量子力学入門 第11部 第3章 §11.3.1 ★★ G+ で境界条件を内蔵した積分方程式(Lippmann–Schwinger)へ。Born の道具立て。
境界条件 (11.2.1) を最初から組み込んだ形に方程式を書き換える。Schrödinger 方程式を
(∇2+k2)ψ(r)=ℏ22mV(r)ψ(r)
と整理し、右辺を「湧き出し」と見なす。湧き出しが1点 r′ に集中した場合の応答、すなわち
(∇2+k2)G(r−r′)=δ3(r−r′)
の解(Green 関数)が分かれば、一般の湧き出しへの応答は重ね合わせで書ける。外向き波の境界条件に合う解は
G+(R)=−4π1ReikR(R=∣R∣)(11.3.1)
である。確かめは2段階:R=0 で (∇2+k2)eikR/R=0(球対称 Laplacian で直接計算;SymPy 確認済み)、および R→0 で −4πR1 に近づくので ∇2(−4πR1)=δ3(R)(静電気学の Poisson 方程式でおなじみの事実)から δ 関数が正しく出る。e+ikR(外向き)を選んだところに境界条件が入っている(内向き e−ikR を選べば別の解 G−)。
湧き出し ℏ22mVψ への応答に、斉次解(自由平面波=入射波)を足すと
ψ(r)=eikz−2πℏ2m∫d3r′∣r−r′∣eik∣r−r′∣V(r′)ψ(r′) (11.3.2)
——Lippmann–Schwinger 方程式である。微分方程式+境界条件が、境界条件を内蔵した1本の積分方程式にまとまった(ψ が両辺に現れるので「解けた」わけではないが、逐次代入=摂動展開の出発点として理想的な形である)。
遠方 r→∞ での形を読む。V が効くのは r′≲(ポテンシャルの到達距離) の領域だけだから、r≫r′ として
∣r−r′∣≃r−r^⋅r′,∣r−r′∣eik∣r−r′∣≃reikre−ik′⋅r′(k′:=kr^: 散乱方向の波数)
と展開すると、(11.3.2) は自動的に (11.2.1) の形になり、散乱振幅が読み取れる:
f(θ,ϕ)=−2πℏ2m∫d3r′e−ik′⋅r′V(r′)ψ(r′).(11.3.3)
これは厳密だが、右辺に未知の ψ を含む。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com