目安は、低エネルギーで m∣V0∣a2ℏ2≪1\frac{m|V_0|a^2}{\hbar^2}\ll1(井戸が浅くて束縛状態を作れない程度)、高エネルギーでは ∣V0∣aℏv≪1\frac{|V_0|a}{\hbar v}\ll1 と緩む——エネルギーを上げるほど Born は良くなる。逆に低エネルギー・強いポテンシャルの散乱は第5章の方法(部分波・散乱長)の出番である。

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