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2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第6部 第1章 時間に依存しない摂動論
目次
  1. なぜ「 の次数ごとに比較」してよいのか。
  2. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第6部 第1章 §6.1.1 ★★★ 摂動展開の枠組み。以降すべての前提

厳密に解ける量子系はごく僅かである。現実の問題のほとんどは「解ける系+小さな補正」の形で攻める——その体系的な方法が摂動論である。本章では時間に依存しない摂動論を、非縮退の場合の導出から始めて、縮退がある場合の「正しい0次状態の選び方」(永年方程式)まで構築する。例題は非調和振動子、水素原子の Stark 効果、スピンの磁気異方性である。

Hamiltonian を

H^=H^0+λV^\hat H=\hat H_0+\lambda\hat V

と分ける。H^0\hat H_0 は厳密に解けて固有値 En(0)E_n^{(0)}・固有状態 ∣ϕn(0)⟩| \phi_n^{(0)} \rangle(正規直交完全系)が既知、λV^\lambda\hat V は「小さい」摂動である(λ\lambda は摂動の次数を数える形式パラメータで、最後に λ=1\lambda=1 とおく)。求めたいのは H^\hat H の固有値・固有状態

H^∣ϕn⟩=En∣ϕn⟩\hat H| \phi_n \rangle =E_n| \phi_n \rangle

であり、これを λ\lambda のべき級数

En=En(0)+λEn(1)+λ2En(2)+⋯ ,∣ϕn⟩=∣ϕn(0)⟩+λ∣ϕn(1)⟩+λ2∣ϕn(2)⟩+⋯E_n=E_n^{(0)}+\lambda E_n^{(1)}+\lambda^2E_n^{(2)}+\cdots,\qquad | \phi_n \rangle =| \phi_n^{(0)} \rangle +\lambda| \phi_n^{(1)} \rangle +\lambda^2| \phi_n^{(2)} \rangle +\cdots

と展開して次数ごとに決めていく。

なぜ「λ\lambda の次数ごとに比較」してよいのか。

固有値方程式に上の展開を代入すると、λ\lambda についての恒等式(λ\lambda の値によらず成立すべき式)が得られる。λ\lambda の多項式(べき級数)が恒等的に零なら各次数の係数がすべて零——これは多項式の一意性そのものである。摂動論の各次数の方程式は、この係数比較から機械的に生成される。

定石:摂動級数とは、厳密固有値を結合定数のまわりで Taylor 展開したものである ★★★

摂動論を「近似の技法」としてだけ覚えると、どこまで信用してよいかの判断ができない。次の一文が判断基準を与える。

位置づけ。H^(λ)=H^0+λV^\hat H(\lambda)=\hat H_0+\lambda\hat V の第 nn 固有値を λ\lambda の関数 En(λ)E_n(\lambda) と見ると、摂動級数の kk 次の係数はその λ=0\lambda=0 における kk 階微分係数にほかならない:

 En(k)=1k!dkEndλk∣λ=0 \boxed{\ E_n^{(k)}=\frac{1}{k!}\left.\frac{\mathrm{d}^kE_n}{\mathrm{d}\lambda^k}\right|_{\lambda=0}\ }

つまり摂動級数は、厳密固有値 En(λ)E_n(\lambda) の λ=0\lambda=0 まわりの Taylor 級数そのものである(1次の係数が Hellmann–Feynman の定理 dE/dλ=⟨∂H^/∂λ⟩=Vnn\mathrm{d} E/\mathrm{d}\lambda=\langle \partial\hat H/\partial\lambda \rangle =V_{nn} で En(1)E_n^{(1)} に一致することが、この見方の最も分かりやすい確認になる。§ 発展参照)。

この見方の使いみちは3つある。第一に、摂動論の妥当性は En(λ)E_n(\lambda) の解析性の問題に翻訳される。Taylor 級数の収束半径は、複素 λ\lambda 平面で En(λ)E_n(\lambda) が特異になる最も近い点までの距離で決まる。第二に、厳密解が手に入る系では厳密解を展開して摂動級数と突き合わせるという検算がそのまま使える(摂動計算の結果を確かめる標準的な方法である)。第三に、2準位系と調和振動子という見かけの違う2つの問題を、同じ「厳密固有値の Taylor 展開」という1つの枠で説明できる。

同じ枠で並ぶ3つの例(本章と § 発展で順に扱う)。

  1. 2準位系(最も標準的な型)。H^=ℏω2σ^z+λℏεσ^x\hat H=\tfrac{\hbar\omega}{2}\hat\sigma_z+\lambda\hbar\varepsilon\hat\sigma_x の厳密固有値は E±(λ)=±ℏ2ω2+4λ2ε2E_\pm(\lambda)=\pm\tfrac{\hbar}{2}\sqrt{\omega^2+4\lambda^2\varepsilon^2}。平方根の分岐点は ω2+4λ2ε2=0\omega^2+4\lambda^2\varepsilon^2=0、すなわち純虚数の λ=±i ω/(2ε)\lambda=\pm\mathrm{i}\,\omega/(2\varepsilon) にあるので、収束半径は ∣λ∣<ω/(2ε)|\lambda|<\omega/(2\varepsilon) と有限で正。この特異点は「2つの準位が複素の結合定数で縮退する点」であり、収束を止めているのは準位の接近そのものである(実の λ\lambda で見た収束の目安 ∣Vmn∣≪∣En(0)−Em(0)∣|V_{mn}|\ll|E_n^{(0)}-E_m^{(0)}| の正体がこれ)。
  2. 調和振動子への x^2\hat x^2 摂動(非調和振動子の節で扱う)。En(β)=ℏω(n+12)1+2β/mω2E_n(\beta)=\hbar\omega(n+\tfrac12)\sqrt{1+2\beta/m\omega^2} の分岐点は β=−mω2/2\beta=-m\omega^2/2、すなわちバネ定数がちょうど零になって束縛状態が消える点にある。収束半径は ∣β∣<mω2/2|\beta|<m\omega^2/2 でやはり有限。
  3. 調和振動子への x^4\hat x^4 摂動(非調和振動子の節で扱う)。こちらは収束半径が零になり、級数は収束しない。λ<0\lambda<0 ではポテンシャルが遠方で下に発散して束縛状態が存在しないため、λ=0\lambda=0 を中心とするどんな小さな円も「固有値が存在しない領域」を含んでしまい、En(λ)E_n(\lambda) は λ=0\lambda=0 で解析的になれない。詳細と実務上の扱いは § 発展。

結論。「λ\lambda が小さければ摂動級数は収束する」は成り立たない。摂動論を使ってよいかどうかは、収束するかではなく、打ち切ったときの誤差が要求精度より小さいかで判断する。

木下の勉強ステータス

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