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一般定理:対称性 ⟺\Longleftrightarrow 保存量

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第2部 第2章 対称性と保存量:パリティ・並進・Bloch の定理
目次
  1. ◆解析力学との対応:Poisson 括弧と Noether の定理
  2. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第2部 第2章 §2.2.1 ★★ 量子版 Noether。[H^, G^]=0  ⟺  G^\left[\hat H,\,\hat G\right]=0\iff\hat G 保存

対称性があると何が嬉しいのか。線形代数の一般論——可換な演算子は同時固有基底をもつ——がここでの作業原理である。ポテンシャルの対称性(反転・並進)を表すユニタリ演算子 U^\hat U が [H^, U^]=0\left[\hat H,\,\hat U\right]=0 を満たせば、H^\hat H の固有状態を U^\hat U の固有値でラベルできる。このラベル(パリティ ±1\pm1、結晶運動量 kk)が保存量であり、問題を対称性のセクターごとに分割して劇的に簡単化する。

個々の対称性(反転・並進)に入る前に、すべてを支配する一般定理を先に立てておく。以下の各節は、この定理の実例として読むことができる。

まず「保存量」の意味を確認する。Heisenberg 方程式(第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の第0章§0.3)

dA^dt=iℏ[H^, A^]\frac{\mathrm{d}\hat A}{\mathrm{d} t}=\frac{\mathrm{i}}{\hbar}\left[\hat H,\,\hat A\right]

より、時間に陽に依存しない演算子 A^\hat A について

[A^, H^]=0⟹ddt⟨A^⟩=0  (任意の状態で)\left[\hat A,\,\hat H\right]=0\quad\Longrightarrow\quad \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\langle \hat A \rangle =0\ \ (\text{任意の状態で})

——H^\hat H と可換な観測量は保存する。さらに、可換なら同時固有基底が取れ、A^\hat A の固有値は時間発展で変わらない「良い量子数」になる。

次に「対称性」を演算子の言葉にする。連続パラメータ c∈Rc\in\mathbb R をもつユニタリ変換の族を、エルミートな生成子 G^\hat G を使って

U^(c)=exp⁡(−iℏc G^)\hat U(c)=\exp\Bigl(-\frac{\mathrm{i}}{\hbar}c\,\hat G\Bigr)

と書く(並進 T^(a)=e−iap^/ℏ\hat T(a)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} a\hat p/\hbar} はまさにこの形で G^=p^\hat G=\hat p)。系がこの変換で対称であるとは、ハミルトニアンが変換で不変、すなわち

U^†(c) H^ U^(c)=H^(∀c)\hat U^\dagger(c)\,\hat H\,\hat U(c)=\hat H\qquad(\forall c)

が成り立つことをいう。cc が微小のとき U^≃1^−icℏG^\hat U\simeq\hat 1-\frac{\mathrm{i} c}{\hbar}\hat G を代入して展開すると

U^†H^U^=H^−icℏ[H^, G^]+O(c2)\hat U^\dagger\hat H\hat U =\hat H-\frac{\mathrm{i} c}{\hbar}\left[\hat H,\,\hat G\right]+O(c^2)

(1次の項は icℏG^H^−icℏH^G^\frac{\mathrm{i} c}{\hbar}\hat G\hat H-\frac{\mathrm{i} c}{\hbar}\hat H\hat G をまとめたもの)。よって全 cc での不変性は1次の係数の消滅と同値であり(逆に [H^, G^]=0\left[\hat H,\,\hat G\right]=0 なら U^=e−icG^/ℏ\hat U=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} c\hat G/\hbar} は G^\hat G の関数だから全次数で可換)、次を得る。

定理 (対称性と保存量)

連続変換 U^(c)=e−icG^/ℏ\hat U(c)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} c\hat G/\hbar} について、次の3条件は同値である:

(i) U^†(c)H^U^(c)=H^ (∀c)⟺(ii) [H^, G^]=0⟺(iii) G^ は保存量.\text{(i)}\ \hat U^\dagger(c)\hat H\hat U(c)=\hat H\ (\forall c) \qquad\Longleftrightarrow\qquad \text{(ii)}\ \left[\hat H,\,\hat G\right]=0 \qquad\Longleftrightarrow\qquad \text{(iii)}\ \hat G\ \text{は保存量}.

すなわち連続対称性があれば、その生成子が保存量である(逆もまた然り)。

代表的な対応をまとめる:

対称性(変換)生成子=保存量変換の作用
空間並進 x→x+cx\to x+c運動量 p^\hat pU^=e−icp^/ℏ\hat U=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} c\hat p/\hbar}、U^†x^U^=x^+c\hat U^\dagger\hat x\hat U=\hat x+c、U^∣x⟩=∣x+c⟩\hat U| x \rangle =| x+c \rangle
空間回転(n\bm{n} 軸)角運動量 n⋅L^\bm{n}\cdot\hat{\bm{L}}U^=e−iθn⋅L^/ℏ\hat U=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\theta\bm{n}\cdot\hat{\bm{L}}/\hbar}(第4部『スピンと角運動量合成』の第1章)
時間並進 t→t+ct\to t+cエネルギー H^\hat HU^=e−icH^/ℏ\hat U=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} c\hat H/\hbar}(H^\hat H が tt に陽に依存しなければ常に成立)

時間並進の行は「[H^, H^]=0\left[\hat H,\,\hat H\right]=0 は自明」ゆえ、孤立系ではエネルギーが必ず保存することを述べている。この定理は解析力学の Noether の定理(連続対称性1つにつき保存量1つ)の量子力学版であり、古典で「Poisson 括弧」が担った役割を交換子がそっくり引き継いでいる。

なお、本章で最初に扱うパリティは cc で連続につながる変換ではない(離散対称性)が、「H^\hat H と可換なユニタリの固有値でスペクトルを分類する」という使い方は同じである——保存量が連続変換の生成子(エルミート)から、変換そのもの(ユニタリかつここではエルミート)に代わるだけである。

◆解析力学との対応:Poisson 括弧と Noether の定理

★ 発展。正準量子化 {f,g}→[f^, g^]/iℏ\{f,g\}\to\left[\hat f,\,\hat g\right]/\mathrm{i}\hbar の背景

上の定理が「量子版 Noether」であることを、解析力学の側から少し丁寧に見ておく(解析力学そのものの体系的な整備——最小作用・正準方程式・Hamilton–Jacobi——は 第7部『半古典近似WKB』の第2章にまとめたので、あやふやな場合はそちらを先に読むとよい)。

古典力学の Hamilton 形式では、状態は位相空間の点 (x,p)(x,p) で、任意の物理量 f(x,p)f(x,p) の時間発展はPoisson 括弧

{f,g}:=∂f∂x∂g∂p−∂f∂p∂g∂x\{f,g\}:=\frac{\partial f}{\partial x}\frac{\partial g}{\partial p}-\frac{\partial f}{\partial p}\frac{\partial g}{\partial x}

を使って

dfdt={f,H},{x,p}=1\frac{\mathrm{d} f}{\mathrm{d} t}=\{f,H\},\qquad\{x,p\}=1

と書ける。この2行を本節の量子力学の2行

dA^dt=iℏ[H^, A^]=1iℏ[A^, H^],[x^, p^]=iℏ\frac{\mathrm{d}\hat A}{\mathrm{d} t}=\frac{\mathrm{i}}{\hbar}\left[\hat H,\,\hat A\right]=\frac{1}{\mathrm{i}\hbar}\left[\hat A,\,\hat H\right],\qquad \left[\hat x,\,\hat p\right]=\mathrm{i}\hbar

と並べると、対応

 {f,g}⟷1iℏ[f^, g^] \boxed{\ \{f,g\}\quad\longleftrightarrow\quad\frac{1}{\mathrm{i}\hbar}\left[\hat f,\,\hat g\right]\ }

が浮かび上がる(Dirac の対応原理;「Poisson 括弧を [⋅, ⋅]/iℏ\left[\cdot,\,\cdot\right]/\mathrm{i}\hbar に読み替えよ」が正準量子化の処方箋である)。この辞書のもとで

古典: {G,H}=0 ⟺ G 保存⟷量子: [G^, H^]=0 ⟺ G^ 保存\text{古典:}\ \{G,H\}=0\ \Longleftrightarrow\ G\ \text{保存} \qquad\longleftrightarrow\qquad \text{量子:}\ \left[\hat G,\,\hat H\right]=0\ \Longleftrightarrow\ \hat G\ \text{保存}

——本節の定理は、古典力学で Noether の定理(連続対称性1つにつき保存量1つ:並進不変 ⇒\Rightarrow 運動量保存、回転不変 ⇒\Rightarrow 角運動量保存、時間並進不変 ⇒\Rightarrow エネルギー保存)として知られていた構造の、忠実な量子版である。しかも量子側の証明(微小展開1行)は古典側より簡単ですらある:古典では「変換で作用が不変 ⇒\Rightarrow Euler–Lagrange 方程式に沿って保存流が組める」という変分計算を要するのに対し、量子では対称性・保存則・生成子がすべて同じ交換子 [H^, G^]\left[\hat H,\,\hat G\right] に畳み込まれているからである。

対応がずれる点も一つ注意しておく。Poisson 括弧の量子化には演算子の順序の曖昧さが残る(xpxp を x^p^\hat x\hat p とするか p^x^\hat p\hat x とするか等;差は O(ℏ)O(\hbar))。x^,p^\hat x,\hat p の1次・2次の組合せでは問題にならないが、一般には「古典論から量子論は一意に決まらない」——量子論の方が根源的で、古典力学はその ℏ→0\hbar\to0 の影(第7部『半古典近似WKB』の第1章)である、という視点をもっておくとよい。

木下の勉強ステータス

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