量子力学入門 第11部 第6章 §11.6.1 ★ 正の虚軸上の Sℓ の極 ⟺ 束縛状態(散乱長近似で k=i/as)。発展。
位相のずれ δℓ(k)——あるいは S 行列 Sℓ(k)=e2iδℓ(k)——を複素の k の関数として眺めると、散乱・束縛状態・共鳴が1枚の解析的な絵に統一される。本章はその見取り図である。
散乱解の遠方形を uℓ∝e−ikr−Sℓ(k)e+ikr(入射+出射)と書き、k を複素数に解析接続する。k=iκ(κ>0)と置くと、第1項は eκr(発散)、第2項は e−κr(減衰)——Sℓ がそこで極をもてば、発散する成分が消えて純減衰解=束縛状態(E=−ℏ2κ2/2m<0)が残る。すなわち
正の虚軸上の Sℓ(k) の極 ⟺ 束縛状態
低エネルギーの S0≃−1/as+ik−1/as−ik(散乱長近似)で確かめると、極は k=i/as——as>0 で正の虚軸に乗り、束縛エネルギー Eb=ℏ2/2mas2 の浅い束縛状態に対応する。第5章の「as→+∞⟺ しきい値上の束縛状態」が、極が原点に迫る様子として見える(重陽子:triplet 散乱長 5.4 fm からの見積もり Eb∼1.4 MeV は実測 2.22 MeV と同桁で、有効距離補正を入れると近づく)。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com