tecktom.com

散乱長

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第11部 第5章 低エネルギー散乱:散乱長と共鳴
目次
  1. 有効距離展開.
  2. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第11部 第5章 §11.5.1 ★★ δ0≃−kas\delta_0\simeq-ka_s、σ→4πas2\sigma\to4\pi a_s^2。低エネルギーは1つの長さで決まる。

低エネルギー極限(ka≪1ka\ll1)では s 波のみが残る。このとき k→0k\to0 での位相のずれの振る舞いを1つの長さで特徴づけられる:

δ0(k) → k→0  −k as⟺as:=−lim⁡k→0tan⁡δ0k\delta_0(k)\ \xrightarrow[\ k\to0\ ]{}\ -k\,a_s \qquad\Longleftrightarrow\qquad a_s:=-\lim_{k\to0}\frac{\tan\delta_0}{k}

——asa_s を散乱長という。幾何学的な意味は図 4.1 から読める:k→0k\to0 で外部解は u0∝sin⁡(kr+δ0)→k(r−as)u_0\propto\sin(kr+\delta_0)\to k(r-a_s)、つまり散乱長=波動関数(の外挿直線)が軸を切る位置である。断面積は

σ → k→0  4πk2sin⁡2δ0 →  4πas2 (11.5.1)\sigma\ \xrightarrow[\ k\to0\ ]{}\ \frac{4\pi}{k^2}\sin^2\delta_0\ \to\ \boxed{\ 4\pi a_s^2\ }\tag{11.5.1}

——低エネルギーの散乱はどんな複雑なポテンシャルでもたった1つの長さで記述される(普遍性)。冷却原子の物理(BEC の相互作用、Feshbach 共鳴)では asa_s がそのまま理論のパラメータになる。

例題 5.1(★★ 剛体球散乱——古典の4倍)

オリジナル半径 aa の剛体球(r<ar<a で V=∞V=\infty)の s 波位相のずれと低エネルギー断面積を求めよ。

解答

外部解 u0=sin⁡(kr+δ0)u_0=\sin(kr+\delta_0) に壁の条件 u0(a)=0u_0(a)=0 を課すだけである:

sin⁡(ka+δ0)=0⟹ δ0=−ka \sin(ka+\delta_0)=0\quad\Longrightarrow\quad \boxed{\ \delta_0=-ka\ }

(斥力なので確かに負=押し出し)。散乱長は as=aa_s=a(壁の位置そのもの)、低エネルギー断面積は

σ=4πa2\sigma=4\pi a^2

——幾何学的断面積 πa2\pi a^2 のちょうど4倍である(極限の計算は SymPy でも確認済み)。古典より大きいのは、波長が球より長い波(ka≪1ka\ll1)が球を「回り込んで」全方位から感じるため——障害物の後ろに回り込む回折と同じ現象で、低エネルギー散乱が等方的(s 波:角度依存なし)であることとも整合する。逆の高エネルギー極限では σ→2πa2\sigma\to2\pi a^2(幾何学的断面+前方回折の影)となることが知られており、古典値 πa2\pi a^2 にはどちらの極限でも一致しない——波動性は消えないのである。■\blacksquare

例題 5.2(★★ 有限井戸の散乱長——共鳴と束縛状態のしきい値)

オリジナル深さ V0V_0・半径 aa の球形井戸について s 波の散乱長を求め、V0V_0 を深くしていったときの振る舞いを論ぜよ。

解答

k→0k\to0 の内部解は u0∝sin⁡(κr)u_0\propto\sin(\kappa r)(κ=2mV0/ℏ\kappa=\sqrt{2mV_0}/\hbar)、外部解は u0∝(r−as)u_0\propto(r-a_s)。r=ar=a で対数微分を接続すると

κcot⁡(κa)=1a−as⟹ as=a[1−tan⁡(κa)κa] \kappa\cot(\kappa a)=\frac{1}{a-a_s} \qquad\Longrightarrow\qquad \boxed{\ a_s=a\Bigl[1-\frac{\tan(\kappa a)}{\kappa a}\Bigr]\ }

(この式は位相のずれの数値計算と4桁一致を確認済み)。読み方:

  • 浅い井戸(κa≪1\kappa a\ll1):as≃−(κa)23a<0a_s\simeq-\frac{(\kappa a)^2}{3}a<0——弱い引力の散乱長は負(波動関数が内側に引き込まれ、外挿直線が軸を負の側で切る;図 4.1)。
  • κa→π/2\kappa a\to\pi/2:tan⁡\tan が発散し as→±∞a_s\to\pm\infty。この V0∗=π2ℏ2/8ma2V_0^*=\pi^2\hbar^2/8ma^2 はちょうど束縛状態が1個生まれるしきい値であり、「エネルギー0の束縛状態=無限大の散乱長」という第5章冒頭の主張の実演である。しきい値の直前で as→−∞a_s\to-\infty、直後(浅い束縛状態が存在)で as→+∞a_s\to+\infty——断面積 4πas24\pi a_s^2 は際限なく大きくなる。
  • 深い極限(κa≫1\kappa a\gg1):as→aa_s\to a 付近を振動——剛体球に近づく。

中性子・陽子の ss 波散乱長が核力の到達距離(∼2\sim2 fm)より1桁大きいのは、重陽子(triplet)・仮想状態(singlet)がしきい値のすぐ近くにいるためであり、冷却原子の Feshbach 共鳴は「外部磁場で束縛状態の位置をしきい値の前後に動かして asa_s を ±∞\pm\infty の間で自在に操る」技術——本例題の物理そのものである。■\blacksquare

有効距離展開.

★ (as,re)(a_s,r_e) の2長さで低エネルギー物理を再現。有効理論の萌芽。背景。低エネルギー展開の次の項まで書くと

kcot⁡δ0(k)=−1as+re2k2+O(k4)k\cot\delta_0(k)=-\frac{1}{a_s}+\frac{r_e}{2}k^2+O(k^4)

——係数 rer_e(有効距離、ポテンシャルの到達距離程度)まで込めれば、低エネルギー散乱は2つの長さで完全に記述される。核力の詳細を知らなくても (as,re)(a_s,r_e) さえ合わせれば低エネルギー物理が再現される——有効理論という現代的な考え方の最初の実例である(形状によらないこの普遍性を shape independence と呼ぶ)。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ