発展:微細構造と漸近級数
AI 生成・木下が未勉強
量子力学入門 第6部 第1章 §6.1.8 ★ 微細構造・漸近級数(発展)
摂動論の花形:水素の微細構造。
相対論的補正(運動エネルギーの 項・スピン軌道相互作用・Darwin 項)を1次摂動で取り込むと、水素準位は と に依存して分裂する(微細構造)。Stark 効果で使った「対称性で行列要素を絞る→縮退空間で対角化」の手順がそのまま働く実戦例である。
摂動級数は収束するとは限らない。
非調和振動子の 摂動級数は漸近級数であり、 をどれほど小さくしても高次で必ず発散に転じる。理由は Dyson の議論で、 ではポテンシャル が遠方で下に発散して束縛状態が一つも存在しないから、 を中心とするどんな小さな円板も「固有値が定義されない領域」を含んでしまい、 は で解析的になりえない。§1.1 の言葉で言えば、収束半径が零になる。それでも低次の数項は驚くほど正確で、「収束しないが役に立つ」のが摂動論の実像である。次の定石はその使い方を定量的に与える。
定石: 摂動級数は漸近級数(Bender–Wu)。次数を上げても精度は上がらない ★
以下 とし、摂動を と書く(非調和振動子の節の に対応する)。基底エネルギーの摂動級数を高次まで生成すると
となる(係数は 検算スクリプト の Rayleigh–Schrödinger 再帰で12次まで生成し、独立に行列対角化した厳密値と突き合わせて確認した)。
係数の増大則(Bender–Wu)。 次の係数の大きさは
で、階乗のオーダーで増える。どんなに小さい を選んでも はいずれ増大に転じるので、級数は必ず発散する。
最適打ち切りと到達可能な精度。第 項の大きさ が最小になる次数は
で、そこで打ち切ったときの誤差は最小項の大きさ、すなわち 程度になる。これが を固定したときに摂動論で到達できる精度の上限である。 を超えて項を足すと、和は厳密値から離れていく。
数値で見る( を固定して部分和を作り、行列対角化による厳密値と比べたもの。すべて 検算スクリプト で再現できる)。
| 厳密値 | 最良の打ち切り次数 | その誤差/12次まで足したときの誤差 | |
| (式の予測 ) | / | ||
| (式の予測 ) | / — |
では、6次で打ち切ったときより12次まで足したときの方が誤差が9倍悪い。
を大きくしてよいかという誤解。摂動論を「 が小さいほど良い近似」とだけ覚えていると、「そこそこ大きい でも次数を上げれば追いつく」と考えてしまう。上の と精度限界 は逆のことを言っている。 を大きくすると最適打ち切り次数が下がり、同時に到達できる精度も指数関数的に悪化する。実際、
で、 では2次まで足すと基底エネルギーが負という物理的にありえない値になる(、つまり1次すら最適打ち切りを超えている)。 が大きい領域は摂動論の外にあり、変分法(第2章)や数値対角化に切り替えるしかない。
発散級数から厳密値を取り出す道も存在する。 的に増える係数を Borel 変換で割り戻し、Borel 平面で積分し直す Borel 総和がその代表で、 振動子ではこの手続きが厳密固有値を再現することが知られている。「発散するから無意味」ではないことは押さえておくとよい。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ