量子力学入門 第11部 第3章 §11.3.3 ★★★ Fermi の黄金律・時間依存摂動(第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』)との接点。方法 (A) と (B) の橋渡し。
第1章で予告した方法 (B) を実行して、(11.3.4) を別ルートで導く。入射状態を箱規格化の平面波 ∣k⟩、終状態を ∣k′⟩ とし、V を摂動と見て Fermi の黄金律(第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の第1章)を使うと、遷移レートは
wk→k′=ℏ2π⟨k′∣V∣k⟩2δ(Ek′−Ek),⟨k′∣V∣k⟩=L3V~(q).
終状態を立体角 dΩ 内で数え上げる(状態密度 ρ=(2π)3L3k′2dEdk′dΩ=(2π)3ℏ2L3mkdΩ;第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の光電効果の計算と同一の手順)と、dΩ への全レートは
dw=ℏ2πL6∣V~(q)∣2⋅(2π)3ℏ2L3mkdΩ.
これを入射流束 jin=mℏk⋅L31(箱の中に1個)で割れば L が全て消えて
dΩdσ=jindΩdw=(2πℏ2m)2∣V~(q)∣2=∣fB∣2
——Born 近似と黄金律は同じものである(摂動の1次どうしだから当然ではあるが、「定常状態の境界値問題」と「時間発展の遷移レート」という全く違う顔の計算が同じ数を返すのは、理論の整合性の心強い検算である)。
第3章のまとめ
Green 関数 G+=−eikR/4πR で境界条件を内蔵した積分方程式(Lippmann–Schwinger)に書き換え、遠方形から f=−2πℏ2m∫e−ik′⋅rVψ。ψ→ 平面波の近似が Born:fB∝V~(q)(ポテンシャルの Fourier 変換)、q=2ksin(θ/2)。湯川 → Rutherford (α/4E)2sin−4(θ/2)。高エネルギーで良い近似。黄金律ルートと厳密に一致。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com