時間に依存しない摂動論(復習)
AI 生成・木下が未勉強
量子力学入門 第9部 第0章 §9.0.3 ★★★ 縮退/非縮退摂動論。量子力学で最もよく使う近似の道具。
厳密に解ける (固有値 、固有状態 は既知)に小さな摂動 を加えた を考える。 とおく。 が非縮退なら、固有値・固有状態を のべきで展開して
を得る。1次のエネルギー補正は摂動の期待値という要点は、ヘリウム原子(第1章)で電子間反発の効果を評価する際の主役になる。2次式の構造も読んでおく:分母が小さい(準位が近い)ほど混ざりが大きく、基底状態では分母がすべて負なので2次補正は必ずエネルギーを下げる(準位反発)。
が縮退している場合、上の分母が消えて破綻する。そのときは縮退部分空間内で を行列 ( は同じ の状態)として対角化する(永年方程式 )。固有値が1次のエネルギー補正、固有ベクトルが「正しい0次状態」を与える。これは「非可換な観測量でも、縮退空間の中でなら同時対角化できる」という命題で見たのと同じ「縮退空間内で対角化する」操作そのもので、 自身に良い基底を選ばせる手続きである。同種粒子系(第1章)でスピン多重項ごとにエネルギーが分裂する構造も、「対称性(入れ替え)で先に基底を分類してから摂動を評価する」というこの考え方の延長線上にある。
なお、時間に依存しない摂動論が定常状態のエネルギー補正を与えるのに対し、第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』で扱う時間に依存する摂動論は、摂動によって状態が別の状態へ遷移する確率を与える。同じ「摂動論」でも問いが異なる点に注意されたい。非縮退・縮退摂動論のフルの導出と、Stark 効果・磁気異方性への適用は、第6部『摂動論と変分法』の第1章で正面から扱っている。
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