Klein–Gordon 方程式とその困難
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量子力学入門 第13部 第1章 §13.1.1 ★★ 中核概念:相対論的波動方程式の出発点と2つの病(発展)
Schrödinger 方程式は の量子化(、)だった。相対論的な分散関係 に同じ置き換えを施すと
——最も素直な相対論的波動方程式である。しかし2つの深刻な問題を抱える。
(i) 確率が正定値でない. 時間について2階なので、保存する流れの密度は という形になり、正にも負にもなれる——「確率密度」と解釈できない(2階方程式は と を独立に指定でき、 の符号を選べてしまう)。
(ii) 負エネルギー解. の両符号が解として現れ、エネルギーが下に有界でない——相互作用があれば系はどこまでも落ちていける。
Dirac(1928)の診断は「病因は時間2階にある。時間1階で、かつ相対論的(空間とも1階で対等)な方程式を作ればよい」だった。この一手が、誰も予期しなかった贈り物——スピン——を連れてくる。なお KG 方程式自体が捨てられたのではない:確率解釈を捨てて場の方程式と読み替えれば、スピン0粒子( 中間子・Higgs)の正しい記述である。
第1章のまとめ
の素直な量子化=Klein–Gordon。時間2階ゆえ (i) 確率密度が正定値にできず、(ii) 負エネルギー解が現れる。Dirac の処方:時間・空間とも1階の方程式を探す。
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