量子力学入門 第7部 第4章 §7.4.2 ★ 特殊関数の性質(道具の中身)
Airy 方程式の解のうち z→+∞ で減衰するものを第一種 Airy 関数という。複素積分で
Φ(z):=2πi1∫Cdt exp(−zt+3t3)
と定義できる。積分路 C は、被積分関数が遠方で消える扇形領域(Ret3>0 が破れる argt≃±π/3 を挟む谷)を、下方の谷から入って上方の谷へ抜けるようにとる。この表示が Airy 方程式を満たすことは一行で確かめられる:
(dz2d2−z)Φ=2πi1∫Cdt(t2−z)e−zt+t3/3=2πi1∫Cdtdtde−zt+t3/3=0
——被積分関数が完全微分になり、端点(両方の谷)で et3/3→0 だから消えるのである。
必要になるのは漸近形だけである。積分表示に鞍点法を適用すると(鞍点 t=±z;導出の詳細は数学的手法の教科書「鞍点法」の章に譲る)
Φ(z) ∼ ⎩⎨⎧21z−1/4exp(−32z3/2)∣z∣−1/4sin(32∣z∣3/2+4π)(z→+∞: 禁止側,減衰)(z→−∞: 許容側,振動)(7.4.1)
図 4.1 に Φ(z)/π=Ai(z)(標準規格化)と漸近形 (7.4.1) を重ねた。∣z∣≳2 で既に漸近形はほぼ厳密解に乗っており(数値でも確認済み:z=−9 で誤差数%、z=9 で 0.4%)、「回帰点のすぐ外側から WKB が使える」ことが見てとれる。

図 4.1:Airy 関数 Ai(z)(実線)と漸近形 (7.4.1)(破線・点線)。
漸近形 (7.4.1) の2行を見比べることが、本章の核心である。左辺は同じ一つの関数なのに、右辺は禁止側で「係数 21 の減衰指数」、許容側で「位相 +π/4 の正弦振動」——この係数 2 と位相 π/4 の対応こそ、WKB の左右の係数を結びつける情報である。実際、線形ポテンシャルでは
ℏ1∫pdx=32∣z∣3/2,ℏ1∫ρdx=32z3/2,p,ρ∝∣z∣1/2 ⇒ p1∝∣z∣−1/4
となるので、(7.4.1) はまさに「両側の WKB 解を1本の関数で内挿したもの」と読める。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com