量子力学入門 第7部 第2章 §7.2.2 ★ 正準形式の準備(背景)
Lagrange 形式の変数は (x,x˙) だが、量子力学と直結するのは変数を (x,p) に取り替えた Hamilton 形式である。まず正準運動量を
p:=∂x˙∂L
で定義し(L=2mx˙2−V なら p=mx˙:普通の運動量。ただし磁場中では p=mx˙+qA とずれる——第5部『電磁場中の荷電粒子とゲージ』の第1章)、Hamiltonian を Legendre 変換
H(x,p):=px˙−L(x,x˙)x˙=x˙(x,p)
で定める(右辺の x˙ は p=∂L/∂x˙ を逆に解いて消去する)。L=2mx˙2−V なら
H=p⋅mp−(2mp2−V)=2mp2+V(x)
——全エネルギーである。運動方程式がどうなるかは、H の全微分を2通りに書けば読み取れる:
dH=x˙dp+pdx˙−∂x∂Ldx−=p∂x˙∂Ldx˙=x˙dp−p˙dx
(dx˙ の項が Legendre 変換の仕掛けでちょうど相殺し、Euler–Lagrange (7.2.1) で ∂L/∂x=p˙ とした)。一方 dH=∂x∂Hdx+∂p∂Hdp だから、係数を比べて
x˙=∂p∂H,p˙=−∂x∂H (正準方程式)(7.2.2)
2階微分方程式1本が、対称な1階連立2本になった。状態は (x,p) 平面——位相空間——の1点で完全に指定され、運動はその点が描く流れになる。エネルギー保存はこの形式では1行である:
dtdH=∂x∂Hx˙+∂p∂Hp˙=∂x∂H∂p∂H−∂p∂H∂x∂H=0.
ゆえに軌道は位相空間の等エネルギー面 H(x,p)=E の上を流れる。1次元の束縛運動なら等エネルギー面は閉曲線——第5章で「その面積」が量子化の主役になる。なお「なぜ px˙−L という形なのか」「この変換は何を保存しているのか」は次節(§7.2.3)で徹底的に解剖する。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com