量子力学入門 第4部 第1章 §4.1.1 ★★★ 回転演算子 exp(−iθn⋅s^/ℏ) と Pauli:スピン計算の中心
第2部『対称性と結晶バンド』の第1章で学んだ CBH 公式が、スピンで最も美しく閉じる場面から始める。回転演算子 U^(n,θ)=exp(−iθn⋅s^/ℏ) が「演算子ベクトル s^ を本当に空間回転させる」ことを示す——第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の第0章§0.1 で予告した「Pauli 行列に x,y,z の名が付く理由」の完全版である。
最小限の復習(自己完結のために).
スピン 21 の状態空間は2次元で、s^z の固有状態を ∣↑⟩,∣↓⟩(固有値 ±ℏ/2)と書く。スピン演算子は Pauli 行列
σ^x=(0110),σ^y=(0i−i0),σ^z=(100−1)
を使って s^=2ℏσ^ と表され、基本関係式は σ^iσ^j=δij1^+iεijkσ^k(交換関係 [σ^i,σ^j]=2iεijkσ^k と反交換関係を同時に含む)。一般の純粋状態は Bloch 球の点 (θ,φ) で
∣ψ(θ,φ)⟩=cos2θ∣↑⟩+eiφsin2θ∣↓⟩
とパラメータ化される(図 1.1;導出は第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の第0章§0.1、本章の後半で回転側から再導出する)。本章で必要な前提はこれだけである。

図 1.1:Bloch 球。純粋状態は球面上の点 (θ,φ) と1対1に対応する。北極が ∣↑⟩、南極が ∣↓⟩。第10部『開いた量子系と量子情報』の第1章では混合状態が球の内部を埋めることを見る。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com